バイクのカウル塗装

カウルの塗装は自分でもできる? バイクのカウル塗装の方法は?

バイクを覆うカウルは、バイクの見た目において大きなウェイトを占めるパーツの一つです。カウルがキレイならばかっこよく見えますし、汚なければかっこ悪く見えてしまうでしょう。せっかくの愛車ですから、できれば常にかっこいい姿にしておきたいものですよね。

そこで今回は、カウルの塗装方法を中心にご紹介します。

  1. バイクのカウルとは?
  2. バイクのカウルを塗装するメリット
  3. バイクのカウルの塗装方法
  4. 塗装道具の購入先・相談先
  5. よくある質問

この記事を読むことでバイクのカウルの塗装方法を学ぶことができます。

1.バイクのカウルとは?

カウルは主に走行風による空気抵抗を抑えて速度を向上させたり、ダウンフォースを発生させて走行安定性を高めたりすることを目的として、エンジンや車体を覆う部品のことです。カウリングやフェアリングなどと呼ぶこともあります。ちなみに、視界部分の透明・半透明のカウルはウインドシールドやウインドスクリーンなどと呼び、区別するのが一般的です。

2.バイクのカウルを塗装するメリット

2-1.傷や色あせなど、見た目を改善できる

真っ先に挙げられるメリットといえば、見た目の改善です。普段から丁寧に扱っていても、長く使い続ければバイクを倒してしまって、傷がついてしまったり。塗装が劣化して色あせます。カウルはバイクの外見のほとんどを占めていますから、色あせや傷があるととても見栄えが悪くなってしまうことでしょう。ですから、塗装を行うことで、色あせや小さな傷なら改善できるのです。

2-2.汚れにくくなる

塗料にも寿命というものがあります。最初のうちは汚れをはじきやすく、掃除も簡単に行うことができるでしょう。しかし、塗料が劣化してくると汚れが取れにくくなってきます。塗装し直すことでバイクを汚れから守ることが可能です。

2-3.自分でやれば安く済む

塗装を行うカウルの数などによっても変わってきますが、一般的なバイクなら3万円~7万円程度が相場でしょう。自分でやれば、費用を大幅に抑えることができます。

3.バイクのカウルを塗装する方法

一般的にカウルの塗装はプロに依頼するのが普通ですが、自分で行うことも十分に可能です。バイクのカスタマイズなどを趣味にしている方などは、多くの方が塗装を自分で行っています。もちろん、最初はプロのような仕上がりになる保証はありません。しかし、何事も経験です。自分で塗装を行うことによって世界に二つとないオリジナルの一台に仕上がるはずです。興味がある方は、ぜひ試してみてください。

3-1.必要な道具

3-2.塗料の選び方

おすすめはウレタン系の塗料です。ウレタン系の塗料は肉持ち・硬度・耐溶剤性・黄変・耐光性・耐ガソリン性・対候性に優れています。野外の厳しい環境でも長持ちするため、バイク・スクーターなどでよく利用されている塗料です。

ただし、塗装の種類を間違えないように注意してください。塗装スプレーは大きく分けてプラサフ(プライマー・サフェーサー)・カラー・コーティング(クリアー)の3種類の塗料があります。プラサフ塗料というのは、いわば下地部分に吹き付ける塗料です。この上に自動車用のカラー塗料、そして仕上げのコーティング塗料を吹き付けます。ですので、しっかりそれぞれの種類の塗料をそろえましょう。また、スプレー缶タイプではなく普通の容器に入った塗料を使う場合は、スプレーガンが必要となります。忘れずに用意しておきましょう。

3-3.塗装の手順

実際に弊社で依頼を受けて行った塗装例を紹介します。

3-3-1.マスキング・脱脂・研磨

マスキング・脱脂・研磨塗装をしない部分をマスキングテープで養生します。今回はお客様自身にマスキングしていただいたものを送っていただきました。めくれた塗膜を瞬間接着剤で接着し、全体をシリコンオフで脱脂してから研磨します。

3-3-2.サフェーサー吹き

サフェーサー吹きその後はしっかりとチリ払いをした後、ウレタンサフェーサー吹きです。

10(主液):1(硬化剤):10(薄め液冬用)を明治F55-G(平吹き0.5口径)で吹いていますが、F100-GT1.3口径でも結構です。サフェーサーは粘度が高く、口径の小さなスプレーガンでは相当希釈を多くしないと塗料が出づらいでしょう。

そのため、今回は希釈を10(主液):1(硬化剤):10(専用薄め液)程度にして、F55-Gで吹いています。20分ほどあけて、さらに2度吹きをします。これで傷は、ほとんど分からなくなりました。

3-3-3.足付け

足付けマスキングをし直し、サフェーサーを研磨します。#600で下地の塗料の粉が出る程度までしっかりと研磨してください。その際小さな傷や凸凹もしっかりと研磨してください。この作業を怠ると、最後まで塗装の仕上がりに影響します。傷や凸凹が無い場合は、軽く研磨していきます。これでやっと塗装に入ることができます。

3-3-4.塗装

塗装次にウレタンメタリック吹きです。10(主液):1(硬化剤):7(薄め液冬)の混合比で、見本のメタリックに合わせて吹いていきます。メタリックの吹き方は通常の塗料より、メタリックを際立たせる為に、エア圧を強めにして吹いていきます。その後1日乾燥させ、最終カラーチェックです。数日乾燥させて問題がなければ、次はウレタンクリアー吹きとなります。

3-3-5.クリアー吹き

クリアー吹き10(主液):1(硬化剤):5(専用薄め液)の混合比で少し濃い目のウレタンクリアーを吹いていきます。使用スプレーガンはF55-G (平吹きタイプ)です。これでいい具合のツヤが出たかと思いますが、この段階で垂れたり吹きムラが出ることがあるので、この段階で垂れを研磨し直したり、自分の吹き方の癖を把握することによって、最後に吹くクリアーは失敗しないよう注意しながらもう一回吹きましょう。たっぷり目に吹いて肉持ちを持たせることで奥行きのある高級感あふれる仕上がりになります。これで吹く工程はすべて終了ですので、じっくり乾燥させます。

3-3-6.研磨

研磨ブツやホコリをコンパウンドで磨いていきます。最初#2000の水ペーパーでブツを取りその後、中目→細め→艶出しと順番に磨いていきます。これで完成です。

3-4.塗装のポイント

塗装を行う際のポイントは、行う塗装の(素材)によって間違えの無い塗料を選択すること、選択した塗料の比率(混合比)を間違えないこと、混合比を間違えると本来の塗膜の強さ、対候性が損なわれます。またそれぞれの塗料を確実に乾燥させる、一工程ずつ確実に乾燥させてから次の塗装を行わないと、塗膜が密着不良を起こしたり、また、塗膜の層がぐちゃぐちゃ(クラッキング)を起こすので、塗膜が剝がれやすくもなるでしょう。

ほかにも、塗装の際には1度に吹き付けるのではなく、1~3回程度に分けて少しずつ行うことも大切です。こうすることで、ムラなどを防いでキレイな仕上がりになります。もちろん、1回1回しっかりと乾燥させてください。

乾燥の目安は足付け用のペーパーで研磨した際に塗料がペーパーに絡むようならまだ乾燥はしていないという事になります、サラサラと粉が出るようなら乾燥しているという事になります。

また、養生をしっかりとしておくことも大切です。しっかりと養生しておかないと塗装場(ガレージなど)の壁や床などに塗料がついて汚れてしまいます。

3-5.よくある失敗について

表面に油が付着していると、油分にはじかれて塗装がうまくいかないということがあります。ですから、事前にシリコンオフや洗浄液アセトンなどを用いて脱脂を行っておきましょう。ちなみに、シリコンオフなどの専用クリーナーを使うのが理想的ですが、中性洗剤などで代用することもできます。

また、カラーリングの時にプラモデル等でよく使われるラッカ系一液性カラーを使う方がいますが、下地にラッカ系塗料を使うと、後に吹くウレタン塗料と相性が悪い為、クラッキングを起こしたり、シワが寄ったりしてしまいますので、下地からトップコートまでウレタン塗料で行う事をお勧めします。

4.塗装道具の購入先・相談先

4-1.購入できる場所

カウル塗装に使う塗料や道具は、バイク用品の専門店で購入するのが一般的です。そのほか、インターネットの専門通販サイトでも購入できます。おすすめは塗装専門の通販サイトです。手間や労力をかけないで購入が可能ですし、業者によっては相談にも乗ってくれます。ぜひ、利用してみてください。

4-2.通販業者の選び方

電話対応を見るのが1番分かりやすいでしょう。優良業者は必ず電話対応が丁寧だからです。特に、どんな相談にも真剣に受け答えしてくれる業者は信頼が置けるでしょう。また、塗装の通販だけでなく、塗装作業の受付を行っている業者もおすすめします。なぜなら、自社でも塗装作業を行っているため、塗料や塗装に関する知識が確かだからです。

4-3.注意点

塗装作業は初心者にはとまどうことも多いでしょう。事前に専門誌などで知識を得ている必要があります。ですから、もしも自信がない場合は、業者に塗装を任せてしまうのも一つの手ですよ。

5.よくある質問

Q.レース用とストリート用のカウルは何が違うの?
A.レース用カウルはサーキット場で使うことを前提として作られていいます。そのため、ライト部分がカットされておらず、非常に軽量化(ストリート用の半分程度)されているのが特徴です。ただし、塗装はストリート用でもレース用でも、同じように行えます。

Q.どのぐらいの傷までなら補修可能ですか?
A.塗装面だけの傷であれば、補修しなくても塗装を塗り替えるだけでキレイに戻すことができます。カウル本体まで傷がついている場合でも、小さな引っかき傷程度なら大丈夫でしょう。ただし、指でなぞってしっかりと溝を感じるぐらい傷が深い場合、キレイに補修できないことがあります。また、ヒビが入っている場合などは自分で補修するのは難しいでしょう。ただし、ヒビ程度なら業者に依頼すれば補修してもらえるケースもあります。

Q.養生とは具体的に何をすることですか?
A.養生とは塗料がついてほしくない場所を(隠すために行うマスキング)防護することをいいます。新聞紙やビニールシート、マスキングテープなどを駆使して行いましょう。マスキングテープの種類には、溶剤に弱く下地の塗膜が侵されてしまうことや、逆に粘着が強すぎるために、剥がす際に塗膜も一緒に剥がれてしまうケースも良くあります。マスキングテープは塗装専用のマスキングテープを選びましょう。

Q.カウルはどうやって外すのですか?
A.カウルはボルト・クリップで留められています。そのため、ドライバーなどを使えば簡単に取り外すことが可能です。

Q.カウルの塗装に失敗したのですが、どうすればいいでしょうか?
A.塗装業者にお願いするのが無難です。仮に塗装が失敗して汚い仕上がりになっていても、しっかりと塗り直してくれますよ。

まとめ

いかがでしたか? 今回はカウルの塗装方法についてご紹介しました。塗装は自分でできないと思われがちですが、丁寧に行えば素人でも塗り替えが可能です。乾燥を十分に行いながら、慎重に塗り重ねるようにして塗装を行ってください。今回の記事を参考にして、カウルのリペイントを成功させてくださいね。

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