
オルガン天板リペイントの再塗装
お客様の要望
■オルガン天板リペイントの再塗装 NO.1 2011/6/29
大きさは幅87cm、奥行き43cm、高さ9cm
あまりのヤマハの小型キーボードオルガンのトップカバーです。
木でできているのですが、素材は合板です。
未塗装(もともと付いていたビーニールは綺麗に剥がれました。)
になっています。よろしくお願いします。


■オルガン天板リペイントの再塗装 NO.2 2011/6/30
今日からスタートです。
素材はベニア(合板)なので、目が深く後に塗膜が
目やせする可能性があるため、
まずは下地処理をしっかりと行うことが重要です。
まずは、お客様より塗らなくても良い場所を
ご支持いただいたいていたので、
マスキングです。
写真Cこんな感じでマスキングしました。
写真D
@ A
B C
D
■オルガン天板リペイントの再塗装 NO.3 2011/6/30
@ A
B
ベニアの小口(写真@)が荒いので、木工用パテで埋めていきます。
写真A
こんな箇所が7〜8箇所ありました。
パテ乾燥後は、#220で余分な部分のパテを平らにしていきます。
ようやく下地処理が終わりました。
ここから、艶ありUVクリヤーの塗装スタートです。
■オルガン天板リペイントの再塗装 NO.4 2011/7/1
パテ埋めを行い。
今日は生地調整です。
ミニサンダーに#180〜#320のペーパーで生地調整していきます。
写真@
特に小口がざらついていたり、バリが出ているので
もしっかりと調整していきます。
写真AB
材質の肌触りがつるっとしてよくなりました。
これで生地調整は終了〜
@ A
B
■オルガン天板リペイントの再塗装 NO.5 2011/7/1
木目の導管を止めるための作業です。
ワイピングをウエスト・刷毛で刷り込んでいきます。
■オルガン天板リペイントの再塗装 NO.6 2011/7/4
ワイピングは乾くと白く粉を噴いたようになります。
そうなれば次の工程に移れます。
今日はMDFサフェーサー吹きです。
@白く濁ったような塗料ですが、吹いて見ると思った以上に透明度が高い。
2(主液):1(硬化剤):1(薄め液夏用)の混合比で作りました。
今回は主液200ml:硬化剤100ml:夏用薄め液100mlで
合計400mlで2回吹けました。
このMDFサフェーサーはMDF材のような吸い込みが激しい素材に良く使われている塗料で。今回はベニア板(合板)なので特に小口や表面などは塗料の吸い込みが激しいため
この塗料を選択しました。
使用スプレーガンはF100−G13です。
目はじきの無いように、Bの程度まで均等に塗料を乗せていきます。
この作業を、2回繰り返します。インターバル2時間ぐらい。
この写真Bのような載せ具合が肝です!
これよりも多くても・少なくてもダメ!
@ A
B
■オルガン天板リペイントの再塗装 NO.7 2011/7/5
@ A
B C
D
E
F G
MDFサフェーサーをじっくり乾燥させたので今日は、ポリサン吹きです。
その前にミニサンダー#240で足付けです。
バリバリ研磨していきます。写真@
ポリサンとはピアノ塗装やエレキギターの艶あり(鏡面)塗装ででよく使われる、中塗り塗料のことです。
肉持ちがよく、硬くなる塗料です。
ポリサンは硬化の際に熱を発しやすく、
火災などの原因になる塗料なので、今では塗装屋でも敬遠されがちな塗料です。
ある程度塗装経験(知識)のある方のみ、使用していただけると幸いです。
使用方法などはご相談ください。
さて、話を元に戻して・・・
ポリサンに硬化剤を混ぜよく拡販します。
写真A
吹く前に@で磨いだ粉をエアダスターで払います。
丁寧にチリ払いをします。
ポリサン吹きです。B使用スプレーガンは
明治F100−G1.3口径(チューリップ型)
エア圧を上げて、たっぷり塗料の乗せていきます。写真D
意外と塗料乗っているでしょ?
ポリサン200〜250mlぐらいを使い切るぐらいです。
そして、4時間ぐらい乾燥させると
写真Eのように目落ちしてくるのです。
わかるかな〜
写真Eの小さな気泡みたいなものが目落ち部分です。
これではNGなのでもう一度ポリサンをたっぷり吹きます。
一回目とのインターバルは約4時間取りました。
同じようにポリサンをたっぷりと吹いて行きます。写真G
ポリサン2回吹けば、もう目痩せもありません。
後はじっくりポリサンを乾燥させます。
今回のポリサンの変わりに、ウレタンサンディングを4〜5回吹いて対応してもOKです。
ポリサンはウレタンサンディングに比べ、扱いは楽なのですが、肉持ちと硬度が若干劣ります。
■オルガン天板リペイントの再塗装 NO.8 2011/7/8
問題ないとは思いましたが、やっぱり肉持ちが若干悪いと思い
もう一度ポリサンを吹くことにしました。
ベルトサンダー#400で研磨して小口も#320で研磨写真B
そしてもう一度ポリサン吹きです。
写真C
これで肉持ちもよく、高級感のある仕上がりになるはずです。
あ〜楽しみ!!
@2回目ポリサン後の写真 A#400で研磨中!
B C
D
■オルガン天板リペイントの再塗装 NO.9 2011/7/12
@爪を立てても傷つかない硬度があります。 A#400〜#600で研磨
B C
D E
F手板と同じカラーに合わせて吹きました。
今日は先週ポリサンを吹いてじっくり乾燥させたので
仕上げ前の研磨です。
小口もしっかりと平らになるように研磨です。
写真B
そして、磨いだチリとホコリを
エアダスターで払います。
写真C
これで準備OK!!
そして見本となる手板を送っていただいたので
見本のカラーに調合していきます。
使用塗料はウレタンエナメルです。
写真D グリーン・エロー・ホワイトで少しずつ色を入れながら調合していきます。
意外と調合作業が大変なんです。
作ったときのカラーと吹いたときのカラーって
若干違うように見えるんです!
よし!バッチリだ!
10(主液):1(硬化剤):7(薄め液夏用)
の混合比で吹いていきます。
写真E
使用スプレーガンはF100−G1.3口径
カラーリング終了です。
写真F
これでほぼ80%の仕事が終了しました。
■オルガン天板リペイントの再塗装 NO.10 2011/7/14
今日は、UVクリヤー吹きです。
10主液:3薄め液の混合比で吹いていきます。
写真@
スプレーガンはF100−G1.3口径を使用し
小口・裏側天板という順番で吹いていきます。
UVクリヤーが吹き終わった状態です。
写真B
とっても高級感のある仕上がりですね!
一時間ほど溶剤を飛ばしてから、UV照射器で硬化させていきます。写真C
照射していくさなか、見る見る硬化していきます。
一通り照射し、硬化度合いを確認します。
よし!バッチリです。
これでUV塗装は終了〜
次回磨きを行なって終了となります。
仕上がりが楽しみです。
@UV吹き付け中 A
B CUV照射中
■オルガン天板リペイントの再塗装 NO.11 2011/7/19
@#600で研磨中 A研磨するとこんな感じ
B C
D
先日UVクリヤーを吹いて磨こうとしたのですが
肉持ちが無いように感じたので
もう一度、UVクリヤーを吹くことにしました。
追っかけで吹くことは出来ず、一度全体に足付けをしないと
塗料の密着が悪いので
全体に足付け作業をします。
写真@・A
そしてもう一度UVクリヤー吹き
写真B
いいぞ〜
Cこんな感じになりました。
肉持ちもよくカラーに奥行きが出てとっても高級感のある
仕上がりです。
そしてUV照射です。
写真D
■オルガン天板リペイントの再塗装 NO.13 2011/7/21
今日は最終工程の磨きです。
えっ!って思うかも知れませんが
またまた研磨していくのです。
この作業はUVを吹いたときのエアー圧による
波打ちをベルトサンダーで、平らにしてから
磨きの作業に入ります。
#1000です。写真@
その後は、バフ磨きです。
荒め・細め・艶出しと3回に分けて磨いていきます。
写真A・B
小口も小さなバフ機で磨いていきます。
写真C
@ A
B C
■オルガン天板リペイントの再塗装 NO.14 2011/7/22

@

A

B
ようやく完成〜
たくさんの工程を経てようやく完成いたしました。
磨き(ピアノ)塗装は、パット見は「綺麗だね!」で
終わってしまうような塗装ですが、
実は以下のようなたくさんの工程を経て完成します。
とっても気を使う塗装ですが
完成した時の充実感は
それはそれは、「やった〜」の一言です。
依頼された商品に、改めて命を吹きかけることができました。
○○さま
お待たせいたしました。
ボンゴオルガンの天板磨き塗装完成しました!
TEL:054-276-0222 FAX:054-276-0223