自動車の塗料の違いや種類について解説!塗装の注意点とは?


車のボディーを守り、美しく見せる役割の塗装ですが、自分で自動車の塗装を行おうとしたとき、塗料選びによって仕上がりが変わってきます。愛車を美しく保つためにも、塗料の違いや種類を把握していないといけません。

今回は、塗料の違いや種類について解説していきます。

目次

1.自動車用塗料の種類と特徴
 水性塗料
 ウレタン塗料
 ラッカー塗料
2.塗料のカラーの種類
 ソリッド
 メタリック
 パール
 マイカ
3.自動車の塗装とは
 下地
 中塗り
 クリア
4.自動車の塗装方法に関して
 スプレーガン
 缶スプレー
 ローラー塗装
5.DIYで塗装する場合の注意点
 Point1:色の調合は塗装業者にやってもらう
 Point2:作業場所の確保
 Point3:愛車の塗料を確認する
6.まとめ

自動車用塗料の種類と特徴

(画像引用元:Canva)

自動車用塗料は大きく分けて、「水性塗料」と「ウレタン塗料」、「ラッカー塗料」の3種類になります。

水性塗料

水性塗料は、有機溶剤(トルエン、キシレンなど)を必要としない、または溶剤の量を大幅に減らした塗料で、主成分は水です。有機溶剤は、人体に悪影響を及ぼすため、現在販売されている新車の塗装は、水性塗料が主となっています。

メリットデメリット
水で薄めるので扱いやすい
人や環境にやさしい
値段が比較的安価
耐久性が低い
乾燥に時間がかかる
塗料の長期保管が難しい

ウレタン塗料

ウレタン塗料をスプレーガンで塗装すると、艶があり綺麗な仕上がりになります。現在多くの板金塗装で使用されています。

ウレタン塗料は主成分として、ウレタン系樹脂を使用しています。ウレタン塗料の中でも、油性ウレタン塗料と水性ウレタン塗料があります。油性ウレタン塗料は、2液性で硬化剤を混ぜて使用します。

水性ウレタン塗料は1液型ですが、塗装できる材質が限られているため、自動車の塗装には向いていません。

メリットデメリット
艶のある仕上がりになる
変色しずらい
耐久性に優れている
シンナー臭がする
初心者には扱いが難しい

ラッカー塗料

ラッカー塗料は、塗装を行うと中の溶剤が蒸発することによって硬化します。缶スプレーのほとんどが、ラッカー塗料ですが、なかにはウレタン塗料もあります。

数十年前は塗装業でも、よく使われていましたがガソリンや溶剤に溶けやすく、耐久性に劣ります。

塗料のカラーの種類

塗料の色によっても違いがあります。

ソリッド

ソリッドは下地の透けない単色カラーのことで「白、黒、赤、青」などです。
ソリッドはクリア塗装をしなくても良いぶん、初心者の方でも塗りやすいカラーですが、ウレタンクリア塗装をすると耐久性が上がるうえ、高級感もでます。

メタリック

メタリックは、ソリッドにアルミ金属片の微粒子を混ぜた塗料です。
メタル調のキラキラした輝きが特徴です。

パール

ソリッドに、雲母の粉を混ぜた塗料です。
粒子が細かくパールのような、上品な輝きが特徴です。
パールはベースのカラー後クリアー系の塗料に混ぜて吹くのが一般的です。

マイカ

マイカは雲母という鉱物のことです。
表面は半透明で光が複雑に反射して独特な輝きが特徴です。

自動車の塗装とは

(画像引用元:イラストエイト)     

自動車の塗装は耐久性のある塗装にするために、基本的に4層で仕上げられています。それぞれの層の役割を解説していきます。

下地

塗装のベースとなるのが下地です。ウレタンサフェーサーが一般的で色はグレーが一般的で、防錆効果があります。
下地を塗装しないと、時間とともに錆が発生し、腐食の原因となります。

中塗り

中塗りは、下塗りと上塗りの密着を高めるために塗装面を整え、上塗りを美しくするための役割があります。仕上げの塗装になり、実際のボディ色になるため特に丁寧に仕上げたい工程です。
ソリッドカラーの場合は、最終工程になりますがその後クリアー塗装するのが一般的です。

クリアー

クリアは塗装を保護するため、最後の仕上げとして塗装を行います。クリアー塗装を行うと耐久性を上げ、艶のある仕上がりになります。ソリッドカラーはクリア塗装は行わなくても良いですが、高級感を出すためにクリアー塗装を行う場合もあります。

自動車の塗装方法に関して

(画像引用元:Canva)

塗装を行うには道具が必要になりますが、何を使うかによって仕上がりも、所要時間も変わってきます。スプレーガンで塗装するには、「スプレーガン」「コンプレッサー」「エアホース」など様々な道具が必要になってくるため、本格的に道具を揃えるとなるとかなり高額になります。

しかし、スプレーガンで塗装すると均等に吹けると共に刷毛目も出ないため綺麗な仕上感が高く、挑戦する価値はあると思います。

スプレーガン

スプレーガンは、プロが使用するイメージですが、塗装の初心者が使おうとすると、メリットもデメリットもあります。以下で、詳しく解説していきます。

  • 塗料を均一に塗りやすい
    スプレーガンを使うと広範囲に塗装が可能なため、塗料を均一に塗ることができ、仕上がりが綺麗になります。
  • 時間の短縮になる
    広範囲に塗装できることは、塗装時間の短縮につながり作業を大幅に軽減することができます。
  • 費用がかかる
    コンプレッサーや、スプレーガン、使用する塗料など本格的なものばかり初期費用が高額になってしまいますので今後塗装を行うのであれば、持っていても良い設備かと思います。
  • 塗料の飛散が多い
    スプレーガンは、他の塗装方法に比べて塗料の使用量が多く塗装したくない場所まで付着してしまいます。そのため、塗料を塗りたくない場所には適切な養生が必要です。

缶スプレー

缶スプレーでの塗装の特徴は以下のようなことが挙げられます。

  • 初心者でも扱いやすい
    上部のボタンを押すだけで塗料が出るため、面倒な調整や準備をすることなく手軽に始めることができます。
  • コツを掴めば綺麗な仕上がりにできる
    缶スプレーでの塗装は、仕上がりが良くないイメージですが、適切な方法でコツさえ掴めば綺麗に仕上げることができます。
  • 吐出量の調整ができない
    スプレーガンと違い、塗料の吐出量やパターン調整ができないため、塗料が垂れる可能性があるため、薄く塗り重ねていく必要があります。

缶スプレーで塗装する際のコツは以下です。
1.一定の距離をキープする(15cm~25cm)
2.一定の塗装スピードをキープする
3.試し吹きを行う
4.噴射パターンの1/3程度を塗り重ねて塗装する

ローラー塗装

ローラー塗装では、他の塗装方法のように凹凸の無い綺麗な塗装面を仕上げることはできませんが、独特の凹凸感や仕上がりになるため個性的な塗装でオリジナリティを出したい方におすすめの手法です。

  • 塗料が飛散しない
    スプレー塗装とは違い、ローラー塗装は塗料が飛散しないため、服装も普段着のままで手軽に作業が行えます。
  • 細かい場所も塗りやすい
    スプレーガンなどでは、塗りにくい細かい部分や部品の裏側などもローラー塗装であれば塗装することが可能です。
  • ゆず肌になりやすい
    ゆず肌とは、塗装表面に凹凸が出てしまうことです。
    ローラー塗装の特性上、鏡面のような綺麗な塗装面に仕上げることができませんが、薄め液の量や塗料の塗布量を工夫することで仕上がりを調整することが可能です。

DIY塗装する場合の注意点

Point1:色の調合は塗装業者にやってもらう

スプレーガンで部分塗装をする場合、仕上がりにこだわるのであれば、塗装業者に色を作ってもらうのも、1つの手です。

新たに塗装をした部分は他と比べると色の差が出やすく、ボカシをいれるのも初心者には難しいと思います。最初から調合した色を使用すれば、難しい手順が省かれます。

Poin2:作業場所の確保

塗装作業を行うに当たって、匂いや塗料の粒子が飛散することを考え、近所迷惑にならない場所を選びましょう。高温や直射日光、風を防げる所、出来れば屋根と壁がある場所がベストです。
また湿度の高い場合(湿度70%以上)の塗装は避けましょう。
湿度が高いとカブリ(白化)現象を起こす場合があります。

Point3:愛車の塗料を確認する

もし、自分の車を塗装する機会があるとしたら、自分の車の塗装は水溶性なのか油性なのかを確認しましょう。もともと、水性で塗装してあるボディーならば、水性で塗装するのが良いからです。

まとめ

自動車の塗料には、さまざまな種類があります。種類によって、特徴が異なるため見た目や耐久性が変わってきます。

DIY塗装を行う場合には自分の車は水性塗料なのか油性塗料なのか、必ず確認してから必要な物を段取りしましょう。

塗装を行う際は、近所迷惑にならないように場所の確保が重要です。


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