内装塗装で車内をカスタム|塗装方法とメリット、デメリットを解説


車は外装だけでなく、内装も年数が経過すると紫外線や高温の車内環境の影響を受けて、樹脂パーツの色褪せや、傷がついたり、見た目が悪くなってしまいます。その場合、車の内装をキレイに保つために、内装塗装がとても有効な手段となります。

しかし、内装の塗装に使う塗料は通常のもので良いのか?塗装方法は異なるのかなど、分からない方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?

この記事では、車の内装を塗装する際のメリット、デメリット、塗装方法などを解説していきます。内装を塗装するために必要な塗料や道具も合わせて説明しますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

目次

1.車の内装塗装のメリット
 1-1:傷ついた内装を補修できる
 1-2:自分好みの内装にカスタムできる
 1-3:DIYをすれば費用を抑えられる
2.車の内装塗装のデメリット
 2-1:外装塗装よりも塗装が難しい箇所がある
 2-2:素材によって塗装できない場合がある
3.車の内装塗装に必要な道具と塗料の選択
4.車の内装塗装の手順

 4-1:内装の取り外し可能な部品は外す
 4-2:塗装しない部分を念入りに養生する
 4-3:下地処理
 4-4:内装パーツの塗装
5.こんな人にDIYがおすすめ
6.まとめ

車の内装塗装のメリット

車の内装塗装には、古い車でも車内を綺麗な状態に保つことができるなど多くのメリットがありますが、代表的なメリットを3つ紹介します。

傷ついた内装を補修できる

車を使用していると外装だけでなく、物が当たったり、擦れたりすると徐々に内装も傷ついてきます。傷が目立ってくると、見た目が悪くなったり、使い古した感じが出てきてしまいますが、内装を塗装し直せば、傷も一緒に補修できるうえ、内装もリフレッシュできます。

上手に塗装できれば、車内がキレイになるだけでなく、気分も新たに愛車に乗車できるでしょう。

自分好みの内装にカスタムできる

内装を初期の状態に戻るだけでなく、自分好みにカスタムすることも可能です。これは、内装塗装の最大のメリットと言っていいでしょう。

車種によって違いはあるものの、個性的な内装というのはあまり見かけません。しかし、自分で好きな色を選んで内装を塗装すれば、個性的で自分だけの空間を作ることも可能です。

DIYをすれば費用を抑えられる

塗装業者に依頼すると、どうしても費用が高額になりがちです。もしDIYが可能であれば、かかる費用は道具と塗料のみですので、安価にカスタマイズできます。

ただし、作業に手間がかかり、失敗のリスクもありますので、塗装初心者であれば、小規模のDIYから試すのがおすすめです。

車の内装塗装のデメリット

車の内装塗装には、魅力的なメリットがある一方で、外装塗装とは違ったデメリットも存在します。
ここでは、2つデメリットを紹介しますので、参考にしてみてください。

外装塗装よりも塗装が難しい箇所がある

車の内装は、外装に比べて湾曲している部分や凹凸が多いので、塗装箇所によっては、色ムラがでたり、作業が困難な場合があります。

例えば、ローラーで塗装しようとした場合、湾曲している部分には塗装が塗りにくいですし、スプレーで部分的に塗装しようとしても、車内は狭く、シートなどの障害物も多いため、作業性が外装塗装よりも格段に悪いです。

そのため、内装塗装の場合はパーツを取り外したり、外装塗装よりも入念な養生が必要になる、手間が掛かってしまいます。

素材によって塗装できない場合がある

車の内装は、プラスチックや布など、様々な素材が使用されており、素材によっては塗装が上手くいかないものもあります。

例えば、シートに使用されているソフトビニールや合皮などは素材が柔らかいため、塗装してもすぐに割れてしまいます。

布などの塗料を吸い込みやすい素材も、塗料が内部に浸透してしまい、色が出なかったり、ムラが出来やすいのであまりおすすめではありません。

内装塗装する場合は、塗装しようとしているものがどんな素材かよく確認して、失敗のリスクを十分に考慮する必要があります。

車の内装塗装に必要な道具と塗料の選択

車の内装塗装を仕上げるために、必要な道具を揃え、適切な塗料を選択する必要がありますので、詳しく解説していきます。

必要な道具の準備

まずは、塗装に必要な道具を揃えます。
以下に必要な道具のリストを記載しますので、参考にしてみてください。

<内装塗装道具>

  • スプレーガンまたはスプレー缶
  • ローラー
  • プライマー
  • シリコンオフ
  • 耐水ペーパー(400~600番)

通常の塗装であればスプレーガンや缶スプレーを用意し、ツヤなしのマットな仕上がりを目指すのであればローラーを用意しましょう。

<内装パーツの養生>

<内装パーツを取り外し道具>

  • トリムリムーバー
  • プラスドライバー
  • マイナスドライバー
  • ソケットレンチとラチェットレンチ

シートを取り外す場合や、車種によっては内装に六角のボルトを使用してたり、特殊工具が必要な部分がありますので、ソケットレンチやラチェットレンチを準備しておくと、スムーズに作業できます。

また、インストルメントパネルやドアトリムを取り外す際には、傷を付けるリスクの少ないトリムリムーバーの使用をおすすめします。

内装塗装の塗料

内装塗装に使用できる塗料は、主に下記の3つです。

  • アクリル塗料
  • ウレタン塗料
  • ラッカー塗料

初心者に扱いやすい塗料は、水性アクリル塗料ですが、耐久力は低めです。ラッカー塗料も速乾性はありますが、やはり耐久力が低いので、耐久力を重視するならウレタン塗料を選択するのが良いでしょう。

車の内装塗装の手順

必要な道具と塗料を準備しましたら、いよいよ内装塗装です。正しい内装塗装手順を理解することで、内装塗装の失敗リスクを大幅に減らせますので、しっかり確認しておきましょう。

内装の取り外し可能な部品は外す

内装塗装する部品が取り外し可能なら、なるべく取り外した方が広い場所で塗装できるため、作業がかなり楽になります。内装塗装の場合は、いかに作業スペースを確保するかが重要になります。

ドアパネルやインストルメントパネルの外し方は、車種によって異なります。取り外し方が分からない場合は、ディーラーに確認しても良いですし、インターネットで「車種名 〇〇 外し方」などと検索すると、取り外し方法を解説している場合もありますので調べてみましょう。

無理に取り外そうとすると、内部のツメが折れてしまうなど再度取り付けができない可能性もありますので、注意してください。

塗装しない部分を念入りに養生する

車の室内で塗装する場合、塗装を開始する前に、マスキングテープやマスカーテープでガラスやシートなど、塗装したくない部分を必ず養生しましょう。

外装塗装と違い、車内で塗料を噴霧するため、飛散した塗料が思わぬ箇所に付着するリスクが格段に上がります。

また、養生の間にすき間があると、飛散した塗料が入り込んでしまいシートなどに付着してしまう可能性もあり、面倒ではありますが手を抜かずに養生することをおすすめします。

下地処理

内装パーツへ塗料の密着性を高めるために、塗装面を耐水ペーパー(600〜1000番)で軽く磨きましょう。

磨いたあとの削りカスをキレイに取り除いて脱脂し、スプレーガンや缶スプレー、刷毛などでプライマーを塗布することで、塗料の密着力が向上します。
研磨をするなら塗料の密着は良くなりますので、プライマーは必要ありません。

プライマーは一度に厚塗りするのではなく、2~3回に分けて薄く均一に塗布していくことで、ムラなく仕上がります。プライマーの乾燥時間はメーカーの説明書で確認し、乾燥しましたら、いよいよ塗装の工程です。

内装パーツの塗装

下地処理まで終了したら、次は塗装です。

【スプレー缶、スプレーガンの場合】

スプレー缶やスプレーガンで塗装する場合、塗装物から15~20cm程度離れた場所から、一度に厚塗りせずに、薄く均一に塗装してください。

塗装は2~3回に分けて重ね塗りをすると、ムラなくキレイに仕上がります。塗料が乾燥した後は、クリアーを吹き付けますが、塗装方法は塗料と同じで2~3回に分けて重ね塗りします。

重ね塗りの間隔は概ね10~20分程度ですが、メーカーによって違いがありますので、説明書をよく確認しましょう。

クリアー塗装が完全乾燥したら、最後に鏡面仕上げ用のコンパウンドで表面を磨くと、よりキレイに仕上がりますので、余裕がありましたら試してみてください。

【ローラー塗装の場合】

ローラー塗装の場合も、2~3回程度重ね塗りをすることで、塗装ムラを無くし、色が均一に仕上がります。ローラー塗装は、ツヤがないマットな仕上がりを目的としているので、仕上げにクリアー塗装する必要はありません。

【塗装後の注意点】

車の内装は人が乗り降りする空間のため、体の一部や衣服が塗装後の部分に触れてしまい、色移りしてしまう可能性があります。

クリアー塗装していれば、色移りのリスクは少ないですが、クリアー塗装していない場合は、塗装後も塗料がむき出しの状態ですので色移りがしやすくなります。

特に、色移りする一番の原因は塗装の乾燥不足ですので、焦らずにしっかり乾燥させることが重要です。もし選択した塗料に色移りの心配があれば、塗装を実施する前に別の場所でテストスプレーを実施し、色移りのリスクがないか確認しましょう。

こんな人にDIYがおすすめ

ここまで、DIYの方法を解説してきましたが、これからする説明に該当する人には特にDIYがおすすめです。もし該当しなくても、DIYに挑戦すること自体は全く問題ありませんが、検討の材料として読んでみてください。

費用を抑えたい人

特に、DIYをおすすめしたい人はコストを抑えたい人です。先にも触れましたが、業者に依頼すると工賃が発生してしまいますので、塗装範囲に関わらず数万円から数十万円かかる可能性があります。

しかし、DIYであれば材料費と道具代だけで済むため、コストを大幅に抑えることが可能です。「あまり費用は掛けられないけど、内装塗装は実施したい」という方は、DIYを検討してみてください。

内装の取り外しが苦ではない人

内装塗装は、外装と比べて内装部品の取り外しが必要となり、ある程度知識と技術が必要です。内装パーツの取り外しに初めて挑戦する方は、上手く取り外せない可能性が高いので、時間がかかってしまいます。

慣れている方でも、取り外しが難しい車種もありますので、部品を取り外す作業が苦にならない方は、DIYに向いていると言えるでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
車の内装塗装は、傷ついた部分を補修したり、自分好みに内装をカスタマイズするための有効な方法です。内装塗装が上手くいけば、自分の愛車により愛着を持てるでしょう。

しかし、車の内装には、色々な素材が使用されているため、塗装できる箇所を見極める必要がありますし、外装に比べて湾曲している箇所も多いので、塗装が難しい部分もあります。

メリット、デメリットを踏まえて内装塗装を実施するか検討してみてください。


塗装用具・各種塗料を豊富にラインナップ!