
蓄光塗料の寿命と発光時間はどのくらい?種類や特徴についても解説
蓄光塗料は光を吸収して暗闇で発光する特殊な塗料です。非常時用や装飾品用として、幅広い用途に使用されていますが、
「蓄光塗料の寿命はどのくらい?」「どれくらいの時間発光するの?」
といったような疑問を持つ方もいらっしゃると思います。
この記事では、蓄光塗料の仕組みや寿命、発光時間について解説していきます。合わせて、蓄光塗料の種類、発光色、選び方についても説明しますので、蓄光塗料の使用を検討している方の役に立つはずです。ぜひ最後まで読んでみてください。
目次
1.蓄光塗料とは
1-1:蓄光塗料が発行する仕組み
1-2:蓄光塗料の用途
2.蓄光塗料の種類
2-1:硫化物系
2-2:酸化物系
3.蓄光塗料の発光色の紹介
3-1:グリーン
3-2:ブルー
3-3:オレンジ
3-:4レッド
4.【種類別】蓄光塗料の寿命と発光時間
4-1:硫化物系の寿命と発光時間
4-2:酸化物系の寿命と発光時間
5.蓄光塗料の選び方
5-1:寿命を重視するなら酸化物系がおすすめ
5-2:発光時間を重視するなら酸化物系がおすすめ
5-3:コストを重視するなら硫化物系がおすすめ
6.まとめ
蓄光塗料とは
ここでは、蓄光塗料が発光する仕組みや、用途について解説していきます。
蓄光塗料の概要を理解して頂けると嬉しいです。
蓄光塗料が発光する仕組み
蓄光塗料は、暗闇になると発光する特殊な塗料です。日中の光を蓄光塗料に含まれる成分が吸収し、エネルギーとして蓄えます。紫外線が最も効率よく吸収されますが、蛍光灯の光でも吸収可能です。
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以前、ケイムラ塗料についてご紹介いたしましたが、ケイムラ塗料は紫外線やブラックライトを当てることで発行するもので、蓄光塗料との違いは、蓄光することができません。
蓄光塗料は、暗闇になると蓄えたエネルギーを徐々に放出し、自ら発光します。この性質を利用して、ルアーなどに塗装すると夜釣りなどでを目立たせることできます。
ただし、蓄光塗料に含まれる素材や塗り重ね度や発光色の違いによって、発光時間は異なりますので注意が必要です。
蓄光塗料の用途
蓄光塗料は、電気がなくても発光してくれる便利な塗料ですので、様々な分野に利用されています。
- 防災用品(避難誘導標識や非常口サインなど)
- 釣り具(ルアー)
- 装飾品(アクセサリー、時計など)
- 産業用(安全マークや工事設備の表示など)
電気のない暗闇では道しるべが必要なため、防災用品や産業用の表示によく利用されています。
また、ルアーに使用される理由は、夜釣りや深海釣りの際に、視認性をあげることで、魚に見つけてもらう可能性を上げるために使用します。
蓄光塗料の種類
蓄光塗料の種類はいくつかありますが、よく利用されるものとして、硫酸化物系と酸化物系の2種類があります。それぞれの特徴を解説していきますので、選択の判断材料にしてみてください。
硫化物系
硫化物系の蓄光塗料には、主成分として硫化亜鉛が使用されています。現在では、酸化物系の方が主流ですが、コストパフォーマンスに優れているので、硫化物系も需要があります。
しかし、発光時間は最大でも1時間程度と短めで、蓄光塗料としての寿命も短いです。発光時の明るさも酸化物系と比べると劣りますので、安価なのはメリットですが、性能面でデメリットも多いです。
酸化物系
酸化物系の蓄光塗料には、主成分としてアルミン酸ストロンチウムが含まれています。
近年、特に主流なのがこの酸化物系の蓄光塗料で、硫化物系の蓄光塗料と比べると寿命が長く、長時間の発光も可能なため、幅広い分野で利用されています。
特に、防災用品への利用に適していて、暗闇での目印として活躍が期待されてる種類です。コストは硫化物系と比べると高価なのがデメリットですが、魅力も多いのが酸化物系です。
蓄光塗料の発光色の紹介
Zestでは、4色(グリーン、ブルー、オレンジ、レッド)の蓄光塗料を取り扱っています。塗料としての販売ではなく、蓄光粉(粉末)での販売となりますので、様々なものに配合可能で用途に応じた使い分けが出来ます。
グリーン
グリーンは蓄光塗料の中で、最も使用されている発光色です。実験した結果が一番長い発光時間でした。視認性も高かく発光時間も長いので、防災用品や標識などによく使用されているカラーです。
また、ルアーにもよく使用されていて夜釣りや深海釣りに重宝されています。
ブルー
発光時間はグリーンより劣りますが、自然な印象を持たせてくれるのがブルーの発光色です。デザイン性を高めるために、プラモデルや装飾品に使用されたり、グリーンと同様にルアーにも使われます。
オレンジ
柔らかい色合いで、視認性と装飾性も兼ね備えています。
インテリアや装飾品に使用される事が多いです。
レッド
とても目立つ色合いですが、発光力はグリーンやブルーに比べて劣り、発光時間も短いのが欠点です。アピールカラーとしてルアーに使用されることが多いです。
【種類別】蓄光塗料の寿命と発光時間
蓄光塗料の寿命と発光時間について解説します。蓄光塗料の発光効果は、塗料が剥がれない限り効力は持続しますが、塗料は樹脂なども含まれており、劣化は避けられません。
硫化物系と酸化物系で寿命と発光時間が異なりますので、それぞれ説明していきます。
硫化物系の寿命と発光時間
硫化物系の寿命と発光時間の目安は以下の通りです。
- 寿命:約3~5年
- 発光時間:5分~1時間程度
※塗料に含まれる樹脂(ウレタンやアクリルなど)によっても寿命は変わります。
※発光色によって発光時間や発光力は異なりますので、あくまで目安としてご覧ください。
ちょっとしたDIYに使用したり、試しに利用する分には良いですが、長期間に渡って効果を持続させたい方には不向きです。
また、硫化物系は紫外線や湿度に影響を受けやすいので、屋外で使用すると寿命は短くなりますので、あまりおすすめできません。
酸化物系の寿命と発光時間
酸化物系の寿命と発光時間の目安は以下の通りです。
- 寿命:10~15年
- 発光時間:1~4時間
※塗料に含まれる樹脂(ウレタンやアクリルなど)によっても寿命は変わります。
※発光色によって発光時間や発光力は異なりますので、あくまで目安としてご覧ください。
酸化物系の蓄光塗料は、塗料の寿命が長く、発光色によりますが、発光時間も非常に長いです。
紫外線や湿度の影響を受けにくいので、屋外での使用もできます。
蓄光塗料の選び方
硫化物系と酸化物系の蓄光塗料の特徴を踏まえて、どちらの種類がおすすめかを解説します。状況や用途によって、選択する種類が変わりますので、自分の状況に応じて選択してください。
寿命を重視するなら酸化物系がおすすめ
寿命を重視するなら、酸化物系がおすすめです。酸化物系の寿命は、10〜15年ですので長期間に渡って蓄光塗料の効果を維持したい方は、酸化物系を選択した方がいいでしょう。
また、屋外でも使用可能ですので、幅広い用途で使用可能です。
発光時間を重視するなら酸化物系がおすすめ
発光時間を重視するなら、酸化物系がおすすめです。酸化物系の発光時間は最大4時間程度であるため、暗闇で長時間使用する場合は、酸化物系を選択した方がいいでしょう。
特に、非常時用や道しるべとして蓄光塗料の使用を検討している方におすすめです。
コストを重視するなら硫化物系がおすすめ
蓄光塗料は利用したいが、コストを抑えたい場合は、硫化物系がおすすめです。寿命、発光時間はともに酸化物系に劣りますが、コストパフォーマンスは硫化物系が優れています。
一時的に蓄光塗料を使用したい場合や、お試しで塗装を検討している方は硫化物系の利用を検討しましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
この記事では、蓄光塗料の仕組みや寿命、発光時間について解説してきました。
蓄光塗料は、光を吸収してエネルギーを蓄え、暗闇になるとエネルギーを放出して発光する便利な塗料です。防災用品や装飾品、釣り具のルアーまで幅広く活用されています。
蓄光塗料の主流は、硫化物系(硫化亜鉛)と酸化物系(アルミン酸ストロンチウム)の2種類で、それぞれ寿命、発光時間、コストが異なります。
硫化物系はコストパフォーマンスに優れ、酸化物系は寿命、発光時間に優れているのが特徴です。自分の状況にあわせて、目的にあった蓄光塗料を選択してみてください。