クラック塗装とは?|自然なひび割れ模様を作れる


クラック塗装は、自然なひび割れを演出できる特殊な塗料で、独特な雰囲気を出したい方に向いている塗装方法です。クラック塗装を施すだけで、個性を出せる魅力的な塗装方法ですが、どうやってひび割れを起こせるのか疑問に思った方も多いはず。

この記事では、クラック塗装方法のご紹介ともになぜひび割れ起こるのかを含めて解説していきます。クラック塗装が可能な素材や注意点についても解説しますので、やり方だけでなく知識も身に付きます。この記事を読めば、クラック塗装ができるようになりますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

目次

1.クラック塗装の特徴
2.なぜ塗装に、自然なひび割れが起こるのか
3.クラック塗料で施工を簡単にできる
4.クラック塗装が可能な素材
5.クラック塗装のやり方

 必要な道具を準備する
 Step1:下地作り
 Step2:下地塗料の塗布
 Step3:クラック塗料を塗布
 Step4:トップコート
6.クラック塗装の注意点
7.まとめ

クラック塗装の特徴

クラック塗装は、塗装表面に意図的にひび割れを起こして個性的な仕上がりにする塗装方法で、アンティーク調にしたい場合や、独特の雰囲気を出したい場合におすすめです。

また、クラック塗装は、ひび割れの大きさやパターンをある程度コントロールできる点も魅力の1つです。

例えば、ひび割れを大きくしてダイナミックに表現したり、細かいひび割れを発生させて繊細な雰囲気を演出できたりします。

木材や金属、硬質プラスチックといった様々な素材に塗装可能で、アイディア次第で幅広い用途で利用ができます。

 なぜ塗装に、自然なひび割れが起こるのか

塗装に、自然なひび割れが発生させるために、クラック成分が配合されています。このクラック成分が、下地塗装(ベースカラー)と上塗り塗装(トップコート)の間に挟むことで、その効果が表れます。

クラック塗装の吹き付け後は、10秒ほどで見るみるうちに、クラックが始まります。クラック成分は、沈殿しやすいため攪拌して使用することが大切ですが、ビンを振るだけでは攪拌しきれないため、しっかりと攪拌棒を使用して混ぜるようにするのが自然なひび割れを起こすポイントです。

 クラック塗料で施工を簡単にできる

近年では、クラッキングメディウムと塗料の効果を一体化したクラック塗料が登場しており、今までよりも施工がしやすくなりました。ZESTでは、初心者でも使いやすいようにチューニングしておりますので、そのままでもお使いになれます。

本店 おもしろ塗装工房|クラック塗料はこちらから購入いただけます。

通常であれば、下地塗装、クラッキングメディウム、上塗り塗装の順に塗装していくのですが、クラック塗装を使用すれば、手順が短縮されるため、効率化を図れます。

手順が簡単になったことで、塗装の経験が少ない方でも、チャレンジしやすいでしょう。

 クラック塗装が可能な素材

クラック塗料は、ルアーやスプーン・エレキギター、金属・木材・額縁・硬質プラスチックなどの様々な素材に塗装が可能です。

【木材】

木材をアンティーク調にしたい場合は、クラック塗装はおすすめの塗装方法です。家具やギターなどの木材には、塗装面に仕上げることができ、周りとは違った個性的なデザインに仕上げることができます。

【金属】

金属にも塗装可能で、車やバイクのタンク、ヘルメットなどにも使用できます。ベースとなるラッカー系・ウレタン系のカラーをカラフルなものを選択することで、クラック(ひび割れ)より映えるデザインとなり、おすすめです。

【硬質プラスチック】

ルアーに個性を演出したいときや、プラモデルで経年劣化を表現したいときに使用するのがおすすめです。クラック塗料の最も、メジャーな使用用途として「ルアー」が挙げられ、自分の作成したルアーで吊り上げる喜びは格別でしょう。

 クラック塗装のやり方

ここからは、クラック塗装のやり方について解説していきます。どの素材も基本的に同じ作業工程ですが、下地作りの時に使用する耐水ペーパーの番手に違いがありますので、併せて説明していきます。

 必要な道具を準備する 

最初に必要な道具を準備していきます。

【基本道具】

【塗料類】

下地塗料とクラック塗料は色合いが対照的な方が、クラック塗装の魅力がより引き立ちます。どんな風合いに仕上げたいのかによりますが、下地塗料は濃い色、クラック塗料は明るい色の使用をおすすめします。

Step1:下地作り

耐水ペーパーで足付けしていきますが、使用する番手は素材によって違います。

【素材別に使用する耐水ペーパーの番手】

素材耐水ペーパーの番手
木材180~240番
金属400〜600番
プラスチック400〜600番

足付けが終われば、下地用のサフェーサーを吹き付けますプライマーやウッドシーラーを塗布し、下地塗料の密着性を高めます。

Step2: 下地塗料の塗布

下地作りが完了しましたら、ベースとなる色を吹き付けます。ここでは、刷毛またはスプレーガンを用意しましょう。

下地塗料を均一に塗布したあと乾燥させますが、1度で均一に塗装できなかった場合は、重ね塗りをして、均一になるように塗装してください。

下地塗料の乾燥状態によっては、クラック塗料を塗布しても、うまくひび割れが発生しませんので、乾燥時間には十分注意してください。

 Step3:クラック塗料を塗布

下地塗料が乾燥したのを確認したら、クラック塗料を塗布していきます。使用するスプレーガンのガン口径は、1.0mm以上のものを使用してください。それ以下となると、クラック成分が詰まりクラックが発生しない場合があります。

クラック塗料の塗布のポイントは、塗料の厚さです。クラック塗料をたっぷり厚く塗ると、ひび割れが大きくて粗いものになります。反対に、クラック塗料を薄く塗るとひび割れが小さくて細かくなります。自分の好みに合わせて、クラック塗料の厚さを調整して下さい。

 Step4:トップコート

クラック塗装が乾燥しましたら、最後にトップコートとして、1液ウレタンもしくは2液ウレタンクリアーを塗布します。

注意点として、ディピングを行う場合は、クラック塗装の上から2〜3倍に希釈したトップコートを吹き付け色止めをしてから、行うようにしてください。

クラック塗装の注意点

最後に、クラック塗装の注意点について解説します。
注意点をよく読み、クラック塗装が自分に向いていると判断した場合は、ぜひ挑戦してみてください。

 耐久力が弱くなる可能性がある

クラック塗装は意図的にひび割れを作るため、通常の塗装よりもどうしても耐久力が劣ります。

クリアー塗装を施す場合は、塗装面が保護されるため、長持ちしやすくなりますが、アンティーク調の雰囲気の塗装を目指している方は、クリアー塗装ができない場合があるでしょう。

早期に塗装が痛んでしまうと、塗装をやり直す期間が短くなるので、こまめに塗装ができる方に向いている塗装方法といえます。

塗装状況によってひび割れの出方が変わる

クラック塗装は、気温や湿度の影響を受けやすいため、適切な環境下で塗装する必要があります。20℃前後で、湿度は50~70%が理想的な条件ですが、なかなか理想通りにいかないのが現状です。

なるべく真夏の高温(30度以上)や高湿時(80%以上)、真冬の低温時(5℃以下)の塗装を避け、塗装失敗のリスクを減らしましょう。

 まとめ

いかがでしたでしょうか?
クラック塗装は個性的な塗装方法で、独特の雰囲気を出したいときにおすすめです。

クラッキング塗装の手順は下地塗装、クラック塗料、トップコートの順で塗装することでクラック塗料の効果を最大限に発揮することができます。

気温や湿度などの環境に注意を払いながら、クラッキング塗装にぜひチャレンジしてみてください。


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