アーチェリーのハンドルは色が命!? ハンドル塗装の基礎を学ぼう!


アーチェリーは、非常に集中力が重要な競技です。呼吸の乱れや少しの気の迷いで生じた1mmのズレが、的に射(さ)さるときには数cmのズレに増幅します。それ故に、視界に入るハンドル部分が集中しやすい色・デザインであることはとても重要です。そこで、今回はアーチェリーのハンドル塗装に関する基礎知識をご紹介します。
  1. アーチェリーのハンドル塗装について
  2. アーチェリーのハンドルを自分で塗装してみよう!
  3. アーチェリーのハンドル塗装に使う道具の購入先
  4. アーチェリーのハンドル塗装に関するQ&A
この記事を読むことでアーチェリーのハンドル塗装に関してよく分かるでしょう。適当に塗装すると仕上がりにムラができたり塗装が剝がれやすくなったりします。この記事を活用し、ハンドルの塗装を成功させましょう。

1.アーチェリーのハンドル塗装について

アーチェリーのハンドルに施された塗装は、競技者にとって少なくない影響を及ぼします。まずは、ハンドル塗装の基本を学んでいきましょう。

1-1.塗装の魅力と効果

アーチェリーはあらゆる競技の中で最も繊細な競技の1つです。ハンドルの色に慣れない・気に入らないというだけでも大きな影響を与えてしまうこともあります。そのため、自分だけのオリジナルカラーにすることで仲間との差別化や、盗難度防止などにも役立ちます。 また自分の好きな色にすることで集中しやすくすることが可能です。普段の実力を出し切るためにも、塗装はとても重要といえます。

1-2.アーチェリーハンドル塗装について

アーチェリーのハンドルに使われている素材は、大きく分けて「マグネシウム合金製」「アルミニウム合金製」「カーボン製」の3種類があります。中でもアルミニウム合金にはアルマイト塗装されていることが多く、再塗装には特殊な技術が必要となるので難しいのが特徴です。通常の塗料による塗装も可能ですが密着性が悪く、塗装方法によっては塗膜が剝がれてしまうリスクがあります。また、カーボンは塗装方法によってはうまく密着しないこともあるので注意が必要です。ハンドルに使われている素材によって塗装の仕方は違います。まずはご使用のハンドルが何の素材なのかを確認することから始めましょう。

1-3.再塗装はどうやってやればいいの?

1-3-1.業者へ依頼

一番確かな選択肢は塗装業者への依頼でしょう。塗装業者と一口にいっても家の外壁塗装から車の塗装まで専門は多種多様です。適当な業者に依頼すると断られたり仕上がりが悪くなったりします。とはいえ、なかなかアーチェリーを専門にした塗装業者はありませんよね。そこで、目安としてほしいのが「自転車」「釣りざお」「ギター」などを引き受けている業者かどうかです。自転車や釣りざおはアーチェリーのハンドルに似た素材ですので知識や経験の高さを期待できますし、ギターは木目を生かした繊細な塗装技術が必要なので技術力の期待ができます。業者のホームページやブログを確認し、どのようなものを中心に塗装しているのかを確認しましょう。

1-3-2.自分でやる

アーチェリーのハンドルの塗装は自分で行うことも可能です。素材が金属の場合は薬液で現状の塗装を剝離してから塗装をしていきましょう。ただし、アルマイト加工がされている場合、再度アルマイト塗装するのは一般家庭の設備では不可能ですので、ウレタンサフェーサーから塗装していけばよいでしょう。直接ウレタンカラーを塗ることも可能ですが密着性が悪いのでしっかりと下地処理を行うのが基本となります。また、カーボンの場合は薬液で剝離すると素材自体が傷んでしまうので、使わないようにしましょう。

2.アーチェリーのハンドルを自分で塗装してみよう!

アーチェリーのハンドルは自分で塗装することも可能です。しかし、塗装には専門の道具や正しい手順などを押さえておく必要があります。DIYのイロハを学んでいきましょう。

2-1.必要な道具

一般的には以上のような道具が必要となります。ただし、スプレーガンの代わりにスプレー缶を使うことも可能です。その場合、コンプレッサーは必要ありません。また、クリアーを吹かない場合、うすめ液は不要です。

2-2.何でアルマイト塗装は自宅じゃできないの?

アルマイトというのはアルミニウムを電気分解して酸化皮膜(アルミニウムの酸化物)を生成させる処理です。これによってサビの防止などに効果を発揮します。このアルマイトに着色するには電着塗装という特殊な塗装が必要です。電着塗装をするには一定以上の科学知識や道具・設備が必要となります。そのため、一般家庭でアルマイト塗装を行うのは現実的ではありません。

2-3.マスキングなどの準備をしっかりと!

ティラーボルトやセンター調整機構などにしっかりとマスキングをし、2重3重の確認をしてください。マスキングを忘れると、間違って塗装した箇所の修正が大変だからです。また、周りの養生も忘れてはいけません。スプレー前には塗料が付着しそうな部分にはマスキングテープや新聞紙などで覆っておきましょう。

2-4.塗装の方法

2-4-1.分解

まずはネジを回して分解し、ハンドルだけの状態にします。

2-4-2.塗装を剥がす

塗装を剥がす耐水ペーパーで塗装を剝がしていきましょう。アルマイト着色の場合も同様耐水ペーパーで足付けのみをしていきましょう。 ※アルマイトの場合は色は剥がれないと思いますので、足付けのみ行います。

2-4-3.マスキング

塗装をしない場所をマスキングしていきます。ティラーボルトなどの細かい部分はマスキングが大変ですが、面倒がらずに丁寧に行いましょう。

2-4-4.密着剤を吹き付ける

密着剤(プライマー)を吹きます。 アルマイト塗装の場合は密着剤を塗布したほうが密着はよくなります(足付けをすれば密着剤はなしでも可)。

2-4-5.下地

乾燥したらウレタンサフェーサー(プラサフ)を吹いて下地を作りましょう(今回はサフェーサーなしの密着剤のみ)。

2-4-6.カラーリング

カラーリング下地がよく乾燥したらウレタンカラーを吹きます。乾いたら吹きムラ防止のためもう1~2回ほど塗り重ねましょう。 今回は下地のブラック後マジョーラカラーを吹きました。

2-4-7.クリアー塗装

クリアー塗装カラーがしっかりと乾燥したらウレタンクリアーを吹いてください。乾燥したらさらに1~2回吹きます。 クリアーが完全に乾いたら完成です。

2-5.塗装のポイント

塗装は薄く重ね塗りするのが基本です。そのため、一度にベッタリと吹かないようにしてください。一度に大量に吹くと液がたれて色ムラが起きたり乾燥しづらくなったりしますし、塗装が剝がれやすくもなります。また、仕上げに行うクリアーは吹かなくても問題はありません。しかし、クリアーを吹くことでツヤがきれいに出て高級感を醸し出してくれますし、硬い塗料なので傷にも強くなります。

2-6.塗装時の注意点

使用する素材に塗料が対応しているか確認しておくことが大切です。塗料を購入する際に業者の方に相談するのがよいでしょう。また、マスキングと養生は非常に重要です。特に、養生を怠って家具などに塗装被害が起きると修復は困難なので注意しましょう。また、マスキングに使うテープは必ず専用のものを使用してください。ガムテープやセロハンテープなどだと、しっかりと貼れなかったり、テープに塗料が浸透したりしてマスキングに失敗してしまうことがあるからです。また、ガムテープ等は剝がすことを前提には作られていないので、剝がした際に粘着剤やテープの一部などがくっついて取れなくなり、仕上がりが汚くなりこともあります。

3.アーチェリーのハンドル塗装に使う道具の購入先

塗装に使う道具はスーパーでは売っていません。正しい購入方法や購入時のポイントを押さえておきましょう。

3-1.道具・塗料の購入場所について

道具や塗料は塗装専門店や通販サイト、ホームセンターなどで購入するのが一般的でしょう。おすすめは塗料専門店での購入ですが、実際塗装経験のある塗料専門店に聞いた方が話は早いです。 またスプレーガンやコンプレッサーといった塗料以外の専門性の高い道具のノウハウも相談ののってくれるでしょう。さらに、業者によっては性能の高いオリジナル塗料なども販売していることがあるのも魅力です。

3-2.道具・塗料選びのポイント

シンプルですが、一番確実なのは塗料専門店に相談することでしょう。再塗装を考えているハンドルに適した塗料や道具の提案をプロの立場からしてもらえるため、失敗するリスクがありません。たとえば、おもしろ塗装工房では30年の塗装実績を生かし、的確なアドバイスをしてもらえますのでぜひご利用ください。さらに、業者に相談することで、塗装に不安が生じたり失敗したりして業者に塗装依頼をしたくなった際でもスムーズに移行できて無駄がありませんよ。

3-3.塗装業者を利用する際の注意点

塗装業者の中には、販売ばかりで実際の塗装実績が低い業者もあります。このような業者に塗装に関する相談をしても的確なアドバイスがもらえない可能性があるので注意してください。また、塗装依頼にも不安が出てきますので、利用前にはどのぐらいの実績があるのか、業者のホームページやブログを確認してみましょう。写真などを使って頻繁に塗装実績の紹介をしているようであれば問題ありません。数件だけ紹介されて長く更新がない場合は要注意です。

4.アーチェリーのハンドル塗装に関するQ&A

QDIY塗装による失敗でも業者に依頼できますか? ​A.安心してください。DIYによる失敗でも基本的に業者は塗装依頼を受けてくれます。ただし、素材の劣化などで再塗装が不可能な場合などには断られることもあるので、詳しくは業者に相談してください。 Q.再塗装で傷消しは可能でしょうか? A.金属製のハンドルは頑丈で深い傷を負うことは少ないので、大抵の場合は塗装で消すことが可能です。カーボン製は金属製に比べてもろく、深い傷を負うこともあります。そのため、場合によっては跡が残る可能性もあるでしょう。 Q.塗装場所はどこが最適ですか? ​A.できれば周りになにもない屋外で行うことをおすすめします。養生を最低限にできますし、何よりも中毒被害のリスクを下げることができるからです。室内でも可能ですが、行う際には養生を徹底的に行うか、家庭用簡易ブースを使って塗装するのも良いでしょう。どちらにせよ必ず換気に注意しながら手袋・ゴーグル・マスクなどをして塗装環境に注意を払い塗装していきましょう。 QDIYと業者依頼ならコストパフォーマンスはどちらのほうがよいのですか? ​A.DIYの場合道具をそろえる必要があるため、初期費用がかかります。1~2回の依頼なら業者に頼んだほうがお得でしょう。頻繁に塗装を行うならDIYのほうがお得です。ただし、塗装技術はやはりプロに軍配が上がります。仕上がり重視なのか費用重視なのかでコストパフォーマンスは変わってくるでしょう。 Q.業者とトラブルになったらどうすればいいですか? ​A.自力での収集が不可能な場合は、消費生活センター(国民生活センター)に相談しましょう。消費生活センターは国民の消費生活に関する相談窓口です。相談料は無断ですし、何よりも行政組織のため相談先として信頼が置けます。気軽にご利用ください。

まとめ

いかがでしたか? 今回はアーチェリーのハンドルの塗装に関する情報をご紹介しました。アーチェリーのハンドルに使われている素材の多くはマグネシウム合金・アルミニウム合金・カーボンです。素材ごとに特性があるため、素材にあった塗料で塗装を使わなければいけません。しかし、初心者にとってはなかなか臨機応変にできないものですよね。そのようなときには塗装専門店に相談してみましょう。塗装に関するアドバイスはもちろん、塗装の依頼も請け負ってくれますよ。アーチェリーのハンドル塗装を行う際には、今回ご紹介した情報をしっかりと活用してくださいね!
塗装用具・各種塗料を豊富にラインナップ!