ロッドの塗装方法

釣り好き必見! プロもやってるロッドの塗装方法を学ぼう!


ロッド(釣竿)の塗装は寿命を延ばす上でとても重要な作業です。プロの釣り師などはメンテナンスとして定期的にリペイントしている方も珍しくありません。そこで、今回はロッドの塗装方法についてご紹介します。
  1. ロッドの塗装について
  2. ロッドを塗装する準備
  3. ロッドを自分で塗装する方法
  4. ロッドの塗装を業者へ依頼する方法
  5. ロッドの塗装に関するよくある質問
この記事を読めばロッドの塗装に関する基礎知識を学ぶことができます。これからロッドのリペイントを考えている方などは、ぜひとも最後までお付き合いください。

1.ロッドの塗装について

1-1.塗装の魅力とメリット

ロッドに塗装を行う最大の理由はロッドを保護するためです。釣りに使うわけですから、水や塩水にさらされますし、岩場などで釣りを行えばどんなに気をつけていても傷がついてしまうこともあります。釣りを行うとロッドに大きなテンションがかかりますから、小さな傷でも折れてしまうこともあるでしょう。 また、ロッド塗装する場合しなりに強い塗料を使わないと、塗料が割れたりしてしまいます。塗装はロッドの見栄えをよくする以外に耐久性・対候性も良くなりますので。 手元のロッドを再塗装したり、ブランクだけを購入し世界に一つだけのオリジナルロッドを作り上げるのも楽しいですね!こんなロッドで魚を釣り上げた時の喜びは何とも言えない最高の至福のひと時だと思いませんか? さあ、あなたも是非釣竿の塗装に挑戦してみませんか?

1-2.自分でするか、依頼するか

ロッドの塗装は自分で行うこともできます。簡単な塗装で言えば「しごき塗り」といって、穴の開いた専用ゴムパーツに塗料を入れ、立てた釣り竿に下から上に動かすだけの簡単な方法もあります。しかし、塗装は厚すぎるのも薄すぎるのもよくありません。慣れていない方だとうまく塗装できないことも多いでしょう。 エアブラシのような簡単な設備が整うのなら是非ご自分で挑戦してみてください。 しかし1回塗装をすれば数年はリペイントの必要がないので、せっかく買った塗料や道具もタンスの肥やしになりがちです。設備や、道具を集めるのも大変な方は、初期費用がかかりますので、基本的にロッドはプロに相談してみてもよいでしょう。

2.ロッドを塗装する準備

塗装の出来栄えを考えるとプロに頼むのが無難ですが、自分の使う道具はとことん自分で手入れをしたい方もいるでしょう。

2-1.必要な道具

自分で塗装をするためには、以下のようなものをそろえる必要があります。 コンプレッサーは小型のものでも1万~7万円かかりますし、スプレーガンも数千円~2万円程度します。すべて道具をそろえようとすると、金銭的な負担が大きくなるので注意しましょう。スプレーガンの代わりに市販のスプレー缶を使うことも可能ですが、液垂れや劣化(変色)しやすく仕上がりが悪くなりやすいので避けた方が無難です。

2-2.道具の選び方

ロッドの塗装には、ウレタン塗料を使うのが一般的です。ウレタン塗料の中でも硬度のあるウレタン塗料や、しなりに強いウレタン塗料などがありますので、柔軟性が必要となるロッドの塗装では、無黄変(黄色くならない)・タイプのロッド専用ウレタン塗料を使用しましょう。 また、スプレーガンやコンプレッサーなどについては、普通の通販サイトで選ぶと、ロッドの塗装には向かないものを購入してしまう危険があります。ですから、できれば塗装専門業者から購入するのがおすすめです。ロッドの塗装用キットなどが売っていれば一番間違いがありません。

3.ロッドを自分で塗装する方法(ブラウンパール塗装)

この項目ではロッド塗装のDIY方法をご紹介します。

3-1.塗装の手順

3-1-1.研磨

研磨まずは塗装前の下地処理が必要です。今回は下地のカーボンの凸凹を取ってほしいという事なので、#400布ペーパーを使ってロッドの凸凹をある程度まで研磨し、整えました。

3-1-2.希望のカラーに塗装

調色
調色本来であるならこの後ウレタンサフェーサーを吹きたいところでしたが、塗膜を薄く仕上げてほしいとのご依頼だったので、今回は直接下地用としてロッド用ウレタンブラックとブラウン色を混ぜて焦げ茶を調色しました。色目は透明の矢印部分の色目を見て合わせました。
塗装
塗装調色終了後は10(主液):1(硬化剤):7(薄め液)の混合比で吹いていきます。 使用スプレーガンは明治F55-G(平吹きタイプ0.5口径)タイプです。ロッドを吹くには最適なガンとなっています。 吹き方は簡単。竿先の先端からバット部分までくるくる回しながら均等に吹いていきます。

3-1-3.希望のカラーに塗装 Part2

希望のカラーに塗装ウレタンカラーをじっくり乾燥させたので今回はウレタンクリアーの中にパールホワイトを少々混合させました。また、隠しアジ程度にステインのブラウンを混ぜ、渋めなブラウンパール調を演出しています。均等に満遍なく塗装すれば、カラーリングは終了です。 ロッド用クリアーにパールを入れることによって、下地のブラウンを透過させブラウンパール色が演出されるのです。 今回はクリアーの中にパールを混ぜましたが、ラメ粉を入れてもおもしろいですね! いろいろな塗装に挑戦してみると塗装の世界が広がります。

3-1-4.ウレタンクリアー吹き

ウレタンクリアー吹き次にロッド用ウレタンクリアー吹きを行います。クリアーは最後に吹くコーティング剤だと思ってください。クリアー塗装を施すことによって、傷に強くまた塗装に深みを増す意味でも、吹いた方が良いでしょう。 混合比は10(主液):1(硬化剤):7(薄め液)で、明治F55-G(平吹きタイプ)のスプレーガンを使用。1回目のクリアー吹きから中一日乾燥させ#1000水ペーパーにて足付けし2回目のウレタンクリアー吹いていきます。 吹き付けが終わったら一週間程度完全に乾燥させ、軽くコンパウンドで磨き艶を出せば完成となります。

3-2.塗装のポイント

ロッドの塗膜を剝がす際にはロッド本体がなるべく均等に塗膜が剥がれるように気をつけることが大切です。また、塗料を吹き付けた後には、乾燥場所の確保と乾燥期間を設けることも重要となります。たとえば、下地工程からトップコートまで、1日以上乾燥させてから、塗装を行うように時間に余裕を持って作業して行きましょう。乾燥が不十分だと仕上がりにムラができたり塗装が剝がれやすくなったりします。

3-3.よくある失敗

ロッドのリペイントをする際に最も多い失敗は、下地の研磨不足です。 下地の塗料が残っていたりすると、曲がった時のテンションが変わったりしますので時間を掛けて均等に研磨しましょう。その他マスキングのし忘れやマスキングの隙間から塗料が入ってしまうことです。ガイド部分やグリップ部分など、塗装をしたくない場所にマスキングをした時、少しでも隙間が空いているとその部分から塗料が入り込んでしまい不要な場所にまで色がついてしまうことがあります。素材によっては研磨して塗装を落とすことができないものもあるので注意しましょう。 また、塗装面に油分があると、塗料が弾かれてうまく塗れないことがあります。専用のクリーナー(シリコンオフなど)や中性洗剤などを使って脱脂をしておくことが大切です。

4.ロッドの塗装を業者へ依頼する方法

DIYで塗装するのもよいのですが、うまく塗装する自信がない方や、絶対に失敗したくない方は割り切ってプロに依頼するのが1番です。とはいえ、どこに依頼すればいいのか分からない方も多いことでしょう。そこで、この項目では業者へ依頼する方法についてご紹介します。

4-1.依頼すべき場合

ロッドは高額なものが多いですし、愛用しているものには愛着もあるでしょう。大事なロッドをリペイントする際には失敗が許されないので、業者に依頼するのが一番です。また、前述したように自分で塗装を行うためには初期費用がかかります。頻繁に塗装を行うわけではないのなら、費用の面で見ても業者に依頼したほうが合理的です。

4-2.どこへ依頼するか

一口に塗装業者といっても外装から自動車まで、業者によって専門としている分野は大きく違います。当然、外壁や屋根を塗装するのとロッドを塗装するのではまったく勝手が違ってくるでしょう。ですので、できればロッド塗装のノウハウを持っている業者を選ぶことが大切です。もちろん、自動車やバイクを専門とした塗装業者などでもロッドの塗装に対応してくれることはあるでしょう。しかし、ロッドの塗装を専門的に行っている業者とでは仕上がりに大きな差が出てきます。業者ホームページの塗装事例のページなどを確認して、ロッド塗装に関する知識や経験があるかどうかを確認しておいてください。

4-3.業者の選び方

一番重要なのは対応の善しあしです。まずはメールにて問い合わせてみましょう。 今の仕様状態などや、最終的にどのように仕上げたいのかも詳細に明記しましょう。 数回のやり取りは必要ですが、納得いくまで質問をしてみましょう。しっかりとした業者ならどんな質問でも真剣に対応してくれます。また、業者のホームページやブログ・SNSなどを確認することも大切です。特に、ブログ・SNSは分かりやすい指標となります。定期的にしっかりとした内容の情報を発信している業者は信頼できる業者です。

4-4.依頼の大まかな流れ

  1. ホームページの専用フォームなどから依頼
  2. 見積もりの提示
  3. 契約
  4. ロッドを業者宛てに配送
  5. リペイント作業
  6. 納品

4-5.費用について

塗装にかかる費用はロッドや塗装方法の種類によって大きく変わります。たとえば、ブランクロッドの単色塗装であれば9,000円程度ですが、煤竹(すすだけ)塗装をすると18,000円程度になるでしょう。その他特殊塗装を依頼することも可能なので、詳しくは業者ホームページをご確認ください。

4-6.注意点

メーカー名やロゴはリペイントの際に消えてしまいます。もしもメーカー名やロゴを残したい場合は業者としっかり打ち合わせし、事前にマスキングするなどして対策しておいてください。また、ロッドにシールが張ってあると塗装できないため、依頼の前にはシールを外しておきましょう。

5.ロッドの塗装に関するよくある質問

Q.傷がついていても塗装は可能ですか? A.塗装できます。ただし、傷の大きさなどによっては塗装をしても傷は消えません。傷消しの目的で塗装をする場合には、その点に留意してください。 Q.マスキングはどうやってやればいいのですか? A.一般的にはマスキングテープを利用します。新聞紙やビニールシートなどを使って養生することも可能ですが、使いづらいのであまりおすすめはしません。 Q.1回塗装に失敗したロッドでも対応してもらえるのでしょうか? A.ほとんどの業者は塗装に失敗してしまったロッドでもリペイントに対応してくれます。安心してご依頼ください。 Q.どんな材質のロッドでも塗装してもらえますか? A.基本的には大丈夫です。カーボン素材やグラス素材などほとんどの素材でも塗装は可能です。しかし業者によっては対応していないロッドもあるでしょう。例えばアユ竿のような数gでテンションが変わってしまうような釣竿を依頼する場合は、確認が必要です。 一般的に流通しているロッドなら基本的に問題ありません。 Q.塗装を依頼した場合、納品までどのぐらいかかりますか? A.業者によって異なりますが、一般的に1~2か月程度はかかるでしょう。詳しくは業者に尋ねてみてください。

まとめ

いかがでしたか? 今回はロッドの塗装に関する情報をご紹介しました。ロッドの寿命を延ばす上で塗装はとても重要となります。長くロッドを使い続けたいのであれば、数年おきにリペイントをするのが1番です。しかし、自分で塗装を行うには初期費用がかかりますし、技術面でも不安があります。思い入れのあるロッドの塗装をするのであれば、やはりプロに頼むのがおすすめです。今回ご紹介した情報を参考に、ぜひ愛用ロッドの塗装を成功させてくださいね。
塗装用具・各種塗料を豊富にラインナップ!