塗装の垂れの原因と補修する方法について解説します!


塗装は繊細な作業で、気づけば塗料が垂れてしまっていたなんてことが多いのではないでしょうか?
原因は複数考えられますが、塗料の粘度や塗りすぎ、乾燥不足や作業環境の温度変化などです。

万が一、塗装垂れてしまった場合でも、適切な塗装方法を知っていれば美しい仕上がりに戻すこともできます。

この記事では、車などの塗装に垂れが出た時のリカバリーや垂れの原因について解説していきます。塗装を補修する時の気をつけるべき点などについても触れているので、ぜひ参考にしてみてください。

目次

1.塗装が垂れてしまう原因は?
 1-1:塗料を大量に塗布してしまう
 1-2:作業環境の急激な温度変化
2.【補修方法】塗装垂れの補修方法と注意点について
 2-1:基本的には、塗料を落として再塗装する
 2-2:部分補修|カッターの刃で垂れた塗装を削る
 2-3:部分補修|サンドペーパーで垂れた塗装を削る
 2-4:大きな補修|パテを使用して凹凸を埋め再塗装する
3.垂れを防ぐ方法|スプレー塗装時の注意点
 Point1:近づすぎない距離から噴霧する
 Point2:一度に塗りすぎない
 Point3:噴射始めと終わりに注意する
4.塗装垂れは一気に直そうとしないこと
5.まとめ

塗装が垂れてしまう原因は?

塗装を行う場合に、注意して作業していても塗装垂れが発生してしまうことがあります。
原因として考えられることは次の3点です。

塗料を大量に塗布してしまう

美しく仕上げたい気持ちから、垂れるギリギリまで塗料を塗ってしまったことで、塗料が垂れてしまったというケースがあります。

特に、スプレー塗装では、塗料が垂れるぐらいが一番艶が出るので、ついつい多く塗ってしまいがちですが、艶が出ても塗料が垂れてしまうと台無しです。

垂れを防ぐためにも、薄く重ね塗りで塗装膜に厚みを出し艶を出すようにしましょう。時間がかかってしまいますが、美しい仕上がりを実現するためにとても大切です。

作業環境の急激な温度変化

塗装環境の温度変化は、塗料の乾燥速度に大きな影響を与えます。温度が上昇すると乾燥速度が速くなり、逆に温度が低下すると乾燥速度が遅くなります。塗装中の乾燥速度が不均一になると、塗料が垂れてしまう可能性が高くなります。

塗装垂れを防ぐためには、室温を一定に保ち、室温20℃~25℃がベスト
風通しの良い場所で作業することが重要です。乾燥時間は、塗料の種類や環境によって異なるため、説明書を確認してください。

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【補修方法】塗装垂れの補修方法と注意点について

塗装が垂れてしまった場合の補修方法は、再塗装です。
しかし、塗装面の大きさに比べて垂れた部分が少ない場合や時間がない場合などには、部分的に補修することも可能です。その方法と注意点について解説します。

基本には、塗料を落として再塗装する

塗料の垂れが大きい場合や、複数の箇所にある場合には塗料を落とし再塗装するのがおすすめです。再塗装であれば部分的な塗り直しにより色の違いが生じにくく、綺麗な仕上がりにすることができます。

一方で、時間と費用がかかるというデメリットもあるため、再塗装を行う必要がある補修範囲なのか検討が必要です。

部分補修|カッターの刃で垂れた塗装を削る

小さな垂れや曲面など、繊細な部分の補修にはカッターの刃で部分的に削りとる補修が適しています。
または、木っ端などに水ペーパーを巻き付けて垂れた部分だけを削り取る方法などもあります。

比較的小さな垂れや、表面に薄く伸びた垂れは、塗料が乾燥する前に重力によって垂れてしまうことで発生します。まず、カッターの刃で補修が必要な箇所を削りとります。

カッターの刃を使用する際には、新しい刃を使用すること、そして垂れた部分を水平に保ち、周囲の塗膜を傷つけないように注意深く作業します。曲面の垂れなど、角度を変えながら削ってみましょう。

広範囲にわたり垂れている場合、深く沈み込んでしまった垂れの場合は、カッター刃での補修は適していませんので避けた方法よいでしょう。
木っ端などを使う方法も同様、湾曲している部分があれば木っ端自体を湾曲に削り曲面に合わせて削り取ること綺麗にタレが研磨できます。

部分補修|サンドペーパーで垂れた塗装を削る

サンドペーパーでの補修を検討すべき垂れは、塗料が乾燥、硬化してしまっているものの、表面に均等ぎみに拡大したような垂れです。

この類の垂れは、サンドペーパーを使うことにより、垂れた部分を滑らかにできます。まず粗目のサンドペーパー(800番程度)を使用して垂れた部分を削り取り、その後、より細かいサンドペーパー(1500番や2000番)で表面を滑らかに整えます。

最後には仕上げとして、コンパウンドなどの研磨剤を使って仕上げることで、元の塗装面と違和感ない程度に完成することができます。

大きな補修|パテを使用して凹凸を埋め再塗装する

大きな垂れの場合で、垂れを削り取った後に薄くなった部分にパテを使用して表面を平らに整える必要がある場合があります。

パテを使用しなければ、表面が不規則に波打ってしまったいるため、パテを使うことにより、均一な塗装に整えることができません。

薄い箇所を保護したり、広範囲の凸凹を埋めるのに役立ちのでぜひ活用してみてください。但しパテを使用した場合には、再塗装は必須となります。

垂れを防ぐ方法|スプレー塗装時の注意点

塗装の垂れは、スプレー塗装の段階でも予防することができます。
以下では、塗装時における重要なポイントについて解説していきます。

Point1:近すぎない距離から噴霧する

スプレーガンと塗装面の距離が近すぎると、塗料が厚く付きすぎてしまいます。適切な距離は、約10cm〜20cmです。遠すぎると塗料が飛散しすぎてしまい、近すぎると厚塗りになってしまうため、適切な距離を保つことが求められます。
エアブラシの場合は約1㎝~3㎝です。

そのためには、まず少し離れた距離からスプレーを始め、徐々に塗装面に近づけていくこと方法がやりやすいです。スプレーガンは体全体を使って動かし、慣れてきたら感覚で距離を調整するようにします。
その他、ダンボールやや広告紙の裏面で試してから本番塗装して行くといでしょう。

Point2:一度に塗すぎない

一度に厚塗りしすぎると塗料が垂れて乾燥不足に繋がるため、1回で塗る量を薄くし、塗り重ねる回数を増やすことで綺麗に仕上げることが重要です。
その時に重要なのは、スプレーガンの調整つまみの位置を把握しておくこと
塗料調整つまみ・パターン調整つまみ・エア圧つまみを一番搾った状態から何回転開いて吹いたのかを覚えておきましょう。
次回吹き重ねる時の参考になります。

各回の塗布後は十分に乾燥させる必要があり、乾燥機などを利用すると乾燥時間を短縮できます。重ね塗りのコツとして、全体を軽く塗った後に少しずつ塗り重ねていき、塗料が乾ききる前に次の塗り重ねを始めるとムラになりやすいです。

特に光沢塗料の場合は、重ね塗りに注意を払い、種類や粘度によって重ね塗りの回数を調整し塗ることがおすすめです。

Point3:噴射始めと終わりに注意する

スプレーガンを使った塗装では、ボタンの押し始めと終わりには噴射口を塗装面に向けないことが重要です。塗料の小さな塊が残っている可能性があり、ムラや垂れの原因となるためです。

操作方法は、塗装面の横に狙いを定めてボタンを押し、ボタンを押してからスプレーガンを動かして塗装面全体に塗料を吹き付けます。

塗装面の端まで塗料が届いたら、ボタンを離しながらスプレーガンを動かして余分な塗料を飛ばし、完全に塗装面から離してボタンを離します。
スプレーガンの吹き方についてはYouTubeで紹介していますので参考になさってください。
https://youtu.be/Sns_Zbu8gbo?si=NgOP6RstKj4mb3u2

塗装垂れは一気に直そうとしないこと

塗装の垂れを発見した場合、焦って一気に直そうとすると、かえって悪化させてしまう可能性があります。吹いている際にタレを見つけた場合は拭き取ったり、洗浄し塗膜をふき取るのではなく一度乾燥させてしまいましょう。
乾燥させた後に先に述べた方法でタレを削っていきましょう。

これまで記載したように、垂れの種類や程度、垂れの発生している範囲などにより適切な補修方法は異なります。

落ち着いて、垂れの原因を特定するとともに、どの補修方法が最も適切か検討しましょう。そして、補修に取り掛かった場合には、基本的な手順に沿って段階を追って行うことが重要です。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
この記事は、車などの塗装に垂れが出た時のリカバリーや垂れの原因について解説してきました。

塗装の垂れの原因としては、塗料の粘度が低いこと、塗りすぎ、乾燥不足、気温の変化が挙げられます。垂れの種類や状況により、適した補修方法も異なるため、この記事を参考に適した補修方法を選択してみてください。

ポイントは、焦らずに丁寧に作業し、1回に塗る量を少なめに、乾燥時間を十分に取り、作業前に十分に練習しておくことです。


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