バイクのタンク塗装の補修方法は?簡単でキレイに補修する方法を解説!


バイクに乗り続けると、様々な傷が付いていきます。特にガソリンタンクは、バイクの前方にあるので、塗装を傷つけやすい場所です。

タンクの塗装に傷がついたら、まず補修を検討をされるかと思いますが、、、
「自分で直したいけど方法が分からない」
「そもそも自分で直せるのか知りたい」
と言ったように、自分でキレイに補修できるのか分からない方も多いと思います。

この記事では、それぞれの傷の種類に合わせた補修方法を解説します。傷の種類や、補修方法が明確になるので、自分で補修を考えている方は、ぜひ読んでみてください。

目次

1.傷の種類によって補修方法が変わる
 飛び石による傷
 線傷
 凹み
2.【コンパウンドで補修】クリア塗装に付いた線傷など
3.【タッチアップペイントで補修】塗装面に達した傷など
4.凹みの補修方法には3種類ある
 デントリペアによる補修
 パテで埋める
 板金補修をする
5.デントリペアによる補修手順
6.パテによる補修手順
7.自分で補修が難しい場合は業車にお願いする

傷の種類によって補修方法が変わる

出典:写真AC

傷の種類と、それぞれに合った傷の補修方法を解説します。
この説明を読み、自分のバイクの傷がどういう状態か確認しましょう。

飛び石による傷

走行中に飛んできた小石がタンクに当たってしまうと、点状の傷が付きます。他にも、バイクのキーをタンクの上に落としたり、ヘルメットなどがタンクに接触すると同様の傷が付いてしまいます。

点状の傷は、塗装部分まで剥がれている場合が多く、放っておくと腐食してしまうので、早めの対処が必要です。自分で補修する場合の方法は、主にタッチアップペイントを使用します。
後ほど詳しくご紹介します。

線傷

タンクの表面にできる細かい擦り傷や大きな線上の傷を指します。バイクのキーでタンクを引っかいてしまったり、平垣やガードレールに接触してしまうと、付いてしまう傷です。

線傷は、クリア部分だけの浅い傷から、塗装まで剥がれている傷など、傷の深さによって補修方法が異なります。自分で補修する場合の方法は、コンパウンドで磨くか、タッチアップペイントを使用するかの2択が多いです。こちらも後ほど詳しくご紹介しております。

凹み

立ちゴケをしてしまったり、重いものをタンクの上に落としてしまうと、タンクに凹みができてしまいます。凹みは他の傷と違い、凹んだ部分を引っ張りだすか、表面を平らにしなければなりません。

凹みの深さ大きさにより、補修方法は3通りあり「デントリペア」「パテ」「板金」があります。小さい凹みであれば、ある程度自分で補修も可能かもしれませんが、基本的には板金での補修が必要になるケースが多いので、業者に依頼することがおすすめです。

【コンパウンドで補修】クリア塗装に付いた線傷など

出典:写真AC

バイクのタンク塗装は、主に3層で構成されており「下地塗料」「カラー塗料」「クリア塗料」の順となっています。クリア塗料部分に付いた傷は、浅くコンパウンドで磨けばキレイになる場合があるのでまずはコンパウンドで磨いてみましょう。

コンパウンドで磨くときは直線的に磨く

コンパウンドで磨く前に、傷の周りの汚れを落とします。砂などの汚れが付着したままだと、かえって傷つけてしまうので、必ずキレイにしてください。

コンパウンドを少量スポンジ又は布に付け、直線的に磨くとムラなく磨けます。しばらく磨くと、コンパウンドの白っぽさが無くなるので、キレイな布でふき取ります。

これで傷が消えればそのまま終了です。1回で傷が消えなければ、数回繰り返してみてください。

【タッチアップペイントで補修】塗装面に達した傷など

出典:写真AC

塗装が剝がれても範囲が狭い傷であれば、タッチアップペイントで補修が可能です。自分で補修することで、業者に依頼するより、費用をかなり抑えることもできます。

しかし、ただ塗っただけではキレイに仕上がらないので、正しい手順での作業が必要です。
以下で、具体的に解説します。

タッチアップペイントでキレイに補修するための手順

出典:写真AC

タッチアップペイントの補修手順を解説します。

タッチアップペイントは傷の上から同じ塗料を盛るように補修しますが、ただ盛るだけだとせっかく補修してもかえって目立つ結果になりかねません。

これからキレイに補修するコツを説明しますので、参考にしてみてください。

タンクの補修に必要な道具を用意する

補修に必要な道具は下記の6点です。

これらを揃えれば、補修の準備は完了です。

Step1:傷の周辺にマスキングテープを貼る

傷の周りにマスキングテープを貼ります。タッチアップペイントを塗った後、耐水ペーパーで磨くので、周りを保護する様に貼りましょう。

最初に塗るときは、塗料を盛るように塗るので、マスキングテープには、周りに塗料が垂れないようにする土手の役割も担っています。

Step2:補修する部分にタッチアップペイントを厚く塗る

シリコンオフで脱脂をしたら、傷にタッチアップペイントを塗っていきます。

周りの塗装より高くしたいので、1回で厚く塗れないようなら、乾燥後に重ね塗りをしましょう。

Step3:タッチアップペイントが乾燥したら耐水ペーパーで磨く

タッチアップペイントが乾燥したら、マスキングテープを貼ったまま耐水ペーパーで磨いていきます。1,000番の耐水ペーパーを使用し、マスキングテープと同じ高さまで研磨しましょう。

Step4:マスキングテープを剥がし、細かい目の耐水ペーパーで磨く

マスキングテープと同じ高さまで研磨したら、テープを剥がします。

テープを剥がしたら、今度は2,000番の耐水ペーパーで磨いてください。周りの塗装と同じ高さまで磨けたら、仕上げに入ります。

Step5:コンパウンドで仕上げ

最後にウエスにコンパウンドを付けて補修した部分を磨きます。先ほど、傷の周りも2,000番の耐水ペーパーで磨いたので、周りもよく磨きましょう。根気よく何回も磨いて、補修した部分が目立たなくなったら完了です。

凹みの補修方法には3種類ある

出典:plxabay

凹みの場合、凹みの範囲の大きさによって補修方法が異なります。
ここからは、3種類の補修方法についてそれぞれ解説します。

①デントリペアによる補修

小さな凹みにはデントリペアという修理方法があります。
曲がった鉄の棒を使って、タンクの内側から押さえ、外側から金属ハンマーで叩いて凹みを補修する方法です。この補修方法であれば、再塗装を行う必要がなく小さな凹みにはメリットがある方法です。

後ほど詳しくご紹介します。

②パテで埋める

デントリペアできない部分には、パテを使って補修します。
パテは、タンクの凹みに盛る事で、タンクを平らにすることができる補修方法です。

板金作業やデントリペア後の凹凸を無くすために、パテを使用する場合もあります。
後ほど詳しくご紹介します。

③板金補修をする

大きな凹みは、残念ながら個人でDIY補修することは難しく、板金補修を専門業者に依頼が必要となります。凹み部分に、スライドハンマーをひっかけるための部品を溶接したり、スライドハンマーで引っ張り出すなどの作業が必要となります。

凹みの範囲が広ければ、何回か繰り返すことになり板金業者でない作業を行うことは難しいでしょう。

デントリペアによる補修手順

出典:plxabay

自分でデントリペアする場合の補修手順を解説します。
興味があれば、ご覧いただき愛車の補修の参考にしてみてください。

準備物:デントリペアに必要な道具を用意する

まずは、必要な道具を揃えるところですが、実はインターネット上でデントリペアキットが販売されています。デントリペアキットを購入すれば、補修に必要な道具が一気に揃いますので、おすすめです。

今回は、グルーガンを使用するタイプのデントリペアキットで解説します。

Step1:ホットボンドを使用して工具をタンクに取り付ける

最初にグルーガンを温めて、ホットボンドを溶かします。溶かしたホットボンドをリペアツールに付けて、そのままタンクの凹み部分に取り付けてください。

ホットボンドが乾くまでしばらく放置し、乾いたら次の工程です。

Step2:工具のつまみ部分を回して凹み部分を引っ張り出す

ホットボンドが乾いたら、リペアツールのつまみ部分を回します。
つまみを回すと、リペアツールが凹んだ部分を引っ張り出してくれます。

凹みの程度によりますが、1回やって元に戻りきらない場合は、再びホットボンドでリペアツールをタンクに取り付けて引っ張り出しましょう。

数回繰り返すと、凹みが改善されていきます。

パテによる補修手順

出典:写真AC

次は、自分でパテによる補修方法を説明します。
デントリペアで補修出来ない部分は、この方法で補修してみてください。

パテによる補修に必要な道具を用意する

パテの補修に必要な道具は下記の4点です。

耐水ペーパーは荒さが違う物を3種類、パテは厚づけ用と薄づけ用の2種類用意してください。

Step1:凹んだ部分の周辺を耐水ペーパーで塗装を落とす

凹んだ部分の塗装を、400番の布・耐水ペーパーで落としていきます。

凹んだ部分の塗装を落としたら、塗装の段差を無くすために、600番の布・耐水ペーパーで凹みの周辺も磨きます。磨いた後は、削りカスをしっかり取り除いてください。

Step2:タンクに厚づけパテを盛る

シリコンオフで脱脂したら、パテを盛っていきます。パテはよく混ぜないと、うまく硬化しませんので、入念に混ぜましょう。パテを混ぜたらタンクに盛り、ヘラでパテを整えていきます。パテが硬化する前に、盛りすぎている部分をヘラで削って調整してください。

Step3:厚づけパテを布・耐水ペーパーで磨いたあと薄づけパテを盛る

厚づけパテを180番の布・耐水ペーパーで磨いて、高さを調整していきます。
調整が完了したら、次は薄づけパテを塗り、タンクに合うようにパテをヘラで整えましょう。

Step4:乾燥させたあと耐水ペーパーで磨く

薄づけパテが乾燥したら、最後に600番の布・耐水ペーパーで磨きます。キレイに仕上げるために、回すように磨くのがコツ。磨いたあと、手で触っても段差を感じなければ、作業は完了です。

自分で補修が難しい場合は業者にお願いする

出典:写真AC

補修範囲が広かったり、大きな凹みがあって自分でキレイにできない場合は、業者に依頼した方が良いでしょう。費用はかかりますが、確実にキレイに仕上げてくれます。

傷の種類や程度によりますが、修理費用の相場は1万円~5万円位です。

ただし、難しい修理の場合は、10万円を超える場合もありますので、事前に正確な見積もりをして貰うことが重要です。

まとめ

いかがでしたでしょうか?バイクのタンク塗装の補修方法には、
「点状の傷」「線傷」「凹み」の3種類がありそれぞれの傷に応じた補修方法が異なります。

  • コンパウンド
  • タッチアップペイント
  • デントリペア
  • パテ

上記4つの中が代表的な補修方法です。

補修方法によっては、補修後に再塗装を行う必要があったり不要なものがありますので、バイクのタンクの傷に王応じて適切な方法を選択してみてください。

道具も手軽に調達できるので、傷の範囲が比較的狭く、少し補修すれば直せそうな傷や凹みは、自分で補修にチャレンジする価値は十分にあります。


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