弓を塗装したい人は必見! 再塗装で成功するためのポイントを伝授!
弓道を行う人にとって、弓は最も大切なものです。丁寧にお手入れをし、大事に扱っていても、経年劣化で塗装がはげてくることがあるため、再塗装を考えている人もいるでしょう。しかし、弓の塗装では、どんな塗料を使うのか・どんな塗装工程があるのかなど、よく分からないことが多いものです。そこで、今回は、弓の塗装で必要なポイントを詳しく解説します。
- 弓の塗装について
- 弓の塗装で用意するもの
- 弓の塗料の選び方
- 弓の塗装工程について
- 弓を塗装するときの注意点
- 弓の塗装に関するよくある質問
1.弓の塗装について
弓は、使い続けていくうちに摩擦や経年などの理由で塗装がはがれてくることがあるものです。塗装がはがれてしまった弓は、見た目が悪いだけでなく、耐久性も劣ります。この先も弓を使い続けるのであれば、再塗装が必要です。 昔ながらのカシューや漆を使った塗装もありますが今回は今多くに使われているウレタン塗装での塗装をご紹介いたします。 弓の再塗装は必要な道具と場所・塗料があれば、自分で行うこともができます。ただし、むらなく美しい仕上がりを望むなら、業者に依頼するほうが確実です。2. 弓の塗装で用意するもの
弓の塗装を自分でやりたい人は、以下のものを用意してください。- 塗料(下地用ウレタンサフェーサー)
- 塗料(中塗り用ウレタンカラー しなりに強いタイプ)
- 塗料(トップコート しなりに強いタイプ)
- スプレーガン
- 耐水ペーパー
- バフ機
- コンパウンド
- 手袋
- マスク
- 古新聞など(塗料を吹き付けるときや乾かすときに敷く)
- マスキングテープ
3.弓の塗料の選び方
弓の塗装で、塗料の選び方を詳しく解説します。3-1.柔軟性があるか
弓はしなるため、伸びがよく、柔軟性がある塗料を使用することが大前提です。柔軟性がない塗料では、すぐにひび割れてしまいます。たとえば、ウレタン塗料のなかでも弓の曲げ伸ばしに対応できるしなりに強いウレタン塗料を使用しましょう。3-2.塗装してもしなりや重量に変わりはないか
再塗装した場合、重量やしなりにかわりはないか、重要なポイントです。塗装を行うと、弓にわずかながらも変化が分かります。重さ・しなりは、弓の使い勝手を大きく左右するものです。自分の思いどおりに弓を操るためにも、一旦塗膜を剥離してからの再塗装が望ましいです。3-3.好みの色合いか
塗料の色合いが好みであることも重視しましょう。見た目の色合いが好みであることは、弓への愛着を増します。つやあり・なしによっても、色合いが違って見えることもあるものです。特に、仕上げ塗装に使う塗料や質感は、業者ともよく相談して決めるといいでしょう。4.弓の塗装工程について
弓の塗装工程を解説します。4-1.塗装をはがす
まずは、現在の塗装をきれいにはがします。弓は木材でできているため、溶剤(剥離剤)は使用できません。剥離剤を使用してしまうと剥離剤成分が木質に浸み込んでしまい、そのあとに塗装する仕上がりに悪影響を及ぼし、密着不良やクラックの原因になります。 塗膜の研磨はミニサンダーに#180の布ペーパーを使いましょう。このとき、細かな傷も同時に取り去ることができます。塗装の仕上がりをよくするためにも、細かな部分まできちんとはがしましょう。 最初は荒い#180~#400のように木地調整が仕上がるにつれて細かな番手に変えて研磨していきます。4-2.下地塗装
塗装をはがした後は、下地塗装をします。下地塗装ウレタンサフェーサーを用意し、スプレーガンを使用して均一に塗装しましょう。塗料の混合比は、主液10に対し、硬化剤1・薄め液7にしてください。乾燥には、12~24時間必要です。4-3.本塗装
下地塗装が完全に乾いたのを確認したら、本塗装に入りましょう。下地の凹凸がある場合は、#320の布ペーパーで研磨してください。ウレタンカラー塗料の混合比は、主液10に対し、硬化剤1・薄め液7となります。今回はマジョーラアンドロメダⅡの塗装を行うので、はじめにウレタンブラックで塗装して行きます。 乾燥後はマジョーラアンドロメダⅡを吹き付けていきます。 使用スプレーガンは明治F55-G(平吹きタイプ)0.5口径4-4.クリアー塗装
カラーリング後は、ウレタンクリアー塗装で仕上げます。クリアー塗装用塗料は、主液50mlに対し、硬化剤5ml・薄め液冬用30mlの混合比です。全体に吹きつけたら4時間ほど乾燥させ、再塗装してください。4-5.研磨する
クリアー塗装後、3~7日常温乾燥してから研磨して仕上げます。まずは、塗料が完全に乾いている状態を確認してください。塗料が乾いていないうちに研磨すると、傷の原因になります。完全に乾いている状態で、#2,000の耐水ペーパー・コンパウンドの順番で研磨してください。磨きすぎて塗料をはがしてしまうことにならないように注意しましょう。機械がなければ、ウエスにコンパウンドを付けて磨いてください。 艶が出てきたら完成となります。5.弓を塗装するときのポイント
弓を塗装するときのポイントを解説します。5-1.仕上がりイメージを明確にしておく
弓の塗装を業者に依頼するときには、仕上がりイメージをきちんと伝える必要があります。色だけでなく、つやあり・なしなどについても、具体的に決めておきましょう。適当に依頼すると、業者が困ってしまうだけでなく、完成後の不満につながります。イメージどおりに仕上げてもらうためにも、業者とよく相談し、アドバイスを受けるといいでしょう。5-2.納期に余裕を見ておく
弓の塗装は、複数の工程が必要になります。塗料を塗るたびにしっかり乾燥させる必要があるため、納期には余裕を見ておきましょう。納期の目安は、受注後8週間程度は必要です。使いたい日が決まっているのなら、余裕を持って依頼するか業者に相談してください。 塗装は急いで行うと硬化不良を起こしたり・密着不良を起こす原因になりますので、 塗装納期は気持ちに余裕を持つことが重要です。5-3.信頼できる業者に依頼する
弓の塗装は、信頼できる業者に依頼すると安心です。業者の選び方は、以下を参考にしてください。- 弓の塗装実績が豊富
- 塗料や塗装に詳しく、高い技術力を持つ
- 塗料や道具を豊富に取りそろえている
- 親切で丁寧な対応ができる
- リーズナブルな価格設定