木材の表面をコーティングで守る|表面加工の種類と塗料の選び方


木材の表面へのコーティングは美観の向上や、耐久性の向上に非常に役に立ちますが、
「何を使えば木材の保護が出来るか分からない」
「そもそもどんな塗料があるのか分からない」

といったように、初心者の方は何を選ぶのが最適なのか分からない方も多いと思います。

この記事では、コーティングの重要性や塗料種類、木材表面の加工方法について解説します。この記事を読めば、あなたにとっての最適な木材とコーティング用の塗料の重要性や種類、状況に合わせた塗料の選び方が分かるようになりますので、ぜひ読んでみてください。

目次

1.木材の表面のコーティングの重要性とは?
 理由1:木材表面を保護できる
 理由2:美観が向上する
 理由3:防腐、防虫などの機能の追加
2.木材の表面をコーティングする前にすること
3.木材表面のコーティングする塗料は水性と油性がある!

4.木目を出したい場合は、浸透タイプの塗料がおすすめ!
 4-1:浸透タイプ
 4-2:造膜タイプ
5.木材表面のコーティングにおすすめ塗料をご紹介
 5-1:ステイン・キャンディーカラー
 5-2:水性・油性ニス
 5-3:ワックス
6.まとめ

木材の表面のコーティングの重要性とは?

木材表面のコーティングとは、木材の表面に専用の塗料を塗布することで見た目を向上させるために使用されます。

また、見た目を美しく仕上げるだけでなく、その他にも重要な意味があります。コーティングが必要な理由について、以下で詳しく解説していきます。

理由1:木材表面を保護できる

木材の表面をコーティングすることで、汚れや油、水分、傷などから木材を保護することができます。木材には、様々な要因で傷や汚れが付着することがあるためコーティング無しではすぐに痛んでしまいます。コーティングを施すことで、それらから守れるようになり、耐用年数を長くすることができます。

理由2:美観が向上する

コーティングすることで、木材をより魅力的にみせることが可能になります。

コーティングする塗料の種類によって木材の魅せ方は変わります。木目を生かす塗装を施すことで高級感を表現できたり、木目を強調することによって深みを与えたりと、より木材の個性を最大限引きだすことができます。

また、ツヤをだせる塗料を選択することで、高級無垢テーブルや高級スピーカー、エレキギターなど高級感を演出できるようになるのもメリットです。

理由3:防腐、防虫などの機能の追加

元々木材にはなかった防腐、防虫、防塵などの機能を追加して、木材を長持ちさせる効果もあります。

塗装していない木材だと、管理に手間がかかりますが、塗料によって機能を追加することでメンテナンスが非常に楽になるでしょう。

木材の表面をコーティングする前にすること

木材の表面にコーティングを行う前には、木材表面を平滑に仕上げる加工が必要となります。
表面の加工することで、木目の温もりや肌触り、見栄えが大きく異なるのとても重要な作業です。

木材表面の加工方法には、様々な種類があり、加工方法が違うと外観の見た目が大きく変わるので、重要な選択項目の一つです。

ここからは代表的な加工方法を紹介していきますので、参考にしてみてください。

①プレーナー(モルダー)仕上げ

プレーナー仕上げとは、素材のままだと表面がざらついた木材をプレーナー(モルダー)と呼ばれる機械で表面を平滑に整えます。木材の形状を整えて塗装をしやすくしたり、接着効果を高めたりする一般的な加工方法です。

木材を切り出した後に、販売用として整えるために使用されます。木材そのもの素材感を楽しみたい方やワイルドさを出したい方にはおすすめです。

②サンダー仕上げ

サンダー仕上げは、プレーナー仕上げの後にサンドペーパーで木材の表面を削り、表面のムラやプレーナーの刃跡など凹凸を無くす仕上げ方法です。プレーナー仕上げよりも肌触りが良く、フローリング用に用いられたりします。

③超仕上げ(超かんな仕上げ)

超仕上げは、大工道具の「かんな」を使用して木材の表面を鏡面仕上げにする方法です。見た目にこたくがあり、美しい仕上がりになる人気の仕上げ方法です。

④うずくり加工

木材の表面の柔らかい部分を磨いて凹ませることで、硬い部分を浮き上がらせる方法です。

テーブルや桐たんすなどによく用いられますが、平滑な木材に比べて、より木を強調した見た目になるので、存在感を出したいときにおすすめな加工方法になります。

⑤なぐり加工

大工道具の「ちょうな」で加工する方法で、古くから日本にある技術です。ランダムで凹凸を作ることで、独特の風合いになり、和風の住宅によく用いられます。

木材表面のコーティングする塗料は水性と油性がある!

ここからは、木材のコーティングに必要な塗料について解説していきます。

塗料には油性と水性があり、それぞれ特性が違います。それぞれの特性を理解して、自分にあったタイプを選択してみてください。

油性タイプの塗料

油性は、希釈する際に溶剤(シンナー)を使用しますので、刺激臭が強いので、作業の際は換気が必要で、水性に比べると取り扱いが難しいです。
しかし完全乾燥してしまえば臭いもなくなるので、家具塗装としてよく用いられる塗料です。

耐久性が高く、防水性にも優れているので屋外でも使用しやすく、光沢もでるので高級感を演出できるメリットもあります。

水性タイプの塗料

塗料の希釈に水を使用するので、臭いの発生が少なく、扱いやすいのが特徴です。

ただし、油性ほど耐久力はなく、光沢も油性に比べると劣るので、扱いやすさを重視したい初心者におすすめの塗料です。

木目を出したい場合は、浸透タイプの塗料がおすすめ!

先ほど油性と水性について解説しましたが、それとは別に木材に塗料が浸透する「浸透タイプ」と、木材の表面に膜を作る「造膜タイプ」があります。

どちらを選択するかによって、仕上がりや耐久力に差が出ますので以下で具体的に解説していきます。

浸透(木目を生かす)タイプ

浸透タイプは、塗料が木材に浸透し、木の質感を損なうことなく着色が可能な塗料です。もちろん、防腐や防虫効果もありますので、コーティングとしての役割も十分に果たしてくれます。

木材の表面に塗膜は作らず薄く仕上げることによってもともと持っている木の質感を生かすこともできるし、その逆の塗膜を厚くすることによって高級感を出すことも可能です。傷や汚れが付きやすくなってしまいます。木の質感を残したい方にはおすすめですが、塗装後の木材は傷が付きやすく、少しデリケートなので注意が必要です。

造膜(塗りつぶし)タイプ

造膜タイプは、木材の表面に塗膜を作り、木材をコーティングしてくれます。

塗膜は紫外線から木材を守ったり、傷を付きづらくするので、耐久力は向上しますが、木目が見えづらくなり、木材の質感は失われてしまいます。

木の質感よりも、木材を長く使用することを重視する方は、造膜タイプの塗料がおすすめです。
また木の素材が木目の出ない木質や、MDF材などに適した塗装方法といえるでしょう。

木材表面のコーティングにおすすめ塗料をご紹介!

木材に使用できる塗料の種類について説明します。

よく使用される塗料を紹介していきますので、この章を読んで参考に自分にあったものを見つけてみてください。

ステイン・キャンディーカラー

キャンティーカラー・ステイン塗料

ステインは、浸透タイプの塗料で、木材の木目や質感を残しながら着色が可能です。

ステインにも水性と油性があり、水性は油性に比べると安全性が高いので取り扱いがしやすいです。

対する油性は、水性に比べて木材の深部までよく染み込むため、木材の保護力が水性よりも高く、木材本来の特性を生かしつつ着色もしたい方に、ステインはおすすめの塗料です。

ゼストでは、食品衛生法で認可された水性ステイン塗料も販売しており、木製のサラダボウルやスプーンなどにも使用することができます。

水性・油性ニス

ニスは造膜タイプで、木材を傷や紫外線から守ることを重視したい方におすすめです。

水性ニスは安全性が高いため、家具などの屋内で使用する木材に使用されることが多いですが、油性ニスに比べると塗膜の耐久力が劣ります。

他の特徴として、ニスは光沢があるものが多く、高級感を演出できる反面、木の質感が損なわれやすいです。しかし光沢に関しては、つや消しのニスも販売されているので、お好みにあわせて光沢を調整することが可能です。

ワックス

ワックスは木材に少しだけ浸透しつつ、表面に薄い塗膜を作る造膜タイプです。一般的に蜜蝋や植物性ワックスなどが使われています。より自然に近いことや、扱いが楽という事もあり良く好まれて使用されています。また薄い塗膜なので、木材を傷や汚れから守る保護力は低めですが、木材本来の風合いは残すことができます。

着色が可能なワックスもありますが、着色後の木材に衣服などが擦れると塗料が移る可能性もあるのでテーブルやフローリング、壁材などには使用することができません。

ワックスは塗る頻度が他の塗料に比べると多くなる傾向があるため、メンテナンスに手間がかかるのがデメリットですが、木材の風合いを残しつつ、木材の保護もしたい方に、ワックスはおすすめです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
今回、木材表面のコーティングの重要性や塗料種類、木材表面の加工方法について解説してきました。

木材表目の木目や質感を残したいのであればステイン、木材の保護を重視する場合はニス、木材の風合いを残しつつ保護もしたい方はワックス、などのコーティング方法がおすすめです。

また、木材表面にコーティングを行う前には、表面の仕上げ加工が必要となりますが、その加工方法一つでも風合いや色味なども変わってきます。

この記事を参考に、どのような仕上がりにしたいのか自分の中で順位を付けて、納得のいく選択をできるように検討してみてください。

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