スプーンのリペイントでステップアップ!

スプーンのリペイントでステップアップ! アングラ―のための塗装知識!


スプーンはさまざまなルアーの原型ともいわれ、現在でも多くの釣り好きに親しまれています。しかし、スプーンは釣りの技術が大きく影響するといわれており、使いこなせない人も珍しくはありません。そんな方におすすめしたいのがスプーンの再塗装(リペイント)です。効果的な色や模様をリペイントする技術を習得し、アングラーとしてステップアップしましょう!
  1. スプーンを塗装するメリットとは?
  2. スプーンの塗装を自分でやるための基礎知識
  3. スプーンの塗装に使う道具の購入や相談はどこにすればいいの?
  4. スプーンの塗装に関するQ&A
この記事を読むことでスプーンの塗装知識を学ぶことができます。そろえておくべき道具や実際の塗装方法などについても詳しく説明していますので、ぜひご一読ください。

1.スプーンを塗装するメリットとは?

まずは、スプーン塗装の魅力を把握していきましょう。

1-1.スプーンを塗装するメリットとは?

主にトラウトフィッシングによく使われるスプーンは、非常に単純な構造をしていて大きく分けると、「ティアドロップ型」・「リーフ型」の2種類に分かれます。 「ティアドロップ型」はカップが大きくお尻を左右に振り、水をよく噛み波動が強いとされています。 「リーフ型」はロール系の動きで細長く、カップが浅いのが特徴です。 どちらも、釣りの技術が試されるルアーです。しかし、どんなに技術を持っていても、魚に食いついてもらうには美味しそうな色や模様が施されている必要があることも忘れてはいけません。たとえば、季節によって捕食している昆虫をイメージしたカラーや小魚(ベイト)を演出するカラーを塗装するのが良いとされています。 よりリアルカラーを求めてウロコ模様を演出しマッチザベイト(捕食している小魚カラー)により似せていく塗装を施すのも、ビルダーにとって塗装の醍醐味といえるでしょう。より似せた塗装ができればヒット率も上がるはずです。このように、スプーンのペイントは釣行以前の楽しみや、自作スプーンでのヒットシーンを妄想させることのできる楽しい作業になるでしょう。釣は自然相手のスポーツです。せっかく休みなのに天候が悪く釣りにいけない…なんて悩んでいる方は、ぜひリペイントに挑戦してみたらいかがでしょうか?

1-2.スプーン塗装の特徴

スプーンは金属で作られるのが一般的で、中でも多く使われるのが真鍮(しんちゅう)です。軟らかく加工が簡単で、さらに安価なのが特徴となります。そのほか、銅・鋼・ステンレス・アルミニウムなどが一般的な素材です。ステンレス以外の素材は基本的にメッキ・アルマイト加工がされています。

1-3.リペイントの方法:自分でできるか、業者へ依頼か

メッキやアルマイトの上から塗装する方法は、塗料が剝がれやすく自分で塗装するのは難しいでしょう。しかし密着剤(プライマー)などを使えば塗装は簡単です。 また、スプーンに限らずルアーはサイズが小さいので細かいパーマーク模様を描いたりするのは大変です。安いスプーンであれば自分でやるがお勧め! 金属素材なので失敗したら剥離剤を使って塗膜を剥がしてしまうことも容易なので、プラスチック製品のルアーと比べ塗りやすいのも特徴です。 また、何個も塗装を考えている場合にも、手間を考えると業者にお願いするのが良いでしょう。

2.スプーンの塗装を自分でやるための基礎知識

スプーンの塗装は自分で行うことが可能です。必要な道具や塗装の手順などをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

2-1.必要な道具

スプーンの塗装を自分で行うのであれば、以下の道具をそろえる必要があります。 スプレーガンの代わりにスプレー缶を使うことも可能です。スプレー缶で塗装する場合は、コンプレッサーは必要ありませんがパターン調整や吹き出し量の調整がしづらいため、綺麗には塗れません。 スプーンの脱脂・洗浄には洗浄液アセトンを使いましょう。表面に付いた脂分などを除去するために使うものですが、脱脂剤がない場合は無水アルコールでも代用が可能です。また、ペインターはウロコや目などの細かい模様を付ける際に必要となります。模様を入れないのであれば必要ありません。

2-2.金属塗装の種類

2-2-1.スプレー(エアブラシ)塗装

エアブラシなどを使って霧状に塗料を吹き付けます。最もオーソドックスな塗装方法です。

2-2-2.浸漬(しんせき)塗装・ドブ付け

タンクなどにためた塗料の中に素材を浸して塗装する方法です。スプレーなどではムラができてしまうような複雑な形状をしたものを塗装するのに適しています。時間がかかることと、上と下で塗膜の厚みに差が出てしまうのがデメリットです。

2-2-3.電着塗装

塗料の中に素材を漬け、電気を流した際に発生する化学変化を利用して塗装する方法となります。浸して塗装するので、浸漬(しんせき)塗装同様に複雑な形状でも細部まで塗装できるのが利点です。化学の知識や専用の機器や設備が必要となるので、一般の方が行うのは難しいでしょう。

2-2-4.静電塗装

専用のスプレーガンで塗料をマイナスに帯電させ、プラスに帯電させた素材に静電気の引力を利用して付着させる塗装方法です。塗料の無駄が少ないのがメリットとなります。 これも専用の機械・設備が必要となるので一般的な塗装ではありません。

2-2-5.はけ塗り

刷毛(はけ)を使って塗装する方法です。伝統的な塗装方法で、数千年の歴史があります。

2-3.塗装の手順

2-3-1.分解

まずは塗装しないパーツ、針(フック)やリングを取り外す必要があります。

2-3-2.塗装を剝がす

耐水ペーパーなどを使って塗装を剝がしていきます。アルマイト加工しているものは色が取れないので必要ないように思えますが、研磨することで表面がざらついて塗装が密着しやすくなるので必ず行いましょう。ちなみに、表面をざらつかせるテクニックのことを「足付け」といいます。 または、剥離剤を使って塗膜を剥離する方法もあります。

2-3-3.マスキング

塗装しない場所をマスキングします。ブランクだけの状態であれば基本的にマスキングは必要ありません。

2-3-4.密着剤を吹き付ける

密着剤(プライマー)を吹き付けることで塗料の密着性を上げます。足付けをしておけば密着剤を使わなくても大丈夫ですが、うまく足付けができるか不安な人は密着剤を使いましょう。

2-3-5.下地を吹き付ける

下地を吹き付ける密着剤を吹き付けます。 10分程度乾燥させたらカラーリングしていきましょう。

2-3-6.カラー塗装

カラー塗装下地(密着剤)が乾燥したらウレタンカラーを吹いていきます。乾燥したらもう1~2回塗り重ねましょう。

2-3-7.クリアー塗装

クリアー塗装最後にクリアー塗装を吹き付けていきましょう。クリアー塗装を行うと光沢のある仕上がりになります。クリアー塗装は行わなくても問題ありませんが、光沢のあるスプーンは塗膜が厚いため塗膜保護という面でも、できれば行ったほうがよいでしょう。クリアー塗料が完全に乾いたら完成です。

2-4.塗装のポイント

塗装のポイントは「乾燥してから次を塗る」と「薄く何度も」「色の薄いカラーを塗るときは下地にホワイトを」の3つです。乾燥しないまま次の塗料を塗ると塗料が混ざったり、密着不良を起こす原因になります。乾燥を待つことは非常に重要となります。また、薄く何度も塗るのは、液だれや塗りムラを防いで仕上がりをよくするためです。また、素材が金属の場合だと塗料がしっかりと密着しづらいので、必ず足付けをしたり密着剤を使ったりしましょう。 蛍光色を塗る場合、隠ぺい力が弱いため一度下地にホワイトを塗装すると、より発色を強めることが可能となります。

2-5.よくある失敗について

スプレー缶の種類を確認しないで塗装に使うと、失敗するケースがあります。例えばラッカ系や水性のスプレー缶で塗装すると、塗膜が弱いためすぐに剥離を起こしたり、塗膜が黄色く変色(黄変)したりします。 塗料は素材に適したものを選択することが重要となってきます。 スプーンの場合は塗装には金属用の塗料が必要です。また、前述したように、金属に塗料を密着させるには足付けや密着剤が必要となります。 これらの工程をおこたると、塗膜が剝がれやすくなったり、クッラキング(シワ)が起きたりしますので、面倒くさがらず、しっかりと工程を踏んで塗装していきましょう。

3.スプーンの塗装に使う道具の購入や相談はどこにすればいい?

スムーズに塗装を行うために、道具の購入先や相談先などを把握していきましょう。

3-1.どこで購入すればいいの?

道具や塗料は通販サイト・塗装専門店・ホームセンターなどで購入するのが一般的です。スプレーガンやコンプレッサーなど、専門性が高い機器はホームセンターでも販売していますが専門知識を持った担当者が少ないので、専門通販サイトか塗料専門店のどちらかで購入するのがよいでしょう。

3-2.選び方

スプーンの塗装専用であれば、スプレーガンは小回りの利くエアブラシがよいでしょう。カラー塗料は派手なカラーや、ベイトに似せたカラーにするのが効果的なのでルアー専用のウレタンカラーを何色かそろえておくとよいでしょう。また細かな模様を描くのであればペインター(塗装用の筆)も購入しましょう。

3-3.初心者が気を付けるポイント

塗装の知識がない方が道具をそろえると、大きすぎて使いづらかったり無駄になったりすることが珍しくありません。初めのうちは、必ず専門知識のある方に「ルアーのスプーンを塗装したい」旨を伝えて、道具や塗料についてアドバイスをもらうことが重要です。

4.スプーンの塗装に関するQ&A

Q.塗装の仕方や道具についてはどこに相談すればいいですか? A.塗装専門業者に相談しましょう。ただし、同じ塗装業者であっても、車や家の塗装を専門にしている業者に相談しても、スプーンの塗装に関する正確な回答は得られません。必ず、釣り具の塗装を行っている業者に相談しましょう。 Q.細かい模様を描けない場合はどうすればいいでしょうか? A.ルアー用のシールが市販されています。通販サイトやディスカウントストアで数百円から購入できるので自分に合ったものを探してみてください。 Q.リペイントで傷を消すことはできますか? A.スプーンの素材の多くは金属です。そのため、細かい傷は付いてもめったに深い傷はつきません。細かいひっかき傷程度なら、十分にリペイントで消すことが可能です。 Q.塗装は屋外で行うべきでしょうか? A.このような小さなものを塗装する場合、基本は室内で行います。今ではお手頃価格で揃えられる「家庭用簡易ブース」があり換気も窓の外に出せるタイプが販売されていますので、小さなものを吹く場合は簡易ブースをそろえても良いでしょう。ブースがない場合は塗料や薄め液には有害な物質も含まれていますので屋外で塗装を行うようにしましょう。 QDIYと業者依頼はどちらがおすすめでしょうか? A.費用が気になってDIYを検討している方もいるはずです。しかし、DIYの場合でも、スプレーガンや塗料・薄め液などの初期費用がかかります。これからも継続的に塗装をするつもりならDIYのほうがお得ですが、頻繁に塗装するつもりがないのであれば業者に依頼したほうがよいでしょう。さらに、業者であれば仕上がりもきれいなのでリスクがありませんが、個人的にはDIYで挑戦してもらいたいです。自分で塗ったオリジナルスプーンで魚を釣る。そして釣った魚を食す。こんな素晴らしい体験ができるのもDIYならではだとは思いませんか?

まとめ

いかがでしたか?今回はスプーンの塗装に関する情報をご紹介しました。スプーンに限らずルアー塗装は、アングラー心をくすぐる素晴らしい遊びだと思います。自分で塗装し、自分で釣る、そしてそれを食す。 今では親子で塗装を楽しみ、釣りをし、釣った魚を料理して、親子で食する。そんな遊びが流行っています。難しいことは考えず、まずはマーカーペイント使ってリペイントを楽しんでみるのもよいかもしれませんね! 今回ご紹介した情報を、ぜひ参考にしてください。
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