車の塗装前に行う下地処理の重要性とは?【DIYする方法】


車の塗装を行う時に重要になってくるのが、下地処理です。下地処理を念入りにしないと、塗料の乗りが悪くなったり、表面が滑らかに仕上がらなかったりします。

下地処理は、塗装を美しく仕上げるために重要な作業になります。

塗装の経験がない人は「自分で塗装をするのは無理」だと思うかもしれませんが、失敗しないコツを得ることで、DIY塗装とは思えないレベルに仕上がります。

目次

1.塗装前の下地処理はなぜ重要なのか
1-1.車の下地処理とは?
1-2.下地処理の重要性
1-3.車の輝きが無くなっていく理由
2.【DIY】塗装前の下地処理の方法をご紹介!

 2-1.必要な物を準備する
3.【手順】下地処理の手順
 Step1:洗車をする
 Step2:ボディの鉄粉を除去
 Step3:ボディの水垢を除去する
 Step4:ボディのイオンデポジットを除去する
 Step5:コンパウンドで研磨する
 Step6:脱脂をする
 Step7:プラサフを塗る
3.車の下地処理を行う上での注意点
4.まとめ

DIYでやってみたいと思っている人のために下地処理の手順も解説していきますので、「自分でやってみたい」という人は挑戦してみてください。

塗装前の下地処理はなぜ重要なのか

(画像引用元:Canva)

車の下地処理とは

車の塗装をする前にボディーなどを研磨することでキズや付着物を取り除き、滑らかな表面にする作業です。下地処理は、時間がかかる作業ですが丁寧に行わないと塗装に影響してきます。

下地処理を丁寧に行うことで、塗装後の輝きが変わってきますし、塗装の寿命も変わってきます。

下地処理の重要性

月日がたつと車のボディはくすみや色あせによって、輝きがなくなっていきます。美しいボディを蘇らす方法として、再塗装があります。車の塗装で最も重要なのが、下地処理です。

下地処理を丁寧に行っていないと、塗装面にザラつきがでたり、色ムラができたりし美しく仕上がりません。下地処理には手間と時間がかかりますが、手を抜くと塗装後の仕上がりに大きく差がでてきます。「美しく仕上がるかどうかは、下地処理にかかっている」といっても過言ではありません。

車の輝きが無くなっていく理由

洗車をしても、輝きが徐々に無くなっていく理由は以下のようなことが考えられます。

  1. 洗車やワックスがけによってスクラッチができる
  2. 鉄粉が付着して表面がザラザラになる
  3. 水垢やイオンデポジットによってくすみが出てくる

【DIY】塗装前の下地処理の方法をご紹介!

(画像引用元:99工房)

下地処理を塗装業者に頼むのは簡単ですが、その分お金もかかります。DIYでは、費用面を抑えることができるだけでなく、自分の車によりより愛着が湧くと思います。

美しく仕上げるためには、丁寧な作業ができるかが、ポイントになってきますので、以下の手順を参考にぜひ挑戦してみてください。

必要な物を準備する

まずは、車の下地処理に必要な物を準備しましょう。
事前に漏れなく準備することで、作業開始後に中断することなく円滑に進めることができます。

【手順】下地処理の手順

以下では、具体的に車の塗装前の下地処理についてわかりやすく解説します。
実際の手順に沿って解説していくので、初心者の方でも実践することができます。

Step1:洗車をする

洗車をするときは、スポンジでいきなりこするのではなく、最初にホコリなど水で落ちる汚れは洗い流してからカーシャンプーとスポンジを使って洗車しましょう。

シャンプーはバケツでよく泡立てて使うことで、ボディーへの負担を軽減させます。

Step2:ボディの鉄粉除去

洗車では落ちないザラザラがある場合、鉄粉を含む汚れが残っている状態です。鉄粉を除去するには、トラップ粘土や鉄粉落としスポンジなどを使います。

使い方は、濡れたボディーに粘土や鉄粉落としスポンジを、すり当てて鉄粉を絡み取っていきます。

Step3:ボディの水垢を除去する

水垢には、大きく分けて水性の水垢と油性の水垢があります。水垢の種類によって落とし方が違うので、それぞれ解説していきます。

水性の水垢は、
大気中のチリなどが車のボディに付着し、雨が降り乾燥すると落ちきらなかった汚れが、水垢として残ります。

油性の水垢は、
ワックスなどの油分が残っているところに、汚れが付着してできます。

水性の水垢であれば、洗車で落とすことができます。油性の水垢は時間がたつにつれて、固着し落ちにくくなっていくので、洗車しただけでは落ちません。

除去するには、専用の水垢除去剤をつかいます。水で濡らしたスポンジに水垢除去剤をスポンジに付け、ボディーを軽く擦っていきます。

Step4:ボディのイオンデポジットを除去する

水垢除去剤でおちないシミはイオンデポジットの可能性があります。イオンデポジットとは水垢の一種で、水滴が蒸発し不純物が残り、白いリング状になったものです。イオンデポジットは1度付着してしまうと、洗車だけでは落ちないのでイオンデポジット除去剤を使います。

使い方は、除去剤をマイクロファイバークロスに含ませ、ボディーに塗りこんでいきます。次に、乾いたマイクロファイバークロスでふき取って完成です。

Step5:コンパウンドで研磨する

コンパウンドで、ボディーのスクラッチやウォータースポットを除去していきましょう。
ウォータースポットとはボディに残った雨粒が、日光に晒(さら)されることによって水滴がレンズの役目となり、ボディの塗装が焼けてしまい、凹凸ができてしまう状態です。

コンパウンドにはペーストタイプと液体タイプがあります。
選び方は、細かい所や狭い場所には使い勝手のよいペーストタイプ、広範囲を磨く場合は液体タイプをつかいましょう。また、粒子の大きさによっても種類があるので、キズの状態によって選ぶことが重要です。

一通りのコンパウンド研磨の作業が一通り終ったら、薬剤を残さないためにもう1度洗車をします。

Step6:脱脂をする

洗車によってボディの塵やコンパウンド残りカスなどが除去できれば、最後にボディに残った油分を取り除いていきます。脱脂作業には、シリコンオフを吹きかけ、柔らかい布でボディ全体を優しくふき取ります。

Step7:プラサフを塗る

車の塗装を行う上で、プラサフは最初に塗る塗料で、カラー塗料との密着性を高め塗装の寿命を長くしてくれます。「プラサフ」とは下地塗料の「プライマー」と中塗り塗料の「サーフェイサー」のいいとこどりをした塗料です。

プラサフには、「ホワイトプラサフ」と「グレープラサフ」がありますが、使うカラー塗料の色によって使い分けをしましょう。

明るい色(白・赤・黄色など)を塗装する時は、「ホワイトプラサフ」を使い、暗めな色(黒・青・紺色など)を塗装する時は、「グレープラサフ」を使うと深みが出やすくなります。

※プラサフは金属部分専用
アルミ、バンパーなどには使用しないでください。鉄以外のパーツには、それぞれ専用のプライマーが必要となります。

車の下地処理を行う上での注意点

(画像引用元:Canva)

これから初めて、車の下地処理を行い初心者の方に下地処理の作業をするときに、注意しなければいけないことを挙げました。

  • 炎天下や強風は、作業に支障がでるので可能であれば、屋根と壁があるスペースが良いでしょう。
  • ボディーにキズが付かないように、作業服はボタンやファスナーがむき出しになっていない服で行いましょう。
  • スプレー作業を行うので、近所迷惑にならないよう場所の確保をしましょう。

下地処理の作業行程自体は、難しい作業は少ないですが、事前準備や作業スペース、作業環境など適切にすることが重要となるため、上記で説明した注意点を意識することが大切です。

まとめ

今回、「車の塗装前に行う下地処理の重要性」について解説してきましたがいかがでしたでしょうか?
途中、実際の作業手順についても解説し、よりイメージが湧きやすかったと思います。

車のボディに、目に見えない汚れが残っていると、塗装の仕上がりが悪くなってしまいます。下地処理を丁寧に行うことができれば、塗装後の美しさが際立ってきます。

逆に、下地処理をしっかりやっていないと、いくら塗装の腕が良くても綺麗な仕上がりにはなりません。下地処理は時間も手間もかかる作業です。初心者の方は、いきなり広範囲から行うのではなく、最初は小範囲から始めてみてはいかがでしょうか。


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