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木質(木材)にまつわる塗料選択や塗装方法などを紹介

木材の美しさを引き立てるためのステイン塗料。しかし、ステイン塗料だけでは木材の保護力が劣るため、解決策として、クリアー塗料を混合させる方法があります。

一口に、ステイン塗料とクリアー塗料を混合させると言っても、ステイン塗料とクリアー塗料にはそれぞれ種類があるため、どの塗料を組み合わせればいいのか分からない方も多いと思います。

この記事では、ステイン塗料とクリアー塗料を混合させることで得られるメリットや混合の手順、注意点を詳しく解説しています。

混合できるクリアー塗料についても説明しますので、この記事を読めば、あなたもステイン塗料とクリアー塗料を混合することができるようになり、木材に対する塗装技術の向上を図れます。ぜひ、最後まで読んでみてください。

目次

1.ステイン塗料とは|木材に着色ができる!
2.ステイン塗料をクリアーに混合し吹き付けるメリット

 2-1:【木材の保護】
 2-2:【色が均一な仕上がりになる】
3.ステイン塗料に混合可能な代表的なクリアー塗料
 3-1:ラッカークリアー塗料
 3-2:1液ウレタンクリアー塗料
 3-3:2液ウレタンクリアー塗料
4.【混合手順】ステイン塗料とクリアー塗料の混合方法は?
5.ステイン塗料とクリアー塗料を混合する際の注意点
 5-1:全てのステイン塗料がクリアー塗料と混合できるわけではない
 5-2:使用するステイン塗料は水性、油性どちらに混合可能か確認する
 5-3:ステイン塗料とクリアー塗料を混合した後は必ずテストスプレーする
6.まとめ

ステイン塗料とは|木材に着色ができる!

まずは、ステイン塗料について説明していきます。

ステイン塗料は木材を着色するための塗料で、木材の内部に浸透していくため、木目や木材の質感を残したまま着色が可能な塗料です。

ゼストのキャンディーカラー・スティン塗料(全11色)

水性と油性があり、水性は塗料の希釈の際に水を用いるので、初心者でも取り扱いやすく、油性は水性と比べると、木材の深部にまで塗料が染み込んでくれるので、木材の防腐、防虫力が高いのが特徴です。

ステイン塗料は木材塗装に適しており、木材の質感や風合いを残したい方にはおすすめです。

ステイン塗料をクリアーに混合し吹き付けるメリット

ステイン塗料は、樹脂系のあるラッカ・ウレタン系のクリヤー塗料に混合して吹き付けることで、様々なメリットをもたらしてくれます。

【木材の保護】

スティン塗料をクリアー塗料と混合することで、着色と同時に木材の表面を保護できるのが大きなメリットです。木材の表面に塗膜が形成されるので、傷や汚れに強くなり、耐久力が向上します。

【色が均一な仕上がりになる】

ステイン塗料のみを塗装する時と比べて、色が均一になりやすく、クリアー塗料の特性の透明感ある仕上がりが可能になります。さらに、ブリード(にじみ)を起こしにくくなるので、ステイン塗料とクリアー塗料の混合にはメリットが多いです。

ステイン塗料に混合可能な代表的なクリアー塗料

出典:写真AC

ステイン塗料と混合できるクリアー塗料は主に3種類あり、それぞれ特性が違います。順番に特性を解説していきますので、どの塗料を使用するかは用途に応じて決めてください。

塗料の種類耐久性保護性能乾燥時間利便性
ラッカクリアー塗料
1液ウレタンクリアー塗料⚪︎⚪︎
2液ウレタンクリアー塗料✖️

ラッカークリアー塗料

1つ目の塗料は、ラッカークリアー塗料です。ラッカークリアー塗料は、乾燥が早く、作業時間の短縮を図れます。木材の表面に塗膜も形成できるので木材の保護もできますが、これから説明するウレタンクリアー塗料と比べると耐久力や耐候性は劣ります。

耐久力や耐候性は劣りますが、作業効率を重視したい方は検討の余地があるクリアー塗料です。

1液ウレタンクリアー塗料

2つ目の塗料は、1液ウレタンクリアー塗料です。1液ウレタンクリアーは、最初からクリアー塗料の中に硬化剤が含まれているので、使い勝手のいいクリアー塗料です。

ラッカークリアー塗料と比べても耐久性や耐候性に優れていますが、2液ウレタンクリアー塗料よりは劣ります。使い勝手と木材の保護を重視したいのであれば、1液ウレタンクリアー塗料を選択すると良いでしょう。

2液ウレタンクリアー塗料

3つ目の塗料は、2液ウレタンクリアー塗料です。2液ウレタンクリアー塗料は、塗料とは別に硬化剤を用意する必要があり、硬化剤とクリアー塗料を混合することで、塗料を硬化させて塗膜を形成します。

3つの塗料の中で1番耐久性や耐候性に優れており、屋外の塗装にも使用可能です。しかし、硬化剤を混合する工程が増えるため、塗装の難易度もあがってしまうのが欠点です。

塗装の難易度はあがってしまいますが、特に耐久性、耐候性を重視したい方は、2液ウレタンクリアー塗料の使用を検討してみてください。

【混合手順】ステイン塗料とクリアー塗料の混合方法は?

ステイン塗料とクリアー塗料の混合手順を説明していきます。この手順を参考にして、正確な塗料の作成を目指してください。

Step1:塗料の準備

ステイン塗料とクリアー塗料、必要に応じて希釈剤(水又はシンナー)を用意します。2液ウレタンクリアーを使用する場合は硬化剤も必要です。塗料は成分が均一になるように、予めよく混ぜておきましょう。

Step2:混合比を確認

ステイン塗料とクリアー塗料の混合比を確認します。混合比を間違えてしまうと仕上がりに影響がでますので、必ずメーカーごとの説明書で確認が必要です。

木製品の場合全体調合量の3%未満
ルアーや金属に塗装する場合全体調合量の50%未満
スティンを下地剤・フラット・クリアーなどに混合する場合

Step3:混合作業

計量カップなどを使用して正確な比率で塗料を混合します。クリアー塗料を必要に応じて希釈したら、ステイン塗料とクリアー塗料を混合し、塗料を完成させます。

2液ウレタンクリアーとステイン塗料を混合する場合は、先に2液ウレタンクリアーと硬化剤を混ぜておく必要がありますので注意してください。2液ウレタンクリアーと硬化剤にも混合比がありますので、説明書で確認しておきましょう。

Step4:テストスプレー

ステイン塗料とクリアー塗料の混合が完了したら、テストスプレーしてください。テストスプレーが必要な理由は後述します。

ステイン塗料とクリアー塗料を混合する際の注意点

ここまで、ステイン塗料とクリアー塗料のメリットや混合手順を解説してきましたが、注意点が3点あります。注意点も理解したうえで、ステインとクリアーの混合塗料を使用するか検討してみてください。

全てのステイン塗料がクリアー塗料と混合できるわけではない

まずは、全てのステイン塗料がクリアー塗料と混合可能なわけではないことについて説明していきます。

メーカーによって、ステイン塗料をクリアー塗料と混合できないタイプがあり、もしクリアー塗料と混合してしまうと成分が変わってしまい、ステイン塗料が使用できなくなる可能性があります。

同じメーカーの色違いのステイン塗料であれば、混合することが可能な塗料もありますが、成分の違う塗料を混合することを推奨していない場合もあるので、各メーカーの仕様書や説明書をよく読んでから塗装するようにしてください。

使用するステイン塗料は水性、油性どちらに混合可能か確認する

ステイン塗料やクリアー塗料には水性、油性に分類されるため、ステイン塗料が水性なら、クリアー塗料も水性にする必要があります。

もし、水性ステイン塗料と油性クリアー塗料を混合してしまうと、成分が分離してしまい、混合に失敗してしまう可能性が高いです。

ステイン塗料とクリアー塗料を混合する際は、必ず水性か油性かを確認するようにしましょう。

ステイン塗料とクリアー塗料を混合した後は必ずテストスプレーする

最後の注意点は、ステイン塗装とクリアー塗装を混合した後は、必ずテストスプレーするということです。

説明書通りに塗料を混合したとしても、その日の気温や湿度で塗料の状態が変わってしまいます。

テストスプレーをせずに、いきなり塗装を始めてしまうと、想像していた仕上がりとは違ったものになる可能性もありますし、耐久性や耐候性にも影響が出ます。

テストスプレーを実施できるように、不要な木材などを用意するか、目立たない部分でテストスプレーを実施するようにしましょう。

まとめ|

いかがでしたでしょうか?
ステイン塗料はクリアー塗料と混合させることで、木材の着色と保護を同時に行うことができ、それぞれの特性を活かせるようになります。

ゼストでは、ステイン塗料に混合できるクリアー塗料は以下の種類を販売しております。

ゼストのキャンディーカラー・スティン塗料(全11色)

ステイン塗料を混合せずに塗装する場合に比べて、工程が増えるので難易度も上がりますが、説明書や仕様書を確認して、正しい混合比で塗料を混ぜれば納得のいく仕上がりになるはずです。

テストスプレーも忘れずに実施して、理想的な木材塗装を目指してみてください。


木材の表面へのコーティングは美観の向上や、耐久性の向上に非常に役に立ちますが、
「何を使えば木材の保護が出来るか分からない」
「そもそもどんな塗料があるのか分からない」

といったように、初心者の方は何を選ぶのが最適なのか分からない方も多いと思います。

この記事では、コーティングの重要性や塗料種類、木材表面の加工方法について解説します。この記事を読めば、あなたにとっての最適な木材とコーティング用の塗料の重要性や種類、状況に合わせた塗料の選び方が分かるようになりますので、ぜひ読んでみてください。

目次

1.木材の表面のコーティングの重要性とは?
 理由1:木材表面を保護できる
 理由2:美観が向上する
 理由3:防腐、防虫などの機能の追加
2.木材の表面をコーティングする前にすること
3.木材表面のコーティングする塗料は水性と油性がある!

4.木目を出したい場合は、浸透タイプの塗料がおすすめ!
 4-1:浸透タイプ
 4-2:造膜タイプ
5.木材表面のコーティングにおすすめ塗料をご紹介
 5-1:ステイン・キャンディーカラー
 5-2:水性・油性ニス
 5-3:ワックス
6.まとめ

木材の表面のコーティングの重要性とは?

木材表面のコーティングとは、木材の表面に専用の塗料を塗布することで見た目を向上させるために使用されます。

また、見た目を美しく仕上げるだけでなく、その他にも重要な意味があります。コーティングが必要な理由について、以下で詳しく解説していきます。

理由1:木材表面を保護できる

木材の表面をコーティングすることで、汚れや油、水分、傷などから木材を保護することができます。木材には、様々な要因で傷や汚れが付着することがあるためコーティング無しではすぐに痛んでしまいます。コーティングを施すことで、それらから守れるようになり、耐用年数を長くすることができます。

理由2:美観が向上する

コーティングすることで、木材をより魅力的にみせることが可能になります。

コーティングする塗料の種類によって木材の魅せ方は変わります。木目を生かす塗装を施すことで高級感を表現できたり、木目を強調することによって深みを与えたりと、より木材の個性を最大限引きだすことができます。

また、ツヤをだせる塗料を選択することで、高級無垢テーブルや高級スピーカー、エレキギターなど高級感を演出できるようになるのもメリットです。

理由3:防腐、防虫などの機能の追加

元々木材にはなかった防腐、防虫、防塵などの機能を追加して、木材を長持ちさせる効果もあります。

塗装していない木材だと、管理に手間がかかりますが、塗料によって機能を追加することでメンテナンスが非常に楽になるでしょう。

木材の表面をコーティングする前にすること

木材の表面にコーティングを行う前には、木材表面を平滑に仕上げる加工が必要となります。
表面の加工することで、木目の温もりや肌触り、見栄えが大きく異なるのとても重要な作業です。

木材表面の加工方法には、様々な種類があり、加工方法が違うと外観の見た目が大きく変わるので、重要な選択項目の一つです。

ここからは代表的な加工方法を紹介していきますので、参考にしてみてください。

①プレーナー(モルダー)仕上げ

プレーナー仕上げとは、素材のままだと表面がざらついた木材をプレーナー(モルダー)と呼ばれる機械で表面を平滑に整えます。木材の形状を整えて塗装をしやすくしたり、接着効果を高めたりする一般的な加工方法です。

木材を切り出した後に、販売用として整えるために使用されます。木材そのもの素材感を楽しみたい方やワイルドさを出したい方にはおすすめです。

②サンダー仕上げ

サンダー仕上げは、プレーナー仕上げの後にサンドペーパーで木材の表面を削り、表面のムラやプレーナーの刃跡など凹凸を無くす仕上げ方法です。プレーナー仕上げよりも肌触りが良く、フローリング用に用いられたりします。

③超仕上げ(超かんな仕上げ)

超仕上げは、大工道具の「かんな」を使用して木材の表面を鏡面仕上げにする方法です。見た目にこたくがあり、美しい仕上がりになる人気の仕上げ方法です。

④うずくり加工

木材の表面の柔らかい部分を磨いて凹ませることで、硬い部分を浮き上がらせる方法です。

テーブルや桐たんすなどによく用いられますが、平滑な木材に比べて、より木を強調した見た目になるので、存在感を出したいときにおすすめな加工方法になります。

⑤なぐり加工

大工道具の「ちょうな」で加工する方法で、古くから日本にある技術です。ランダムで凹凸を作ることで、独特の風合いになり、和風の住宅によく用いられます。

木材表面のコーティングする塗料は水性と油性がある!

ここからは、木材のコーティングに必要な塗料について解説していきます。

塗料には油性と水性があり、それぞれ特性が違います。それぞれの特性を理解して、自分にあったタイプを選択してみてください。

油性タイプの塗料

油性は、希釈する際に溶剤(シンナー)を使用しますので、刺激臭が強いので、作業の際は換気が必要で、水性に比べると取り扱いが難しいです。
しかし完全乾燥してしまえば臭いもなくなるので、家具塗装としてよく用いられる塗料です。

耐久性が高く、防水性にも優れているので屋外でも使用しやすく、光沢もでるので高級感を演出できるメリットもあります。

水性タイプの塗料

塗料の希釈に水を使用するので、臭いの発生が少なく、扱いやすいのが特徴です。

ただし、油性ほど耐久力はなく、光沢も油性に比べると劣るので、扱いやすさを重視したい初心者におすすめの塗料です。

木目を出したい場合は、浸透タイプの塗料がおすすめ!

先ほど油性と水性について解説しましたが、それとは別に木材に塗料が浸透する「浸透タイプ」と、木材の表面に膜を作る「造膜タイプ」があります。

どちらを選択するかによって、仕上がりや耐久力に差が出ますので以下で具体的に解説していきます。

浸透(木目を生かす)タイプ

浸透タイプは、塗料が木材に浸透し、木の質感を損なうことなく着色が可能な塗料です。もちろん、防腐や防虫効果もありますので、コーティングとしての役割も十分に果たしてくれます。

木材の表面に塗膜は作らず薄く仕上げることによってもともと持っている木の質感を生かすこともできるし、その逆の塗膜を厚くすることによって高級感を出すことも可能です。傷や汚れが付きやすくなってしまいます。木の質感を残したい方にはおすすめですが、塗装後の木材は傷が付きやすく、少しデリケートなので注意が必要です。

造膜(塗りつぶし)タイプ

造膜タイプは、木材の表面に塗膜を作り、木材をコーティングしてくれます。

塗膜は紫外線から木材を守ったり、傷を付きづらくするので、耐久力は向上しますが、木目が見えづらくなり、木材の質感は失われてしまいます。

木の質感よりも、木材を長く使用することを重視する方は、造膜タイプの塗料がおすすめです。
また木の素材が木目の出ない木質や、MDF材などに適した塗装方法といえるでしょう。

木材表面のコーティングにおすすめ塗料をご紹介!

木材に使用できる塗料の種類について説明します。

よく使用される塗料を紹介していきますので、この章を読んで参考に自分にあったものを見つけてみてください。

ステイン・キャンディーカラー

キャンティーカラー・ステイン塗料

ステインは、浸透タイプの塗料で、木材の木目や質感を残しながら着色が可能です。

ステインにも水性と油性があり、水性は油性に比べると安全性が高いので取り扱いがしやすいです。

対する油性は、水性に比べて木材の深部までよく染み込むため、木材の保護力が水性よりも高く、木材本来の特性を生かしつつ着色もしたい方に、ステインはおすすめの塗料です。

ゼストでは、食品衛生法で認可された水性ステイン塗料も販売しており、木製のサラダボウルやスプーンなどにも使用することができます。

水性・油性ニス

ニスは造膜タイプで、木材を傷や紫外線から守ることを重視したい方におすすめです。

水性ニスは安全性が高いため、家具などの屋内で使用する木材に使用されることが多いですが、油性ニスに比べると塗膜の耐久力が劣ります。

他の特徴として、ニスは光沢があるものが多く、高級感を演出できる反面、木の質感が損なわれやすいです。しかし光沢に関しては、つや消しのニスも販売されているので、お好みにあわせて光沢を調整することが可能です。

ワックス

ワックスは木材に少しだけ浸透しつつ、表面に薄い塗膜を作る造膜タイプです。一般的に蜜蝋や植物性ワックスなどが使われています。より自然に近いことや、扱いが楽という事もあり良く好まれて使用されています。また薄い塗膜なので、木材を傷や汚れから守る保護力は低めですが、木材本来の風合いは残すことができます。

着色が可能なワックスもありますが、着色後の木材に衣服などが擦れると塗料が移る可能性もあるのでテーブルやフローリング、壁材などには使用することができません。

ワックスは塗る頻度が他の塗料に比べると多くなる傾向があるため、メンテナンスに手間がかかるのがデメリットですが、木材の風合いを残しつつ、木材の保護もしたい方に、ワックスはおすすめです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
今回、木材表面のコーティングの重要性や塗料種類、木材表面の加工方法について解説してきました。

木材表目の木目や質感を残したいのであればステイン、木材の保護を重視する場合はニス、木材の風合いを残しつつ保護もしたい方はワックス、などのコーティング方法がおすすめです。

また、木材表面にコーティングを行う前には、表面の仕上げ加工が必要となりますが、その加工方法一つでも風合いや色味なども変わってきます。

この記事を参考に、どのような仕上がりにしたいのか自分の中で順位を付けて、納得のいく選択をできるように検討してみてください。

おもしろ塗装工房では塗装にまつわる疑問や質問、塗装方法など24時間メールにて受け付けています。お気軽にお問い合わせください。


木材を使用した家具や食器は、傷がつきやすく、カビの原因となったり見た目が悪くなったりと使用期間が長くなるにつれて汚く見えてしまうものです。

しかし、ウレタン塗装が施された木材は、生活の中で自然とついてしまう傷から守ってくれ、カビや汚れが付着する原因を取り除いてくれます。

そんな、木材を塗装する際、選択肢の一つとしてウレタン塗装という方法がありますが、
実際のところは、以下のような疑問が浮かんでくると思います。
「ウレタン塗装って具体的にどういう塗装方法か分からない」
「ウレタン塗装は初心者でもDIYが可能なの?」

この記事では、木材へのウレタン塗装のメリット・デメリットについてご紹介し、初心者でもDIYが可能なのかといった内容を解説します。木材へのウレタン塗装に関する知識が身につき家具や食器を長持ちさせることができるようになります。ぜひ最後まで読んで参考にしてみてください。

目次

1.木材へのウレタン塗装の魅力とは?
2.木材における「ウレタン塗装」と「オイル塗装」の違い
3.【メリット】木材にウレタン塗装する魅力!
4.【デメリット】木材にウレタン塗装するデメリット
5.【手順】木材にウレタン塗装する工程をご紹介

 Step1:研磨作業を行う
 Step2:ステインで木材の表面を着色する
 Step3:下塗り「素材の吸い込み防止」
 Step4:中塗り「塗装面の肉もちと平滑化」
 Step5:上塗り「ウレタンクリア塗装で表面の仕上げ」
 〜補足〜
6.【DIYでも可能!?】テーブルなどの木材にウレタン塗装したい
7.まとめ

木材へのウレタン塗装の魅力とは?

出典:写真AC

ウレタン塗装の主な特徴は、木材をウレタン塗料の塗膜で覆うことで外部からの影響を受けにくくすることで、耐久性が格段に向上します。ウレタン塗装の表面はツルツルで、光沢もあり耐久性だけでなく見栄えも華やかになります。(つや消しのウレタン塗料もあります)

また、ウレタン塗料はどんな材質にも密着してくれるので、万能性が非常に高いです。表面の保護を行うのに最適な塗料であると言えます。

普段私たちが使っている家具にもウレタン塗装は多く採用されており、代表的なものとしては下記の家具や食器があります。意識しないと気付きにくいですが、私たちの生活になじみ深い塗装方法なのです。

  • テーブル
  • 食器
  • ドレッサー
  • 仏壇
  • 椅子 など

木材における「ウレタン塗装」と「オイル塗装」の違い

出典:写真AC

木材への塗装方法は他にもあり、代表的なもので「オイル塗装」があります。これは、ウレタン塗装とは違い表面に塗膜を作らずオイルを木材に浸透させていきます。塗膜がないので、木に直接触れることが素材本来の良さを活かすことが出来るのが特徴です。

他の特徴として、テーブルや椅子などにオイル塗装を施していると、時間とともに味が出てくるので世界に一つだけの自分好みのテーブルや椅子に育てていくことも可能です。木のぬくもりが好きで、変化を楽しめる方は、オイル塗装の方が向いていると言えます。

しかし、オイル塗装にもデメリットがあります。
塗膜がないため水に弱くシミが出来やすいです。そのため、綺麗な状態を保つには定期的にオイルを塗り直すなどの手入れが必要となります。
また、塗膜が薄い分マメなメンテナンスが必要になってきます。

【メリット】木材にウレタン塗装する魅力!

出典:写真AC

ここからは、ウレタン塗装に絞ってメリットを解説していきます。
メリットを知って、ウレタン塗装にするかどうかの参考にしてみてください。

1つ目:耐水性・耐久性・耐溶剤性に優れ、汚れに強い

先ほどウレタン塗装は、木材の表面に塗膜を作ると説明しました。塗膜にはメリットが多く、その1つは水をはじいてくれることです。水をはじくので、シミにもなりにくく、汚れも付着しづらいです。

ウレタン塗装を施しているダイニングテーブルは、食事などしても汚れにくいのでキッチン周りに適した塗装方法と言えます。

2つ目:細かい傷が付きにくい

ウレタン塗装は、塗膜で木材を細かい傷から守ってくれます。塗膜は硬く多少物が当たっても傷が付きづらいです。使用頻度の高いテーブルや木製の食器などは、傷が付きやすい環境です。

また、木材は傷がつくことで汚れが溜まってしまったりカビの原因となり外観が損なわれてしまうため、綺麗に清潔感を保つ上でとてもメリットがある塗装方法です。

3つ目:手入れが簡単

ウレタン塗装は手入れが簡単なのも魅力の1つです。テーブルに付着した汚れは水ぶきするだけで、簡単に汚れが取れ、シミになることなく非常に楽です。

もし、水ぶきでだけで取れない場合には中性剤を薄めたものでふき取ることもできるので細かな手入れが苦手な方や、面倒な方にはおすすめです。

【デメリット】木材にウレタン塗装するデメリット

出典:写真AC

もちろん、ウレタン塗装にはメリットだけでなく、デメリットもあります。
代表的なデメリットを3選ご紹介しますので、こちらもご覧になってみてください。

1つ目:木の質感を感じにくい

木材を塗膜で覆うので、傷や水分から守ってくれますが、その分触った時に木の質感を感じにくく、冷たい印象になります。木材特有の質感やぬくもりを感じたい方には、物足りなく感じてしまうので、別の塗装方法の家具を探した方がいいかもしれません。

2つ目:一度傷が付くと白っぽく目立つ

傷に強いウレタン塗装ですが、一度傷が付いてしまうと、白っぽくなってしまい逆に目立ってしまうデメリットがあります。

木材自体の色が白っぽかったり、薄い色であれば傷は目立ちにくいかもしれませんが、濃い色の木材を使用していると、どうしても目立ってしまうので注意が必要です。

3つ目:自分で補修するのが難しい

部分的に塗装が剝がれてしまったり、傷が付いてしまった時に、自分で補修することが難しいです。補修するには、ウレタン塗装についての専門的な知識と技術が必要です。

また、補修するときは部分的に塗り直すのではなく、全体を塗り直す作業になりますので、大掛かりな作業が必要になってしまいます。

【手順】木材にウレタン塗装する工程をご紹介

出典:写真AC

木材へのウレタン塗装の工程を説明します。どういう方法で塗装するのか知れば、ウレタン塗装に対する理解も深まりますので、ぜひ読んでみてください。

Step1:研磨作業を行う

ウレタン塗装する前に素材チェックが必要となります。
塗り替えたい素材が無垢材である事。プリント合板素材で作られた安価な家具には再塗装ができないものが多くあるのでチェックが必要です。
※例えばカラーBOXなどのような素材には塗装は出来ません。

再塗装が可能な素材の場合の工程をご紹介いたします。
まずはサンドペーパーで木材の表面を磨きます。木の硬さによって適切なサンドペーパーの目の細かさを選択し、研磨します。布ペーパーの場合240番→320番→400番の手順で塗膜を木地が見えるまで塗膜を研磨します。

下処理(木地研磨)をしっかりする事で、塗料が付着しやすくなるのと塗装表面が平滑になります。最終的な仕上がり具合が向上するので重要な作業です。

Step2:ステインで木材の表面を着色する

ステインは、簡単に言えば木材の着色材です。普通の塗料とは、違い木目などを活かしつつ木材の美しさを最大限に引き出すことが可能な塗料です。
シーラーに混ぜて使用するのが一般的です。

木目の見せ方によって、使用する道具が異なり刷毛で塗るか若しくはスプレーで塗装したりと、塗装方法が変わります。また、使用する着色塗料も数種類ありますので、用途に応じて使い分けが重要です。

Step3:下塗り「素材の吸い込み防止」

木材の繊維を固めて、木材を安定させるための工程です。粘度が低いシーラー(下塗り材)を使用して、木材に浸透させることで、着色剤がにじみ出ないようにする効果があります。

または着色用ワイピングという方法もあります。これは木の導管を埋めながら着色をするという優れものの着色剤になります。一度刷毛塗りをしウエスで拭き取る工程で着色ができるため次の作業が入りやすいです。

Step4:中塗り「塗装面の肉もちと平滑化」

ウレタンサンディングと呼ばれる不透明の中塗り剤を使用して、木地を隠し平滑な表面を作り上げます。
塗膜に肉もち感を与える為に有効な工程です。

木材の種類によっては、塗料の吸い込みが激しいものもあり、そのような素材(木の導管)に対しても目止め効果は高いです。

Step5:上塗り「ウレタンクリア塗装で表面の仕上げ」

上塗りは、ウレタン塗装(トップコート)による最後の工程です。上塗りによって艶や質感が決定します。光沢の有無、塗膜が厚く傷がつきにくいものなど、どういう仕上がりを期待するかで選択するウレタン塗料が変わります。

透明仕上げの場合は、ウレタンクリアー、不透明(塗りつぶし)仕上げの場合は、ウレタンエナメルを使用するのが一般的です。

〜補足〜

中塗りと上塗りの間に、塗装面の平滑性を保つサンディングや着色の均一化を行うための捕色などを行うこともあり、どれも木目の表現をどのようにするかで塗装工程も大きくことなります。

【DIYでも可能!?】テーブルなどの木材にウレタン塗装したい

出典:写真AC

ここまで、ウレタン塗装の特徴や作業工程を解説してきましたがいががでしょうか?
DIYで塗装を検討している方もいらっしゃると思いますが、デメリットでも少し触れましたとおり、ウレタン塗料には、木の素材によって塗料を選ばなければならないので、知識も必要です。

これらを踏まえると、経験の少ない方がDIYで油性ウレタン塗料を使用するのは難しいと言えます。水性塗料の方が扱いやすく初心者向けなので、もしDIYに挑戦するなら、水性で塗装するのがおすすめです。

まとめ

本記事では、木材にウレタン塗装する魅力についてご紹介してきました。
ウレタン塗装は耐久性に優れており、オイル塗装と比べてメンテナンス性のしやすさから人気が高い塗装方法です。

ウレタン塗装と聞くと、難しく聞こえますが実は私たちが生活する中で使用するテーブルや椅子など、普段よく目にしているものに使用されており、万能性が高い塗装方法です。

木材を塗膜で覆うことで傷や水分から守ったり、見た目も美しくしてくれます。