スプレーガンの塗装テクニック7つをご紹介 を基礎から応用まで教えます!


スプレーガンは車や模型の塗装をキレイに仕上げる際に欠かすことができないアイテムです。ホームセンターや通販でも購入でき、専門業者でなくても取り扱うことが可能です。

塗装のプロに頼むと高額になる場合でも、自分で作業を行えればコスト的に助かります。ただ、スプレーガンは誰でもすぐに上手く扱えるというものではありません。

キレイな塗装を行うには、本体のつくりを理解し、動作上のコツをつかむ必要があります。

この記事では、スプレーガンの基本的なテクニックや、スプレーガンの調整方法をご紹介します。ぜひ参考にしてください。

目次

1.揃えておきたい周辺道具|何事も事前準備が大切!
2.【基本編】スプレーガン塗装における7つの塗装テクニック
3.【応用編】塗装シーンに合わせたスプレーガンの調整方法

 3-1:パターン幅の調整
 3-2:吐出量の調整
 3-3:エア量の調節
 3-4:塗装シーンに合わせて3つのツマミを上手く調整しよう
4.まとめ

揃えておきたい周辺道具|何事も事前準備が大切!

スプレーガンを使用する際に、事前に用意しておくと良いアイテムを 6つご紹介します。作業をスムーズかつ安全に行うために必要となりますので、準備しておくことをおすすめします。

アイテム
コンプレッサー圧縮して空気をスプレーガンに供給する道具
レギュレーターコンプレッサーからの空気をスプレーガンに最適な圧力に調整する道具
計量器、ストレーナー塗料や硬化剤を決まった分量で取り分ける目的で使用します。
ペイントスタンド
足付け用サンドペーパー
塗装対象を塗装する際に使用します。下地の研磨やトップコート前のカンマに使用します。
マスク・メガネ有毒なガスや塗料の飛散を防ぐために必要となります。
試し塗り材試し塗りをするためにあった方が良いでしょう。(塗る対象物によって選びましょう)金属に塗る場合は鉄板を使い、木材に塗装する場合は同じ木材を使用します。

この中でも、コンプレッサー、レギュレーター、マスクはスプレーガン特有で必要なものですので追加で解説します。

「コンプレッサー」は、大きさや製品によって送り出せる最大の空気量が異なります。スプレーガンの必要とする空気量と供給するコンプレッサーが作り出す空気量のバランスを確認し、作り出すコンプレッサーの空気量のほうが大きければ問題ありません。

「レギュレーター」は、必要とする空気の流量にあったものを選ぶようにします。カタログに流量特性表が記載されているので、そちらで圧力・流量を確認が必要です。
一般的なスプレーガン1.3口径前後の場合0.7Mpaで調整するのが良いでしょう。
エアブラシの場合0.2Mpa程度で調整するがベストです。

また、「マスク」についてはシンナーなどの有機溶剤から発生する有害なガスを除去するために使用します。そのため、通常のマスクではなく塗装専用マスクを選択する必要があります。
また塗料の飛散時に目を防ぐ意味でも塗装用の専用ゴーグルなどがあると横からの飛散を防ぐことができるので便利です。
※防塵マスクでは防ぐことができませんので、ご注意ください。

【基本編】スプレーガン塗装における7つの塗装テクニック

スプレーガンを使用する上での、具体的な塗装テクニックをご紹介します。

スプレーガンは、圧縮した空気で塗料を微粒化し、ノズルから塗装面へ吹き付ける仕組みとなります。そのため、いかに安定して均一に塗料を吹き付けるかがポイントとなります。

Point1:スプレーガンの持ち方

スプレーガンを片手でガンを握り2フィンガー(人差し指と中指の二本でレバーを握ります)、もう片方の手でエアホースを持つようにします。エアホース塗装対象物と接触しないようにするためです。

また、重力式の場合はカップの位置を回転させて低い部分の塗装を行いやすいようにすることができるので、状況に応じて調整可能です。

Point2:手首は固定する

塗料を均一に吹き付けるため、スプレーガンを持つ手首はしっかりと固定するのがポイントです。腕を「1本の棒」だとイメージすると良いでしょう。手首を使って塗装してしまうとムラの原因となってしまいます。
吹く対象物とスプレーガンの距離は常に一手に保つこと。1.3口径程度のスプレーガンの場合は対象物とスプレーガンの距離は15㎝程度がベスト。
エアブラシの場合1.5㎝~3㎝程度がベストです。

Point3:塗装対象に対して垂直に噴射する

スプレーガンは、塗装する面に対して常に垂直になるようにして使用します。

塗装対象物に対して、斜めの角度から塗料を吹き付けてしまうと、塗料が垂れてしまったり、塗装面がザラついてしまったりする原因となりますので対象物に対して直角(水平)に保ち均等に動かすことが重要です。

Point4:パターンの塗り重ねは 1/2から1/3が目安

一定の幅で重ね塗りを行う際、塗装ムラを避けるため、重ねる部分はその幅のおおよそ 1/2から1/3を目安として塗装することがおすすめです。

コツは直前に塗った部分の下部を狙うようにします。スプレーガンを水平にスライドさせることができるように練習をしておくことで均一なパターンで塗装できます。

Point5:一定の距離を保ちながら塗装する

スプレーガンと塗装面の距離は、常に一定を保つように心掛けましょう。塗装対象物と距離が近いと塗料がタレやすくなりますし、離れすぎるとゆず肌の原因となります。

塗装距離の目安は15cm〜20cm程度です。500mLのペットボトルが20.5cm程なので、ペットボトル1個分をおおよその目安にして距離を空けるようにしましょう。

Point6:動かす速度も一定に保つ

スプレーガンを動かす速度も、常に一定になるよう意識します。目安となるペースは、1秒間に30cm〜60cmとなります。

よくある傾向として、両端の部分では遅く、中央部分では早くなることがありますので、注意をしながら作業をしましょう。

Point7:塗料カップの位置調節をする

重力式の場合、カップを作業のしやすい向きに回転させて使用することができるので、バンパーなど低い位置の塗装も簡単に行えます。

こうした作業ストレスの軽減も、塗装をキレイに行うための大切な要素となります。

【応用編】塗装シーンに合わせたスプレーガンの調整方法

スプレーガンの基本テクニックに加えて、本体の調整方法についても押さえておきましょう。
調整をするのは「パターン幅」と「吐出量の調整」、「エア量の調節」の 3つです。

これらの調整は、それぞれ専用のツマミ(ネジ)が設けられているので、それを締めたり緩めたりして行います。

パターン幅の調整

パターン幅とは、スプレーガンが塗装面に吹き付けた塗料の幅のことです。広い範囲を効率よく塗装するため、基本的にはパターン幅は楕円形の形となっています。

このパターン幅を絞れば楕円形から徐々に円形となり、塗装範囲は小さくなります。反対にパターン幅を緩めると塗装範囲は広くなります。
パターンの調整は対象物から15㎝ほど離した時に塗料パターンの縦幅が10㎝程度の調整が一番綺麗に吹ける目安となります。

吐出量の調整

スプレーガンから吹き出される塗料の量も調節が可能です。

スプレーガンの引き金は、1段目まで軽く引き金を引くとエアだけが噴射され、2段目まで引き金を強く握ると塗料とエアの両方が噴射される仕組みになっています。

吐出量を調節するツマミを閉めると、2段目の引き幅が少なくなっていき、塗料の噴射が減少します。反対にツマミを緩めることで、2段目の引き幅が大きくなり、塗料の噴射が増大します。

一般的な調整目安は、ツマミを締め切ったところから1~2.5回転緩めた状態となりますので、そこを基準に調整を行うようにしましょう。
※調整回転はスプレーガンの種類やメーカーによって違いますのであくまでも目安としてお考え下さい。

エア量の調節

エアの調整はコンプレッサなどで行うことが基本ですが、手元のツマミを調整することでも行うことができます。ツマミを絞れば吹き出すエアの量は少なくなり、緩めると多くなります。

硬めの塗料を使用する場合には、エアを適度に高めることで塗りやすくなりますし、狭い部分を塗る際にはエアを低くすることで塗りやすくなります。

塗装シーンに合わせて3つのツマミを上手く調整しよう

車のボディのように平面を塗装する場合は、パターン・吐出量・エア量など各ツマミを調整する必要があります。
パターンの調整は上記で述べた内容を参考にしていただき、エアーの吐出量に関してはマックスでエアを強くしてしまうと塗料が対象物にうまく付着せずエアーと一緒に弾いてしまうことがあるため、
エアー圧は人肌にエアーを当てた時に痛いと感じるのは強すぎ、少しくすぐったいと感じるレベルが良いでしょう。
塗料の吐出量に関しては、上記で述べたスプレーガンを動かす速度が一秒間に30㎝~60㎝で吹いた場合
塗膜が濡れ色になるレベルの調整が綺麗に吹ける目安となります。
これが少なすぎると塗膜が霧になったり、サメ肌になったりしします、それは塗料の調整つまみが絞りすぎという事になります。
多すぎると塗料が出すぎてタレの原因になりますので、本番に入る前に手板などで調整してから本番に入るようにしましょう。

また、箱の内部のように比較的狭い場所を塗装する場合には、本来の調整よりも各ツマミを絞りぎみにしましょう。

特に最初のうちは、試し塗り材たいらなくなった新聞紙や広告の裏面などを用いて調整の加減を確かめるようにすると良いでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
この記事では、スプレーガンの基本的なテクニックや、スプレーガンの調整方法をご紹介してきました。

スプレーガンは、塗装をキレイに仕上げるためにはなくてはならない道具です。上手に調整することで、缶タイプのスプレーよりも上質な出来栄えにすることができます。

ただ、機構が複雑になるほか、取り扱いにもある程度の経験が必要になるため、慣れるまでは練習が必要となります。吐出量などを上手く調整し、安定・均一な塗装を行える姿勢を保つことがポイントとなります。

今回取り上げた基本テクニックを参考に、ぜひキレイな塗装を実現させてください。

おもしろ塗装工房では、スプラーガンに関する吹き方や洗浄方法などの塗装機器に関するアドバイスをしています。またYouTube等でも紹介していますので興味のある方はご覧ください。

その他、ご不明な点がございましたら、お気軽にお問合せくださいませ。


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