ブレーキキャリパー塗装は車検に通る?車検に落ちないための塗装方法


ブレーキキャリパー塗装は、車の見た目の向上に役立つ有効な手段です。しかし、塗装を検討している方のなかには、車検に通るか分からず塗装を踏み切れない方もいらっしゃるはず。

この記事では、ブレーキキャリパーの基礎知識から、塗装しても車検に通るのかを解説します。

正しいブレーキキャリパーの塗装方法と、すでに塗装の済みの方に対する対処方法も説明しますので、車検に通るかという不安も解消されるはずです。

ぜひ、最後まで読んでみてください。

目次

1.ブレーキキャリパーの基礎知識
 1-1:ブレーキキャリパーは重要保安部品
 1-2:ブレーキキャリパーの仕組み
2.ブレーキキャリパー塗装の効果
3.ブレーキキャリパー塗装は車検に通るのか?

 3-1:結論|ブレーキキャリパー塗装は車検に通る
 3-2:注意|塗装の影響で制動力が低下する場合は車検NG
4.車検に通るブレーキキャリパーの塗装方法
5.既にブレーキキャリパーに塗装を施している場合の対処方法
6.まとめ

ブレーキキャリパーの基礎知識

最初に、ブレーキキャリパーの基礎知識として、役割と仕組みを解説していきます。
ここでは、ブレーキキャリパーが車検でどのくらい重要なのか分かりますので読んでみてください。

ブレーキキャリパーは重要保安部品

ブレーキキャリパーは、ディスクブレーキシステムの中心的な存在で、車を止めるために必要不可欠な部品です。ドライバーがブレーキペダルを踏むことで、ブレーキキャリパーが作動し、摩擦の力を使って車を止めます。

車検でのブレーキキャリパー塗装に関連する検査項目は下記3つです。

検査項目1ブレーキキャリパーに損傷はないか
検査項目2ブレーキキャリパーの機能は良好か
検査項目3制動力は基準値を満たしているか

その他にも、ブレーキパッドの残量やブレーキブーツなどに破れがないかなど、ブレーキキャリパーに不具合があれば、重大な事故に繋がる可能性がありますので、入念にチェックされる項目です。

ブレーキキャリパーの仕組み

ディスクブレーキシステムは以下の部品によって構成されています。

  • ブレーキキャリパー
  • ブレーキパッド
  • ディスクブレーキ

ドライバーがブレーキペダルを踏むと、ブレーキフルードと呼ばれるオイルが、ブレーキキャリパーに構成されているピストンを押し出します。

ピストンを押し出すことで、ブレーキパッドをディスクブレーキに押しつけ、摩擦が発生して車を止めます。ディスクブレーキシステムは放熱性に優れているので、安定した制動力の確保が可能です。

ブレーキキャリパー塗装の効果

ブレーキキャリパーに塗装を施した場合、どのような効果があるのかを2つ解説します。
ブレーキキャリパーの塗装を検討している方は参考にしてみてください。

ドレスアップ|見た目の向上

ブレーキキャリパーを塗装することで得られる効果の1つ目は、見た目の向上です。ホイールから見えるチラ見が車好きにはたまらないドレスアップの1つといえるでしょう。
カラーバリエーションも豊富で、スポーティーに仕上げたり、シックな演出ができます。愛車のカラーに合わせて、自分だけのオリジナルにカスタムできるのは大きな魅力の1つです。

汚れ・防錆効果の追加

ブレーキキャリパーを塗装することで得られる効果の2つ目は、防錆効果の追加です。ブレーキキャリパーは雨や汚れに常にさらされるため、錆びやすい環境にあります。ブレーキキャリパー塗装は、雨や汚れから守ってくれるので、錆を防ぎ、ブレーキキャリパーを長持ちさせる効果があります。

ブレーキキャリパー塗装は車検に通るのか?

ブレーキキャリパーの基礎知識を学んだところで、ブレーキキャリパー塗装は車検に通るかという疑問に答えていきます。

結論|ブレーキキャリパー塗装は車検に通る

ブレーキキャリパー塗装が車検に通るのかどうかの答えですが、適切な塗装をしていれば、車検に通ります。

【ブレーキキャリパーが車検に通る条件】

  • ブレーキキャリパーの損傷がない
  • ブレーキキャリパーの機能が良好
  • 制動力が基準値を満たしている

カラーにも規定は無いので、どんなカラーを塗装しても車検には問題ありません。

注意|塗装の影響で制動力が低下する場合は車検NG

ブレーキキャリパー塗装自体は問題ありませんが、塗装の際にブレーキパッドやディスクローターに塗料が付着している場合は、注意が必要です。

ブレーキが作動したときに、塗料が摩擦効果を妨げ、制動力が低下するおそれがあります。制動力が基準値を満たせないと、車検には通りません。

一般的に当日の再検査は2回まで無料で受けられますが、それでも基準値に満たない場合は、再度調整してから後日検査になります。

後日検査の場合は、再度手数料が発生しますので、費用も手間も増えてしまいます。

車検に通るブレーキキャリパーの塗装方法

ブレーキキャリパー塗装を検討している方に、車検に通るようにするための塗装方法を解説していきます。正しい塗装方法を理解して、素敵なカスタムに挑戦してみてください。

ブレーキキャリパーは耐熱塗料を選ぶ

ブレーキキャリパー塗装に使用する塗料は耐熱塗料を選択しましょう。ブレーキキャリパーは高温にさらされるため、通常塗料では早期に劣化してしまいます。

耐熱塗料であれば高温下でも塗装を維持できるので、長期間にわたってキレイな仕上がりを保てます。

ブレーキパッドやディスクローターに塗料が付着しないようにする

ブレーキキャリパーに塗装するにあたって最も重要なのは、ブレーキパッドやディスクローターに塗料が付着しないように塗装を施すことです。

Step1:汚れや油分を洗浄

ブレーキキャリパーに付着した汚れや油分を洗浄していきますが、錆も付着している場合があるため、ワイヤーブラシでブレーキキャリパーを磨きます。磨き終わったら、パーツクリーナーで付着した油分・グリス・ブレーキダストを綺麗に取り除き洗浄しましょう。

Step2:ブレーキパッドとディスクローターに養生をする

塗装を始める前にブレーキパッドやディスクローターにマスキングテープやシートなどで養生します。ブレーキパッドやディスクローターに、塗料が付着しないようにするためのもっとも重要な工程ですので、必ず行うようにしてください。

Step3:耐熱塗料を塗装する

養生が完了したら、耐熱塗料を使用してブレーキキャリパーを塗装します。刷毛で塗装していきますが、1度に厚塗りせずに、2~3回に分けて塗装することで、キレイに仕上がります。
刷毛は油性を使いできれば細かな凹みなも塗れるような腰のあるタイプを選びましょう。

塗装が終わりましたら、乾燥しきる前に養生を取り外しましょう。具体的なタイミングは、塗装が半乾きの状態のときに養生を取り外すのがベストです。
これは完全乾燥してからマスキングを外すと塗った塗料とマスキングの境の段差が目立ってしまうからです。

Step4:完全に乾燥させる

最後に塗装が完全に乾燥したら作業完了です。

既にブレーキキャリパーに塗装を施している場合の対処方法

すでにキャリパー塗装を実施済みの方で車検に通るのか分からない方は、これから説明する内容を実施してください。これから説明する内容を実施すれば、車検にも問題なく通るでしょう。

ブレーキパッドやディスクローターに塗料が付着していないか確認する

まず確認していただきたいことは、ブレーキパッドやディスクローターに塗料が付着していないか見てみてください。

ブレーキパッドとディスクローターが接触する部分に塗料が付着していなければ大丈夫です。

もし、ブレーキパッドとディスクローターが接触する部分に塗料が付着している場合は、次の処置が必要になります。

ブレーキパッドやディスクローターに塗料が付着している場合は塗料を落とす

ブレーキパッドとディスクローターに塗料が付着している場合は、塗料を落とす必要があります。耐水ペーパー(400~600程度)やワイヤーブラシを使用して塗料を削り落としていきます。

削り落としたあとは、パーツクリーナーを使用して削りカスを洗浄し、乾いたウエスなどでふき取りましょう。塗料が落ちれば制動力も戻りますので、車検前にこの作業を実施してください。

まとめ|

いかがでしたでしょうか?
この記事では、ブレーキキャリパーの基礎知識から、塗装しても車検に通るのかを解説します。

ブレーキキャリパーの作動を阻害したり、ブレーキの制動力が低下しなければ、ブレーキキャリパー塗装を実施しても問題ありません。

しかし、ブレーキパッドやディスクローターに塗料が付着するような塗装をすると、制動力が低下してしまうので、車検に通らず再検査になるおそれがあります。

逆に言えば、車検に通るように注意しながら塗装を実施すれば、愛車のデザイン性が向上して、よりかっこよくできます。

この記事に書いてあることを実践すれば、車検には通りますので、安心してブレーキキャリパー塗装を楽しんでください。


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