金属塗装でアルミ・ステンレス調仕上げ!塗装テクニックと剥がれない秘訣とは!


「金属を塗装したけれど、すぐに剥がれてしまった…」
「ステンレスやアルミ調の塗料を使って、より自然な仕上がりにしたい!」

実は、金属の素材を活かした塗装を成功させるには、正しい下地処理と適切な塗装テクニックが欠かせません。特に、金属塗装では、塗料の密着性を高める工夫をしなければ、塗膜が剥がれやすくなってしまいます。

この記事では、剥がれづらい金属塗装のコツ、アルミ風仕上げを美しく長持ちさせるテクニック、そして金属の素材を活かした塗装方法を詳しく解説します。

目次

1.金属調塗装でアルミ・ステンレス調に仕上げる基本
 1-1:金属の素材を活かした塗装とは?
 1-2:金属塗装に必要な道具と塗料の種類
2.アルミ・ステンレス調塗料が剥がれない下地処理
 2-1:なぜ剥がれるのか?金属塗装の失敗原因
 2-2:密着性を高める下地処理の基本
3.金属の素材を活かした塗装テクニックと実践方法
 3-1:ステンレス・アルミ調塗料の塗り方と仕上げ方
 3-2:ステイン塗料を混ぜることでオリジナルカラーも!
 3-3:ムラを防ぐための塗装のコツ
4.金属塗装を長持ちさせる仕上げとメンテナンス
 4-1:トップコートを活用した耐久性アップの方法
 4-2:塗装後のメンテナンスと劣化を防ぐポイント
5.まとめ

金属塗装でアルミ・ステンレス調に仕上げる基本

金属やルアーにアイアン風や鱗調の質感を与えるには、単にアイアンペイントを塗るだけでは理想の仕上がりになりません。下地処理や塗料の選び方、そして塗装技術がしっかりと組み合わさることで、金属本来の持ち味を活かしながら、より長持ちする美しい仕上げが可能になります。

ここでは、金属やウッドの素材を活かした塗装の概要と、アイアン風塗装、鱗(うろこ)塗装、スケールシルバー塗装を成功させるためのポイントを解説します。

金属の素材を活かした塗装とは?

ステンレス調やアルミ調の塗料を使うと、金属ならではの光沢やクールな質感を損なうことなく、さまざまな表現が可能になります。ステンレス系の塗料ではシルバーやクロムメッキ風の仕上がりが特徴で、シャープな印象を演出しやすい傾向があります。

一方、アルミ調の塗料はやや落ち着いた輝きを持ち、マットな質感とも相性が良いため、ルアーの鱗(うろこ)模様の演出やシックなアイアン風を目指す場合に最適です。

ZESTでは、塗装前にペーパーをあて、表面に金属調のテスクチャーを作成してから塗装することで、初心者でもステンレスやアルミのような材質感を出すことができる塗料を販売しております。

本店おもしろ塗装工房|アルミ・ステンレス調塗料はこちらから購入いただけます。
鱗(うろこ)模様の演出するスケールシルバー塗料はこちらから購入いただけます。

#600前後の耐水ペーパーでヘアーラインを出すことで、金属(ステンレス)の質感をリアルに再現することができます。また、ヘアーラインを施さずに塗装することで、アルミ調にもできるため、1つの塗料で2つの質感を出すことができます。

金属塗装に必要な道具と塗料の種類

金属塗装では、サンドペーパーや脱脂用クリーナー、プライマー(下地剤)、上塗り用の塗料、そして仕上げのトップコートが欠かせません。

サンドペーパーによる足付け作業は、金属表面をわずかにざらつかせることで塗膜の密着力を高め、塗装の剥がれを防ぐ重要な工程です。脱脂用クリーナーを使って表面の油分や汚れを取り除いた後、金属専用のプライマーを塗っておけば、より強固で均一な下地を形成できます。

塗装後にはトップコートを施し、紫外線や摩擦、湿度などから塗膜を保護することで、美しい状態を長くキープできます。

アルミ・ステンレス調塗料が剥がれない下地処理

金属やウッドにアルミ・ステンレス調塗料を塗装する場合に、大切なことは「下地処理」です。下地処理が不十分だと、せっかく綺麗に塗れたと思っても後から剥がれてしまい、塗り直しが必要になります。
ここでは、下地処理の重要性と具体的な手順、そして失敗を防ぐためのポイントを解説します。

なぜ剥がれるのか?金属塗装の失敗原因

金属の表面には、防錆油や保護膜、ホコリや油汚れが付着していることが多く、これらを十分に除去しないと塗膜が密着しにくくなります。

また、金属は他の材質に比べて表面が非常に滑らかなため、塗料が乗りにくいという性質も持っています。そのため、通常よりも下地処理は入念に行う必要があります。
またウッドへの塗装の場合は、導管の凸凹がでやすいためしっかりと導管を埋め平らな状態にしてからの塗装になるため、金属への塗装に比べウッドへ塗装は下地塗装が重要な要素となります。

密着性を高める下地処理の基本

【金属への塗装の場合】
1.洗浄・脱脂汚れや油分をしっかり落としておく
2.サンドペーパー(足付け)表面をざらつかせて塗料の密着力を向上
3.プライマー塗装塗膜の定着と防サビ効果を高める。
足付けできない素材の場合、例えばガラス素材・メッキ素材の場合は
プライマーやサフェーサーが必要となります。
NO.2で足付けができていればプライマーは必要ありません。
【ウッドへの塗装の場合】
1.導管を埋める
(ワイピングなど)
導管を埋めることによって次に塗るサフェーサーや
ウレタンサンディングの目ハジキを抑える
2.ウレタンサフェーサーや
 ウレタンサンディングなど
肉持ちを持たせる。導管の凸凹をなくすための中塗り
3.サンドペーパー(足付け)表面をざらつかせて塗料の密着力を向上する以外に導管の
凸凹をなくすための足付けでもある

まずは、表面の汚れをしっかり落とすことが肝心です。洗剤で洗浄してから脱脂剤(シリコンオフなど)を使い、油分やホコリを取り除きます。

次に、サンドペーパーで表面を軽く研磨し、細かな傷(足付け)をつけておくと、塗料が引っかかりやすくなります。

最後に、プライマーなどの下地塗装を塗布しておくことで、塗料と金属がより強固に結合し、剥がれを防止できます。

プライマーが完全に乾いた状態で塗装工程に移ると、密着力が損なわれる原因になります。必ずメーカー推奨の乾燥時間を厳守し、塗り重ねるタイミングにも注意しましょう。

金属の素材を活かした塗装テクニックと実践方法

金属の質感を活かしつつ、アルミ・ステンレス調の塗装を美しく仕上げるためには、適切な塗装技術が欠かせません。ここでは、ステンレス・アルミ調塗料を使った方法や立体感を演出するコツ、ムラを防ぐためのポイントをまとめます。

ステンレス・アルミ調塗料の塗り方と仕上げ方

ステンレスやアルミ調の塗装では、金属が持つ光沢を保ちつつ、見た目に深みを持たせることが重要です。下地処理を終えたら、まずは薄く下塗りを行い、必要に応じて数回に分けて重ね塗りをすることで、塗膜の厚みをコントロールします。

・ステンレス調塗料:ヘアーライン(#800~#1000)をつけることで、ステンレス独特のシャープな光沢を再現しやすい
・アルミ調塗料:ややマットな質感を表現でき、落ち着いた印象を与えられる。
足付けによるヘアラインが目立つので足付けは#2000より荒いタイプは避けてください。

ステイン塗料を混ぜることでオリジナルカラーも!

アルミ調では、塗料の中にステインカラーを少し混ぜ合わせることでオリジナルカラーでの塗装が行えます。アルミ調にカラーが入ることで、アルマイト処理を行ったようなカラーを作り出すこともでき、塗装の幅が一段と広がります。
※ステインを使ったアルマイト風塗装法はこちら
※アルミ調塗料を使った塗装例(ノートパソコンへのアルミ調塗装工程

〜関連記事〜

ステイン塗料の使い方|クリア塗装を組み合わせて木材塗装する方法

ムラを防ぐための塗装のコツ

作業環境風が強い場所、湿度が極端に高い環境は避ける
(湿度80%以上の場合、塗装は避ける)
塗り方のリズムスプレーの場合は、端から端まで一気に動かし、途中で止めない
重ね塗りのタイミング一度完全に感想させてから次の層を塗る※刷毛塗りはNG

塗膜が乾く前に重ね塗りしてしまうと、ダレや色ムラの原因になるため、乾燥時間はしっかりと確認してください。

金属塗装を長持ちさせる仕上げとメンテナンス

金属塗装をした後、美しい仕上がりを長く保つためには、仕上げの工程とその後のメンテナンスが欠かせません。ここでは、トップコートを使った塗装面の保護方法と、塗装後に気をつけたいポイントについて解説します。

トップコートを活用した耐久性アップの方法

トップコートは、塗膜を紫外線や湿気、摩擦などから守る重要な役割を果たします。
特に屋外で使用する金属製品は、日差しや雨風の影響を受けやすいため、トップコートを塗っておけば、色褪せや剥がれのリスクを大幅に減らすことができます。

・ツヤを出したい場合はツヤありタイプのトップコート
・マットな質感を保ちたい場合はツヤ消し(マット)タイプのトップコート

塗り方としては、塗装面から15〜20cmほど離し、一定の速度で吹き付けるのが基本です。
一度に厚塗りするのではなく、薄く均一に重ね塗りをすることで、ムラや泡立ちを防ぎ、耐久性を高められます。

塗装後のメンテナンスと劣化を防ぐポイント

仕上げを終えたあとも、定期的なチェックとお手入れをすることで、塗装をより長持ちさせることが可能です。特に屋外に置くアイテムは、雨水が溜まらないように置き場所を工夫したり、汚れを見つけたら早めに拭き取ることが大切です。

・清掃時の注意:
硬いブラシや研磨剤の入った洗剤は塗膜を傷める場合があるため、柔らかい布や中性洗剤を使ってやさしく拭き取る

・水分の除去:
濡れたまま放置するとサビや塗膜の劣化を招きやすいので、早めにしっかり乾拭きする

もしも剥がれや傷が目立ってきた場合は、そのまま放置せず、早めに部分的な塗り直しを行ってください。傷ついた塗膜の周辺をサンドペーパーでならし、必要に応じて再度プライマーや塗料を重ねることで、剥がれの拡大を防ぐことができます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
この記事では、剥がれない金属塗装のコツ、アルミ・ステンレス調の塗装を美しく長持ちさせるテクニック、そして金属の素材を活かした塗装方法を詳しく解説します。

金属塗装でアルミ・ステンレス風の質感を表現するには、まず表面の汚れや油分をしっかり落とし、サンドペーパーで足付けを行うなど、徹底した下地処理が欠かせません。

金属塗装は、手順を正しく踏めばDIYでもプロのような仕上がりを目指すことが可能です。本記事を参考に、ぜひ理想の塗装を実現してください。


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