古くなった塗装を塗り替えたり、DIYをするために塗装を検討しているか方も多いと思いますが、実際に塗料を調べてみると様々な塗料が販売されており、
「どんな塗料を購入すればいいのか分からない」
「塗料の種類や特徴が分からない」塗装に関しての知識が少ない方は、上記のように思われるかもしれません。
この記事では、塗装する素材に対して、どんな特徴の塗料を選択すれば良いのか解説していきます。この記事を読めば、塗料の種類、特徴、選び方を知ることができますので、今後の参考になるはずです。ぜひ最後まで読んでみてください。
目次
1. 塗装する目的とは?
2.【用途別に解説】塗料の種類と特徴をご紹介!
2-1:木材用塗料|〜防腐・防虫効果がある〜
2-2:トタン屋根用塗料|〜耐候性・防錆力がある〜
2-3:外壁用塗料|〜耐久性・耐候性がある〜
2-4:プラスチック用塗料|〜下塗りのプライマーが必要〜
2-5:金属用塗料|〜密着性・耐久性がある〜
3.塗料に含まれる合成樹脂による違いは?
3-1:アクリル樹脂
3-2:アクリルシリコン樹脂
3-3:ウレタン樹脂
3-4:アルキド樹脂(フタル酸樹脂)
3-5:エポキシ樹脂
4.塗料を選ぶ際の注意点
4-1:用途に応じた塗料を使用する
4-2:耐用年数を確認する
4-3:どんな仕上がりにしたいかによって塗料を選択する
5.まとめ
塗装する目的とは?
数ある塗料の中から、正しい塗料を選択するには、「なぜ塗装が必要」目的に応じた選択が重要です。
普段、何となく目にするものには様々な色の塗装が施されていますが、塗装には以下3つの目的があります。
【美観の向上】
1つ目は、塗装することで素材を美しく仕上げる為。
素材の特徴を際立たせたり、素材の見た目が悪い場合でも、塗装を施すことにより、キレイに整えることが可能です。
化粧(塗装)に手を掛ければ掛けるほど美しい仕上がりになるとご理解ください。
人が見た目を気にするように、素材の見た目もとても重要ですので、ほとんどの素材には塗装が実施されています。
【表面の保護】
2つ目は、素材表面の保護です。
素材表面がむき出しのまま使用していくと、金属や木材は腐食したり、錆びたりしてしまいますが、素材表面に塗装を施すことで、腐食や錆から守り、長期に渡って物や建物を保護してくれます。
また、素材に何か物が当たってしまったとしても、素材の表面には塗膜がありますので、傷から守る役割も担っています。
【機能の追加】
3つ目の目的は、機能の追加です。
用途に応じて塗料に添加物を混ぜることで、様々な機能を付け加えることが可能です。
例えば、金属用塗料なら錆止め効果のある添加剤、木材用塗料なら木目を生かす塗料や、防虫剤や防腐剤を混ぜることで、錆や腐食、虫の侵入から素材を守ることができたりします。
【用途別に解説】塗料の種類と特徴をご紹介!
次に、用途別に必要な塗料を説明していきます。
用途によって塗料に含まれる合成樹脂や添加物が変更されている為、適切な塗料を選択する必要があります。まずは、どんな用途の塗料があるのかを理解しましょう。
木材用塗料|〜防腐・防虫効果がある〜
木材用の塗料には、木目を生かしたり、防腐剤、防虫剤などが含まれており、腐食や虫の侵入を防いでくれます。
- オイル
- ウレタンニス
- ステイン
- 着色ワイピング(との粉)
塗料の種類は主に4つあり、自然な仕上がりになるオイル塗料、木材の表面の保護や光沢のある仕上げになるウレタンニス、木目を活かせるステイン・ワイピングがあります。
塗料に含まれる合成樹脂は、アクリル、ウレタン、アルキドのどれかを使用する塗料が多いです。
トタン屋根用塗料|〜耐候性・防錆力がある〜
トタン屋根は紫外線にさらされるうえ、金属製なので腐食しやすいです。
その為、塗料で耐候性と防錆力を高める必要があります。
トタン屋根用の塗料に含まれる合成樹脂は、耐候性の高いアクリルシリコンやウレタン、金属に対して密着力のあるアルキドのいずれかを使用しています。
外壁用塗料|〜耐久性・耐候性がある〜
外壁用塗料は、建物を紫外線や雨風から守る重要な役割があります。
外壁を長期間にわたって維持する為に、耐久力や耐候性の高い合成樹脂を使用する必要があり、主にアクリルシリコンやウレタンが使用されています。
プラスチック用塗料|〜下塗りのプライマーが必要〜
プラモデルなどのプラスチック素材は、表面がツルツルしていて密着しづらい素材の為、下塗り用のプライマーを塗布してから塗装すると塗料が密着しやすくなります。
プラスチックも雨風や紫外線にさらされると、劣化してしまうので、プラスチックにも密着しやすいアクリルやウレタン、アクリルシリコンが使用されています。
コンクリート用塗料|〜耐水性がある〜
コンクリートは、吸水しやすく屋外で使用すると劣化が進みやすいので、耐候性、耐水性、耐久性に優れた塗料が使用されます。
主にアクリル、ウレタン、エポキシのいずれかの合成樹脂を含んだ塗料が多いです。
金属用塗料|〜密着性・耐久性がある〜
金属はとても錆びやすいので、錆の進行を阻止する防錆剤を含んだ塗料を使用する必要があります。
金属に対して密着力の高いアルキドを含んだ塗料や、耐候性、耐久力の高いアクリルシリコン、ウレタンを含んだ塗料が広く販売されています。
塗料に含まれる合成樹脂による違いは?
塗料の成分には、色を決める顔料だけでなく以下の4種類が含められています。
- 顔料:色を決める
- 合成樹脂:塗膜の形成や耐久性を高める
- 添加物:塗料の機能を向上させる
- 溶剤:上記3つを希釈し使いやすい液状に調整し塗布できるようにする
ここでは、メインの「合成樹脂」の種類について解説していきます。「合成樹脂」が変わると耐久力に違いがでますので、必ず押さえておきたい項目です。今後の塗料選びの際に、参考にしてみてください。
アクリル樹脂
アクリルは、速乾性が高くDIYに向いている塗料です。
紫外線に強く、耐候性があるため、外壁などの屋外で使用されることが多いですが、ウレタンやアクリルシリコンに比べると耐久力が劣ります。
後述しますが、今回解説する中では、耐用年数がもっとも短いです。
アクリルシリコン樹脂
アクリルシリコンは、アクリルにシリコンを加えたもので、耐候性、耐久力が強化されています。
外壁や屋根の塗装に適していて、光沢の保持力も高く、長期間にわたって塗膜を維持できるのが特徴です。
ウレタン樹脂
ウレタンは、高い耐久性と柔軟性に優れた塗料です。
薬品に対しても耐性があり、自動車、木材、その他の金属製品にも広く使用されており、汎用性が高いのが魅力です。
アルキド樹脂(フタル酸樹脂)
アルキドはフタル酸樹脂とも呼ばれ、一般的に一液性の「ペンキ」といわれるものが多く、
金属や木材の仕上げ塗装として使用されています。
金属への密着力が高く、肉もち感があり、塗膜が硬いのが特徴です。
エポキシ樹脂
エポキシは、防水性や薬品に対して耐性が強く、肉持ちがあるのが特徴です。
コンクリート床などの塗装や釣り竿のスレッド部分などにも適していて、学校や病院の床などにも塗装されています。
塗料を選ぶ際の注意点
ここまで塗料の種類について解説してきました。
実際に塗料を選ぶ際に注意すべき点や、何を基準に選択するべきかを説明していきます。
用途に応じた塗料を使用する
素材によって塗料を選択していくことが基本になります。
例えば、木材用の塗料なら、木材の特性に合わせて合成樹脂や添加剤を配合しているので、長期に渡って効果を発揮しやすくなります。
もし、用途の違う塗料で塗装してしまうと、十分な効果が得られず、早期劣化の原因になってしまいます。塗料を購入する際は、金属用や木材用と記載している場合が多いので、よく確認しましょう。
耐用年数を確認する
塗料に含まれる合成樹脂の種類によって、耐用年数が変わってきます。
環境によりますが、耐用年数の参考目安は下記の通りです。
- アルキド塗料:3~5年
- アクリル塗料:5~8年
- ウレタン塗料:7~10年
- アクリルシリコン塗料:10~15年
- エポキシ塗料:10~15年
使用環境によって耐用年数は変化しますので、あくまで参考としてご覧ください。長期間にわたって塗装を維持したいとお考えの方は、耐用年数が長い塗料を選択しましょう。
どんな仕上がりにしたいかによって塗料を選択する
光沢や色合い、質感は塗料によって大きく違います。
最終的にどんな仕上がりになるかは、塗料の選択にかかっていますので、慌てて塗料を選択せず、ツヤあり、つや消し、半ツヤなど、素材や塗料の特徴をよく確認してから購入した方がいいでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
塗装する素材や耐用年数、どんな仕上がりにしたいかで、塗料の選択は変わってきます。
用途に合わない塗料を選択してしまうと、素材がすぐに痛んでしまったり、早期に塗装し直しになってしまう可能性があります。
- 素材にあった塗料を選択できているか
- 塗料に含まれる合成樹脂は、何が使用されているか
- 合成樹脂の耐用年数はどの位か
- 仕上がりをどうしたいか
塗料を選択する際は、上記4つの項目に注意して、適切な塗料を選択しましょう。
おもしろ塗装工房では塗料に関するアドバイスを承ります。