ステイン塗料の使い方|クリア塗装を組み合わせて木材塗装する方法


木材の美しさを引き立てるためのステイン塗料。しかし、ステイン塗料だけでは木材の保護力が劣るため、解決策として、クリアー塗料を混合させる方法があります。

一口に、ステイン塗料とクリアー塗料を混合させると言っても、ステイン塗料とクリアー塗料にはそれぞれ種類があるため、どの塗料を組み合わせればいいのか分からない方も多いと思います。

この記事では、ステイン塗料とクリアー塗料を混合させることで得られるメリットや混合の手順、注意点を詳しく解説しています。

混合できるクリアー塗料についても説明しますので、この記事を読めば、あなたもステイン塗料とクリアー塗料を混合することができるようになり、木材に対する塗装技術の向上を図れます。ぜひ、最後まで読んでみてください。

目次

1.ステイン塗料とは|木材に着色ができる!
2.ステイン塗料をクリアーに混合し吹き付けるメリット

 2-1:【木材の保護】
 2-2:【色が均一な仕上がりになる】
3.ステイン塗料に混合可能な代表的なクリアー塗料
 3-1:ラッカークリアー塗料
 3-2:1液ウレタンクリアー塗料
 3-3:2液ウレタンクリアー塗料
4.【混合手順】ステイン塗料とクリアー塗料の混合方法は?
5.ステイン塗料とクリアー塗料を混合する際の注意点
 5-1:全てのステイン塗料がクリアー塗料と混合できるわけではない
 5-2:使用するステイン塗料は水性、油性どちらに混合可能か確認する
 5-3:ステイン塗料とクリアー塗料を混合した後は必ずテストスプレーする
6.まとめ

ステイン塗料とは|木材に着色ができる!

まずは、ステイン塗料について説明していきます。

ステイン塗料は木材を着色するための塗料で、木材の内部に浸透していくため、木目や木材の質感を残したまま着色が可能な塗料です。

ゼストのキャンディーカラー・スティン塗料(全11色)

水性と油性があり、水性は塗料の希釈の際に水を用いるので、初心者でも取り扱いやすく、油性は水性と比べると、木材の深部にまで塗料が染み込んでくれるので、木材の防腐、防虫力が高いのが特徴です。

ステイン塗料は木材塗装に適しており、木材の質感や風合いを残したい方にはおすすめです。

ステイン塗料をクリアーに混合し吹き付けるメリット

ステイン塗料は、樹脂系のあるラッカ・ウレタン系のクリヤー塗料に混合して吹き付けることで、様々なメリットをもたらしてくれます。

【木材の保護】

スティン塗料をクリアー塗料と混合することで、着色と同時に木材の表面を保護できるのが大きなメリットです。木材の表面に塗膜が形成されるので、傷や汚れに強くなり、耐久力が向上します。

【色が均一な仕上がりになる】

ステイン塗料のみを塗装する時と比べて、色が均一になりやすく、クリアー塗料の特性の透明感ある仕上がりが可能になります。さらに、ブリード(にじみ)を起こしにくくなるので、ステイン塗料とクリアー塗料の混合にはメリットが多いです。

ステイン塗料に混合可能な代表的なクリアー塗料

出典:写真AC

ステイン塗料と混合できるクリアー塗料は主に3種類あり、それぞれ特性が違います。順番に特性を解説していきますので、どの塗料を使用するかは用途に応じて決めてください。

塗料の種類耐久性保護性能乾燥時間利便性
ラッカクリアー塗料
1液ウレタンクリアー塗料⚪︎⚪︎
2液ウレタンクリアー塗料✖️

ラッカークリアー塗料

1つ目の塗料は、ラッカークリアー塗料です。ラッカークリアー塗料は、乾燥が早く、作業時間の短縮を図れます。木材の表面に塗膜も形成できるので木材の保護もできますが、これから説明するウレタンクリアー塗料と比べると耐久力や耐候性は劣ります。

耐久力や耐候性は劣りますが、作業効率を重視したい方は検討の余地があるクリアー塗料です。

1液ウレタンクリアー塗料

2つ目の塗料は、1液ウレタンクリアー塗料です。1液ウレタンクリアーは、最初からクリアー塗料の中に硬化剤が含まれているので、使い勝手のいいクリアー塗料です。

ラッカークリアー塗料と比べても耐久性や耐候性に優れていますが、2液ウレタンクリアー塗料よりは劣ります。使い勝手と木材の保護を重視したいのであれば、1液ウレタンクリアー塗料を選択すると良いでしょう。

2液ウレタンクリアー塗料

3つ目の塗料は、2液ウレタンクリアー塗料です。2液ウレタンクリアー塗料は、塗料とは別に硬化剤を用意する必要があり、硬化剤とクリアー塗料を混合することで、塗料を硬化させて塗膜を形成します。

3つの塗料の中で1番耐久性や耐候性に優れており、屋外の塗装にも使用可能です。しかし、硬化剤を混合する工程が増えるため、塗装の難易度もあがってしまうのが欠点です。

塗装の難易度はあがってしまいますが、特に耐久性、耐候性を重視したい方は、2液ウレタンクリアー塗料の使用を検討してみてください。

【混合手順】ステイン塗料とクリアー塗料の混合方法は?

ステイン塗料とクリアー塗料の混合手順を説明していきます。この手順を参考にして、正確な塗料の作成を目指してください。

Step1:塗料の準備

ステイン塗料とクリアー塗料、必要に応じて希釈剤(水又はシンナー)を用意します。2液ウレタンクリアーを使用する場合は硬化剤も必要です。塗料は成分が均一になるように、予めよく混ぜておきましょう。

Step2:混合比を確認

ステイン塗料とクリアー塗料の混合比を確認します。混合比を間違えてしまうと仕上がりに影響がでますので、必ずメーカーごとの説明書で確認が必要です。

木製品の場合全体調合量の3%未満
ルアーや金属に塗装する場合全体調合量の50%未満
スティンを下地剤・フラット・クリアーなどに混合する場合

Step3:混合作業

計量カップなどを使用して正確な比率で塗料を混合します。クリアー塗料を必要に応じて希釈したら、ステイン塗料とクリアー塗料を混合し、塗料を完成させます。

2液ウレタンクリアーとステイン塗料を混合する場合は、先に2液ウレタンクリアーと硬化剤を混ぜておく必要がありますので注意してください。2液ウレタンクリアーと硬化剤にも混合比がありますので、説明書で確認しておきましょう。

Step4:テストスプレー

ステイン塗料とクリアー塗料の混合が完了したら、テストスプレーしてください。テストスプレーが必要な理由は後述します。

ステイン塗料とクリアー塗料を混合する際の注意点

ここまで、ステイン塗料とクリアー塗料のメリットや混合手順を解説してきましたが、注意点が3点あります。注意点も理解したうえで、ステインとクリアーの混合塗料を使用するか検討してみてください。

全てのステイン塗料がクリアー塗料と混合できるわけではない

まずは、全てのステイン塗料がクリアー塗料と混合可能なわけではないことについて説明していきます。

メーカーによって、ステイン塗料をクリアー塗料と混合できないタイプがあり、もしクリアー塗料と混合してしまうと成分が変わってしまい、ステイン塗料が使用できなくなる可能性があります。

同じメーカーの色違いのステイン塗料であれば、混合することが可能な塗料もありますが、成分の違う塗料を混合することを推奨していない場合もあるので、各メーカーの仕様書や説明書をよく読んでから塗装するようにしてください。

使用するステイン塗料は水性、油性どちらに混合可能か確認する

ステイン塗料やクリアー塗料には水性、油性に分類されるため、ステイン塗料が水性なら、クリアー塗料も水性にする必要があります。

もし、水性ステイン塗料と油性クリアー塗料を混合してしまうと、成分が分離してしまい、混合に失敗してしまう可能性が高いです。

ステイン塗料とクリアー塗料を混合する際は、必ず水性か油性かを確認するようにしましょう。

ステイン塗料とクリアー塗料を混合した後は必ずテストスプレーする

最後の注意点は、ステイン塗装とクリアー塗装を混合した後は、必ずテストスプレーするということです。

説明書通りに塗料を混合したとしても、その日の気温や湿度で塗料の状態が変わってしまいます。

テストスプレーをせずに、いきなり塗装を始めてしまうと、想像していた仕上がりとは違ったものになる可能性もありますし、耐久性や耐候性にも影響が出ます。

テストスプレーを実施できるように、不要な木材などを用意するか、目立たない部分でテストスプレーを実施するようにしましょう。

まとめ|

いかがでしたでしょうか?
ステイン塗料はクリアー塗料と混合させることで、木材の着色と保護を同時に行うことができ、それぞれの特性を活かせるようになります。

ゼストでは、ステイン塗料に混合できるクリアー塗料は以下の種類を販売しております。

ゼストのキャンディーカラー・スティン塗料(全11色)

ステイン塗料を混合せずに塗装する場合に比べて、工程が増えるので難易度も上がりますが、説明書や仕様書を確認して、正しい混合比で塗料を混ぜれば納得のいく仕上がりになるはずです。

テストスプレーも忘れずに実施して、理想的な木材塗装を目指してみてください。


塗装用具・各種塗料を豊富にラインナップ!