【DIY】ソリッド塗装とは?メタリック塗装とパール塗装の違いは?


「ソリッド塗装ってどんな特徴があるの?メタリック塗装とは何が違うの?」
「DIYで塗装してみたいけど、失敗せずに仕上げるコツが知りたい」

ソリッド塗装は、ベースカラーの発色が鮮やかで独特の魅力がある一方で、メタリック塗装やパール塗装との違いや塗装前の注意点など知らないことも多いのではないでしょうか?

この記事では、ソリッド塗装の塗膜構成からをDIYで施工する際に知っておくべきポイントを解説します。綺麗に仕上げるための準備や、失敗しないコツ、仕上げ後のメンテナンス方法まで詳しく紹介するので、ぜひ最後までご覧ください!

目次

1.ソリッド塗装とは?知っておくべき基本知識
 ソリッド塗装の特徴と魅力
 ソリッド塗装の種類 ワンコートvsクリアコートの違い
2.【塗膜構造の比較】メタリック塗装・パール塗装との違いは?
 メタリック塗装の塗膜構成と特徴
 パール塗装の塗膜構成と特徴
3.【DIYのポイント】ソリッド塗装を成功させる方法
4.失敗しないためのソリッド塗装3つのポイント
5.まとめ

ソリッド塗装とは?知っておくべき基本知識

「ソリッド塗装はシンプルな仕組みと聞くけれど、何が特徴なのか?」
そんな疑問を持つDIY初心者でも理解しやすいよう、ソリッド塗装の基本構造と仕上がりの魅力を解説します。

ソリッド塗装の特徴と魅力

ソリッド塗装とは、金属粉やパールを含まない単一色の塗装方法を指します。
塗料そのものの鮮やかさをストレートに表現できるのが大きな魅力で、クラシックカーやカスタムカーに人気があります。

また、複雑な層がないため、塗装の部分補修が比較的容易でDIYにも向いています。

ソリッド塗装の塗装膜は主に以下の3層から成り立ちます。

機能
3.クリアコート(オプション)トップコートによってマットや艶ありなど高級感を
演出することができる。
入れることによってベースカラーの耐久性や塗膜保護が向上
2.カラーベース(顔料層)ソリッド塗装ではこの層が発色を左右する重要な部分
1.下地(サフェーサー)金属や樹脂への密着性や防錆効果を高めるための層

ソリッド塗装は、発色が良いぶん塗りムラが目立ちやすく注意が必要ですが、塗り重ねや研磨で修正しやすく、仕上がりのイメージを比較的コントロールしやすいのもポイントです。

ソリッド塗装の種類 ワンコートvsクリアコートの違い

ソリッド塗装には、「ワンコートタイプ」と「クリアコートタイプ」の2種類があります。

ワンコートタイプ(クリアなし)
カラーベースのみで仕上げるため、自然な風合いが得られますが高級感や塗膜保護は得られません
ビンテージな雰囲気を求める車種にはフタル酸系の一液性エナメルぴったりですが、耐久性や色持ちはクリアコートに比べて耐候性が劣るため、定期的なワックスやコーティングで保護する必要があります。
塗り直しはシンプルなので、DIYでの部分補修も比較的容易です。

クリアコートタイプ(クリアあり)
カラーベースの上からクリア層を重ねるので、光沢や色の深みが増し、紫外線や酸性雨による色あせが抑えられます。
特に白などの褪色しやすいカラーにはクリア層が有効です。
ただし、補修の際にはクリア層も含めて再度塗装する必要があるため、ワンコートタイプより手間がかかる場合があります。

【塗膜構造の比較】メタリック塗装・パール塗装との違いは?

「ソリッド、メタリック、パールの塗装は何が違うの?」

ここでは、そんな悩みを解消するために、それぞれの塗膜構造や仕上がりの特徴を比較します。

メタリック塗装の塗膜構成と特徴

メタリック塗装は、アルミ粉(メタリック顔料)をカラーベースに含むことで、光を反射しキラキラと輝く効果を生み出します。
この特性により、車体が立体的に見え、光の当たり方によって色味が変化したり高級感を演出できるのが特徴です。

メタリック塗装の一般的な塗膜構成は以下の通りです。

機能
3.クリアコートメタリックをより奥行きのある高級感あふれる演出が可能になり、耐光性や黄変を防ぐ
2.メタリックベース
(カラーベース+アルミ粉)
色を決める顔料層で、メタリック特有の輝きを持つ。
1.プライマー・サフェーサー(下地)素材との密着性や防錆効果や凸凹などを抑える

メタリック塗装は高級感やスポーティな印象を与えるため、多くの市販車で採用されています。
しかし、傷がついた場合の補修が難しいというデメリットもあります。

アルミ粉の向きや分布にムラが出やすく、部分補修をしても周囲と色が合わないことがあるため、DIY補修は高度な技術を要します。

また、メタリック塗装は光を強く反射するため汚れや小傷が比較的目立ちにくいという利点があります。

パール塗装の塗膜構成と特徴

パール塗装は、メタリック塗装のアルミ粉とは異なり、雲母(マイカ)やセラミック顔料を使用することで、より上品で深みのある光沢を生み出します。

パール塗装の一般的な塗膜構成は以下の通りです。

機能
クリアコートパールをより奥行きのある高級感のある上品な仕上がりを演出できる。耐候性・黄変を防ぐ
2.カラーベース
(顔料層+パール顔料)2コート
色味を決定し、パール特有のしっとりとした奥行きのある光沢を生む。
1.プライマー・サフェーサー(下地)ツヤと耐久性を高め、パールの輝きを保護する。

パール塗装の最大の特徴は、ぱっと見は普通の色に見えますが、角度や光の加減によって色味が変化することです。
これにより、単色のソリッド塗装やキラキラと輝くメタリック塗装とは異なる、柔らかい品のある発色と奥行きのある光沢が得られます。

ただし、パール塗装は2コートとなるため塗装厚によってはパールが波打つことがあり、施工難易度が高いというデメリットがあります。
特にDIYでの施工や部分補修は難しく、色の調整がシビアなため、プロの技術が必要になることが多いです。

また、パール塗装は傷や汚れが目立ちにくい反面、再塗装や部分塗装が難しいという点にも注意が必要です。

【DIYのポイント】ソリッド塗装を成功させる方法

「ソリッド塗装はシンプルと言われるけれど、実際の工程は?」
そんな疑問を持つ方のために、ソリッド塗装ならではの施工手順とポイントを解説します。
初心者が意識すべき注意点を押さえて、より美しい仕上がりを目指しましょう。

ソリッド塗装の塗膜構成をもとにした施工手順のポイント

ソリッド塗装は発色を直に楽しむため、顔料層の吹きムラや仕上げの精度が最終結果を大きく左右します。
下地処理や塗装環境(ホコリや湿度、温度など)を整えておくことが重要です。

①ワンコート(クリアなし)仕上げのコツ

クリアがない場合、顔料層が外気に直接さらされるため、塗膜の厚みや均一性が重要です。
吹きムラや乾燥不良は発色不良を招くので、以下を意識しましょう。

  • 塗膜厚を一定に:走行時や洗車時のダメージを防ぎ、色ムラ、つやムラを抑える
  • 乾燥後の色味を想定:塗装直後は、艶があるが乾燥とともに発色や艶が落ち着く
  • 色あせ対策:白や明るめの色などの黄変しやすい色は、コーティングやワックスで保護する

②クリアあり仕上げの注意点

トップコートを重ねることで、ツヤや対候性がアップします。
ただし、厚塗りによるムラを防ぐため、以下を守りましょう。

  • クリアは2~3回に分けて塗布:一度に厚く塗るとタレやホコリ付着の原因になる
  • 適度な厚み:過度に重ねるとタレたり、ソリッド特有のしっとり感が無くなる
  • 仕上げ磨き:表面を均一に整え、光沢と発色を最大限に引き出す

ソリッド塗装はシンプルだからこそ、均一な塗りと丁寧な仕上げが仕上がりを左右します。
ワンコートでは鮮やかな発色を活かし、クリアありでは透明層を丁寧に塗ることで、美しいソリッドカラーの魅力を引き出すことができます。

失敗しないためのソリッド塗装3つのポイント

「ソリッド塗装はメタリックより手軽って聞くけど、本当?」

実は注意すべきポイントがいくつかあります。

本章では、クリアなしでの仕上がり、色褪せや傷対策、適切な保管方法、メンテナンスの重要性を紹介します。

クリアなしでも仕上げられる?ソリッド塗装の耐久性と仕上がり

クリアコートを使わないソリッド塗装は、顔料の色合いを直接楽しめる反面、保護層がないぶん劣化や変色、摩耗が起こりやすいのが特徴です。

塗装時は気温や湿度、溶剤の希釈度合いなどが重要となるため、塗料の取り扱いを理解しなるべく安定した状態で塗り重ねると発色が均一になりやすくなります。

初心者のうちは、一度に厚塗りせず少しずつ重ねる方法が失敗を防ぎやすいでしょう。
また、乾燥には十分な時間をかけると、最終的な光沢と耐久性を向上させることができます。

色褪せ・傷・汚れのリスク ソリッド塗装の弱点を知る

ソリッド塗装は、鳥の糞や花粉、酸性雨などの外的要因によるダメージが生じやすい傾向があります。
特に虫の付着は化学反応で塗装面を浸食することがあるため、早めの水洗いや拭き取りが大切になります。

その際、硬いブラシやスポンジを避け、柔らかい布や専用スポンジで優しく洗うことが重要です。万が一、小さな剥がれやひび割れを見つけた際には、塗装面の下に汚れや水分が入り込む前に再塗装を検討するほうが長持ちしやすくなります。

ソリッド塗装の色褪せや傷は早期対処が功を奏するため、こまめに状態をチェックするのが理想的です。

保管方法が仕上がりを左右する?屋内・屋外での管理の違い

屋外に駐車する場合、昼夜の気温差による塗膜の収縮や結露に注意が必要です。特に温度変化が激しい地域では、塗装面に負荷がかかり、ひび割れを起こしやすくなります。

また、紫外線や温度差、雨による影響が大きいため、ボディカバーをかけるといった対策が有効です。
しかし、カバーをかけたまま長期間放置すると湿気がこもり、塗装面にシミや劣化が発生することもあるため、定期的に空気を入れ替えるようにしましょう。

屋内に保管するときは、換気や湿度管理を行って水分がこもらないようにすると、塗膜が安定して色合いも維持しやすくなります。一定の温度と乾燥状態を保つことで、ソリッド塗装の美しさをより長く楽しむことができます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
この記事では、ソリッド塗装の塗膜構成からをDIYで施工する際に知っておくべきポイントを解説してきました。

ソリッド塗装は、シンプルだからこそ施工の腕が試される塗装です。しかし、適切な方法を知り、ポイントを押さえれば、DIYでも美しい発色と均一な仕上がりを実現することができます。

DIY塗装なら、自分のこだわりを反映しながら、愛車に最適な仕上げを施すことができます。この記事を参考に、自分だけの理想の仕上がりを追求してみてください。きっと、DIYならではの達成感と愛着が生まれるはずです。


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