缶スプレーでDIYする方法|誰でも簡単バイクのタンク塗装方法を教えます!


バイクが古くなると、ガソリンタンクの塗装も傷んできます。本ブログでも、専門業者に依頼する方法や、プロ用機材を使った塗装方法などをご紹介してきましたが、もっと手軽に誰でも簡単に塗装できる缶スプレーでDIYする方法についてご紹介します。

ただし、缶スプレーでは仕上がりに限界があり綺麗に塗装したい方やデザインで個性を出したい方には、不向きとなりますので、塗装業者に依頼することがおすすめです。

この記事では、バイクのタンク塗装を缶スプレーで行う方法をご紹介します。塗装に必要な道具も紹介しますので、DIYを検討している方に役に立つ情報になるはずです。ぜひ最後まで読んでみてください。

目次

1.バイクのタンク塗装を缶スプレーでDIYするメリットとは?
 1-1.塗装費用を抑えられる
 1-2.オリジナリティがあり愛着が湧く
 1-3.手軽に挑戦できる
2.缶スプレーで塗装する際に必要なものを紹介!
3.【手順】バイクのタンク塗装を缶スプレーで行う方法
4.缶スプレーでタンク塗装をする際の注意点
 Point1:ウレタン塗料を使用する
 Point2:使用前に缶スプレーを温める
 Point3:気温や天候に気をつける
 Point4:スプレーは最後まで使い切らない
 Point5:塗料を十分乾燥させる
5.まとめ

バイクのタンク塗装を缶スプレーでDIYするメリットとは?

出典:写真AC

まず初めに、缶スプレーでバイクのタンクを塗装メリットをご紹介します。
専門業者に依頼するよりも仕上げの面では劣りますが、費用の安さやオリジナルのタンクで愛着が湧くなどDIYだからこそあるメリットがいくつか存在します。缶スプレーで塗装するか迷っている方は、こちらを読んで、検討してみてください。

塗装費用を抑えられる

これは、DIY塗装する上での一番のメリットとも言える費用面です。
専門業者にバイクのタンク塗を依頼した場合は、「材料費」+「工賃」が発生しますので、塗装費用が高額になりやすいです。しかし、自分でDIYすれば工賃は発生しませんので、費用を抑えられます。

オリジナリティがあり愛着が湧く

DIY塗装は、専門業者に依頼するよりも仕上がりは劣ってしまいますが、自分で作業したことで個性が出るものです。他のバイクには無い個性を出せ世界に1つだけの完全オリジナルのタンクができます。

手軽に挑戦できる

缶スプレー以外で塗装しようとすると、スプレーガンやコンプレッサーといった専用の道具が必要になりますが、缶スプレーで塗装する場合は上記のような道具は必要ありません。

缶スプレーは、ホームセンターなどで格安で手に入り揃える道具も少ないので、手軽にDIY初心者でも挑戦しやすいです。失敗したら、専門業者に依頼するという方法もできるので一度挑戦してみる価値も高いでしょう。

缶スプレーで塗装する際に必要なものをご紹介!

出典:写真AC

缶スプレーで塗装する際に必要な道具をご紹介します。紹介する道具で、持っているものと、持ってないものを確認して、必要に応じて道具を購入してください。

①缶スプレー

缶スプレーは様々な種類がありますが、おすすめは2液ウレタンスプレーです。理由は、傷が付きにくく、防水性、撥水性、耐久性、対候性が高いからです。

金額は3,000~4,000円で、他の缶スプレーより少し高額なのがデメリットですが、メリットの方が大きいので、2液ウレタンスプレーを使用した方がいいでしょう。

②耐水ペーパー

耐水ペーパーは下地作り用と、仕上げ用で違うものが必要です。耐水ペーパーは、作業工程によって使用するものが変わりますので、最低でも下記の3種類を用意してください。

・(荒目)400~500
・(中目)1,200~1,500番
・(細目)2000番
※数字が大きいほど細かい目になっています。

③シリコンオフ

シリコンオフは、塗装表面の脱脂作業に必要になります。脱脂とは、表面の油分を取り除くことで塗料のノリをよくする作業です。脱脂は塗装において重要な作業ですので、必ず用意しましょう。

④サーフェイサー

サーフェイサーは、下地用として吹き付けます。サーフェイサーを吹き付けないで塗装しても塗料が上手く乗りません。また、サーフェイサーは防錆・耐ブリスターに優れ、塗装する表面の細かい凸凹を埋める効果があり仕上がりがとても綺麗になります。

⑤ウレタンクリア

ウレタンクリアは塗装後の仕上げ剤として使用します。ウレタンクリアは、塗装を保護しツヤを出す役割があります。仕上げ剤としては、他にラッカークリアもありますが、ガソリンに耐性がありませんので、必ずウレタンクリアを使用するようにしましょう。

⑥マスキングテープ

マスキングテープは、塗装しない部分を養生するために使用します。マスキングテープを使用しないで、塗装してしまうと予定外の部分に塗料がついてしまい、後処理が面倒になってしまいます。

ガソリンタンクには、取り外せない部品もありますので、細かく養生できるマスキングテープは必需品です。

⑦コンパウンド

コンパウンドは、全ての工程が終了した後に磨くために使用します。コンパウンドで磨くことで表面にツヤをだし、キレイに仕上げられるので必須で用意しましょう。

【手順】バイクのタンク塗装を缶スプレーで行う方法

出典:Unsplash

ここからは、缶スプレーで塗装する手順をご紹介します。

初めての方はなかなか難しいかもしれませんが、手順通りに作業すれば、キレイに仕上がりますので、ぜひ挑戦してみてください。

塗装面を耐水ペーパーで足付する

古い塗装のツヤが無くなるまで、耐水ペーパーで全体的に磨いていきます。耐水ペーパーは、400番~600番くらいのものを使用してください。タンクに傷を付けることで、サーフェイサーを吹き付けたときに、塗料の乗りが良くなります。この作業は手を抜いてしまうと、全体の仕上がりに影響してしまうので、しっかり磨きましょう。

塗装表面を脱脂する

磨き終わったら、次は脱脂です。脱脂することで、磨いた後の削れカスや、表面の油分を取り除き、サーフェイサーの密着度を高められます。シリコンオフをウエスに染み込ませ、バイクのタンクを脱脂しましょう。

サーフェイサーを吹き付ける

脱脂が完了したら、次は下地用のサーフェイサーの吹き付けです。サーフェイサーはタンクの表面の凸凹を埋め、塗料を吹き付ける際に、塗料の乗りを良くします。一度に大量に吹き付けるのではなく、数回に分けて吹き付けましょう。缶スプレーの種類によりますが、塗装面から15〜20cm程度離して吹き付けるようにしてください。

サーフェイサーが乾燥したら耐水ペーパーで凹凸を無くす

サーフェイサーの乾燥には、約1日程度かかります。サーフェイサーが乾燥したら、耐水ペーパーでタンク全体を磨いていきます。このとき使用する耐水ペーパーは、800〜1000番で細かい傷を付けることで、塗装の乗りが良くなりますので、塗装の前に入念に磨きましょう。

カラーを塗装する

塗装しない部分には、マスキングテープを使用し養生します。そして、塗装の前に再度しっかり脱脂しましょう。缶スプレーは、スプレーガンと比べると噴射力が弱いので、塗装の前にスプレー缶を40℃のお湯につけて暖めておくと、圧力が高まって塗装しやすくなります。

脱脂をしたら、使用前にスプレー缶をよく振ってください。缶スプレーは液だれしやすいので、塗装面から15~20cm離して、平行に吹きます。一気に塗料を吹き付けると液だれしてしまうので、数回に分けてください。

1回吹き付けたら、塗料が乾燥するまで待ち、乾燥したら2回目を吹き付けます。
この工程を3回程度繰り返して、色がしっかりついたら塗装は完了です。

ウレタンクリアで仕上げる

塗料が完全に乾燥したら、仕上げとしてウレタンクリアの出番です。塗装の時と同様に、数回に分けて吹き付けます。1回吹き付けて乾燥したら、1000~1500番の耐水ペーパーで磨きましょう。

磨き終わったら、2回目を吹き付けるという工程を3回程度繰り返します。
3回程度繰り返したあと、塗料を完全に乾燥させてください。

最後に2000番の細かい耐水ペーパーで傷やほこりを磨き、そのあとコンパウンドで磨けば、よりツヤが出てキレイになります。

缶スプレーでタンクの塗装をする際の注意点

出典:写真AC

缶スプレーで塗装する際に、注意すべき点が3つあります。
これから説明する点に注意して、より確実に仕上げられるようにしましょう。

Point1:ウレタン塗料を使用する

ホームセンターには、様々な用途の缶スプレーが販売されていて、その中にはバイクのタンク塗装には向かないものもあります。

特に、安く売られているスプレー缶は、スプレーした際にダマになりやすく、均一な塗布ができなかったり仕上がりが綺麗でないものがあります。

また、車やバイクの塗装となる耐溶剤性が高い塗料が必要となります。
塗料の中でも、高額にはなりますがウンタンスプレーがおすすめです。ガソリンなどに対する耐溶剤性や強い塗膜を形成できるため、細かな傷や燃料の吹きこぼれにも強くなるためです。

Point2:使用前に缶スプレーを温める

缶スプレーは使用する前に、温めると中の塗料が均一に混ざり、スムーズな塗布ができる様になります。また、温かい塗料は滑らかな塗膜を形成しやすく、仕上がりも綺麗になるため必須のテクニックであると言えます。

温めると言っても、ヒーターなどで温めるのではなく、30℃くらいのお湯に10分ほどつけておくだけで、とても簡単に行えます。

Point3:気温や天候に気を付ける

塗装は、外部環境(天候や気温)の影響が大きく気温が低すぎると乾燥に時間がかかり、液だれやほこりが乗るリスクが高まります。反対に気温が高すぎると、乾燥が早すぎるため、塗布面がザラついたり仕上がりが悪くなります。真夏や真冬はなるべく避け、気候の良い日(20℃~25℃)に塗装すると仕上がりが綺麗になります。

また、屋外で作業する場合、風の強い日は避けた方がいいでしょう。強風だと缶スプレーで吹き付ける際に、塗料が飛ばされてしまい、失敗してしまいます。強風の日は、塗装を避けることは勿論ですが、なるべく風の影響を受けないように、テントなどの風よけを用意しておくこともポイントです。

Point4:スプレーは最後まで使い切らない

スプレーは完全に使い切らないと、もったいないような気がしますが、少し残っている状態で塗装を終了するのがおすすめです。

最後の方になると、缶スプレー内部のガス圧が減少するため、無理に使用を続けると塗料が上手く拡散できず、ダマになってしまう可能性があります。せっかく下地まで上手くいっても、塗装で失敗したら台無しです。

使用していて、ガス圧が減ってきたと思ったら、現在の缶スプレーの使用をやめて、新しい物を使いましょう。

Point5:塗料を十分に乾燥させる

1回目、2回目と塗装を繰り返す際には、できるだけ長い間隔で塗料を乾燥させることが大切です。下塗りが十分乾燥していない状態で塗装を重ねてしまうと、塗料の硬化時間の違いからクラックが発生しやすくなります。

ひどい場合は、塗装を全てやり直す必要が出てきたり仕上がりに大きな影響を与えてしまいます。
そのため、しっかりと塗料が乾燥したことを確認してから次の工程を行うようにしましょう。

まとめ

今回、バイクのタンク塗装を缶スプレーで行う方法についてご紹介してきましたがいかがでしたでしょうか?缶スプレーでのタンク塗装のDIYは、慣れないうちは簡単ではないかもしれません。

しかし、揃える道具も少なく、費用を抑えられるので、初心者でも比較的挑戦しやすいです。たとえ失敗したとしても我々プロが手直しをすることも可能なのでお気軽にご相談してみてください。

この記事でご紹介したポイントを押さえつつ、手順通りに作業していけば、キレイに仕上げられるはずでのでDIYをお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。


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