【塗装のプロが解説】DIYでブレーキキャリパーを耐熱塗料で塗装する方法は?
新車の時はピカピカだったブレーキキャリパーも、数年経過すると変色が目立ってきます。
ご自慢の愛車のボディやアルミホイールをピカピカにしても、ブレーキキャリパーが変色してしまっていては、見栄えが悪くなってしまいますね。
この記事では耐熱塗料を使ってDIYでブレーキキャリパー塗装を行う方法を詳しく解説します。
目次
- ブレーキキャリパー塗装を外注した場合の工賃は?
- DIYでブレーキキャリパー塗装する方法
2-1.耐熱塗料を使用する
2-2.ブレーキキャリパーを洗浄する
2-3.ブレーキキャリパー全体を足付けする
2-4.ブレーキキャリパーをマスキングする
2-5.ブレーキキャリパー全体を脱脂する
2-6.耐熱塗料で塗装する - 素人がDIYでブレーキキャリパーを塗装するデメリット
3-1.足付けが甘く塗装が剝がれやすい
3-2.細部のマスキングが難しい - まとめ
本記事を参考に、安全かつ綺麗な仕上がりを目指してDIY塗装に挑戦してみてください。
1.ブレーキキャリパー塗装を外注した場合の工賃は?
「色あせてきたブレーキキャリパーを塗装して、愛車をもっと綺麗にみせたい!」
「ブレーキキャリパーにカラフルな塗装を施して、スポーティーなイメージを強調したい!」
そう思っている方も多いのではないでしょうか。
プロに塗装を依頼した場合、どのくらいの費用がかかるのでしょうか?
一般的に前後ともにブレーキキャリパーがついている場合は約5~7万円の工賃がかかります。
車種によって、ブレーキキャリパーのサイズが大きい場合は、もう少し割高になるでしょう。輸入車に至っては脱着方法が異なり、特殊な工具、作業が必要になってしまい、さらに高額になってしまいます。。
中には10万円以上かかるケースも存在します。
「確かに高額だけど、ブレーキは重要な部品だからプロの業者にお願いするべきだろう」と思っている方も多いでしょう。
ですが、今回紹介する方法でしたら、DIYでブレーキキャリパーの塗装が可能です。
この記事を最後まで読んで、愛車を自分の手でドレスアップしてみませんか?
2.DIYでブレーキキャリパー塗装する方法
プロの業者がブレーキキャリパーを塗装する場合は、ブレーキを分解して作業を行います。
これには整備士免許が必要となり、素人が行うことはできません。素人がDIYでブレーキキャリパー塗装を行う際は、車体からブレーキを取り外さずに行う必要がありますので注意してください。
まずは準備するものを紹介します。
2-1.耐熱塗料を使用する
ブレーキキャリパーは非常に高温になるパーツです。
一般道を走行しているときでも100℃前後になります。さらに山道など、ブレーキを踏む機会が多い場所では130℃以上に達する場合もあります。
これだけ高温のパーツに一般的な塗料を使用すると、すぐに塗装が劣化してしまいます。
ブレーキキャリパー塗装には必ずプロ仕様の「耐熱塗料」を使用しましょう。
近年は、ホームセンターなどでも安価な耐熱塗料が手に入りますが、耐久性を考えると、専門店からプロ仕様のものを購入することをおすすめします。
耐久性はもちろんのこと、発色性にも優れていて、色の種類が20~30くらい、艶の有無など豊富バリエーションから選ぶことができます。
2-2.ブレーキキャリパーを洗浄
ブレーキキャリパーは、鉄粉やグリス汚れが多く付着していることが一般的です。そのため、ブレーキクリーナーやシリコンオフなどを使用して、油分や鉄粉をしっかりと落とすことが重要です。これによって、仕上がりが大きく向上します。
ブレーキクリーナーやシリコンオフは、ボディなどに付着しないように気を付けましょう。
2-3.ブレーキキャリパーを足付け
キャリパー全体に細かい傷を付けていきます。この工程を「足付け」と言います。複雑な形状の場合はワイヤーブラシを使うことも良いでしょう。この工程で取り除けない汚れや錆も同時にきれいに取り除くことができます。
足付けができたら、再度ブレーキクリーナーで洗浄します。
2-4.ブレーキキャリパーをマスキング
ブレーキローターやパッドなどに無駄な塗料がかからないよう、マスキングを行いましょう。特に、ブレーキフルードが通るところ、ブリーダープラグやバンジョーボルトの取り付け部、ピストン周りに注意してください。ブレーキディスクやキャリパーピストン部に塗料が付着すると安全性に支障が出るため、注意が必要です。
2-5.ブレーキキャリパー全体を脱脂
最終的に、塗料がしっかりと密着するように、ブレーキクリーナーで、ブレーキキャリパー表面の油分を除去しましょう。表面に油分が残っていると、塗料がうまく密着せず、綺麗な塗装ができません。
2-6.耐熱塗料で塗装
刷毛を使って耐熱塗料を塗っていきます。
まずは耐熱塗料を「耐熱塗料専用薄め液」で薄めてください。一般的には20%希釈程度ですが、購入した塗料の説明書をよく読んで薄めましょう。
刷毛で塗る際は、一度にすべて塗るのではなく、2〜4回に分けて垂れないように塗装しましょう。最初は全体に薄く色が付いた程度で一旦手を止め、約10分間乾燥させます。
もし垂れてしまった場合は、塗料が完全に乾燥した後、800番の耐水ペーパーで研磨し、平らにしてから再度塗り直してください。失敗しても焦らず、ゆっくりやり直すことが大切です。
塗装で重要なのは時間と根気です。心してかかりましょう。
重ね塗りを行う際は、色のムラがないように一定の方向に均一に塗っていくことが重要です。できるだけ明るい場所で、さまざまな角度から確認しましょう。刷毛は立てずに傾けて使用すると、より均等に塗ることができます。
塗装が終わったら説明書に従い、きちんと乾燥させましょう。
3.素人がDIYでブレーキキャリパーを塗装するデメリットは?
ここまで、耐熱塗料を使って、DIYでブレーキキャリパー塗装をする手順を紹介してきました。プロに依頼しなくても、安く愛車のドレスアップができて、自分で塗装したという達成感も得られて最高ですね。
しかし、やっぱりデメリットはあります。以下で紹介します。
3-1.足付けが甘く塗装が剝がれやい
ブレーキキャリパーは非常に複雑な形状をしています。
これを素人がDIYで足付けをすると、どうしても足付けが十分でない部分が残ってしまい、塗装が剝がれやすくなってしまいます。
3-2.細部のマスキングが難しい
こちらもブレーキキャリパーの形状が複雑なことが要因ですが、塗る部分以外にすべてマスキングを施すことは非常に困難です。
そのため、塗装したくない部分を塗装してしまったり。塗装すべきところにマスキングがかかってしまい、ちゃんと塗装できなかったりします。
4.まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は耐熱塗料を使ってDIYでブレーキキャリパー塗装を行う方法を解説してきました。
ブレーキキャリパーは重要なパーツですが、注意事項をしっかりと守れば、安全に安価でDIY塗装を行うことができます。
マスキング等が難しく、細部の出来上がりに納得がいかないこともあるかもしれません。でもホイールを付けたら意外と細部は目立たないので多少失敗しても大丈夫(だと個人的には思います)。
何よりも自分の手でブレーキキャリパー塗装をして、イメージアップやイメージチェンジをした愛車には、ますます愛着がわくことでしょう。
まずは、耐熱塗料のカラーラインナップを調べて、お気に入りの色があるかどうか調べてみてはいかがでしょうか。