車の塗装方法には様々な種類があり、車を個性的にDIYすることも可能になっていますが、近年ではチッピング塗装に注目が集まっています。チッピング塗装は、様々な車に塗装できますが、特にオフロード車に向いていて、個性がより引き立つ塗装方法です。
しかし、チッピング塗装をよく知らない方は、DIYの選択肢に入れていいのか迷っていること思います。
この記事では、チッピング塗装の特徴やメリット、デメリット、施工方法を紹介します。さらに、チッピング塗装を施した後の注意点も説明していきますので、より理解を深めることができるでしょう。
目次
1.車のチッピング塗装とは?
2.車のチッピング塗装のメリット
2-1:重厚感を演出できる
2-2:周囲との差別化を図れる
3.車のチッピング塗装のデメリット
3-1:ほこりがたまりやすく、こまめに洗車が必要
3-2:紫外線に弱い
4.車のチッピング塗装の施工手順
5.車のチッピング塗装の注意点
6.まとめ
車のチッピング塗装とは?
チッピング塗装とは、粒子状の添加物を含んだ塗料を吹き付ける塗装方法で、車などに吹き付けると、表面がザラザラした質感になります。防錆効果が高く、飛び石などの小さな衝撃に強いため、車体を傷から守るための塗装です。
デザイン面でも通常の塗料とは違う特徴を持っており、ザラザラした表面に加え、光沢感やツヤなく、マットな仕上がりになります。近年では、独特な存在感を出せるチッピング塗装に魅力を感じて、チッピング塗装を施す方も多く、耐久力を高めるというよりは、そのデザイン性に注目している方が多いです。
缶スプレーやスプレーガンで手軽に施工でき、塗装の失敗も少なく容易なため、DIYの選択肢として検討のしやすいのもポイントです。
車のチッピング塗装のメリット
デザイン性への注目が高まっているチッピング塗装ですが、詳しくメリットを紹介していきますので、参考にしてみてください。
重厚感を演出できる
チッピング塗装のザラザラした質感や、ツヤがないマットな仕上がりは、通常の塗装では真似できない重厚感を演出できます。
車体サイズの大きいオフロード車にチッピング塗装を施せば、より重厚感のある外観に仕上げることが可能です。
周囲との差別化を図れる
車の塗装は、個性を引き出す為に大きな役割を果たしていますが、よくある通常の塗装では、同じ色や光沢感の車が多いため、個性を出しづらくなっています。
そこで、見た目がザラザラしていて、マットな仕上がりのチッピング塗装を施すことで、他の車とは一線を画した個性的な車に仕上がり、周りとの差別化が図れます。
他のユーザーと車の見た目で差を付けたい方には、ピッタリの塗装方法です。
車のチッピング塗装のデメリット
次に、チッピング塗装のデメリットを紹介していきます。
独特の塗料のため、デメリットもいくつか存在しますので、塗装を実施する前にデメリットに関してもよく理解しておきましょう。
ほこりがたまりやすく、こまめに洗車が必要
チッピング塗装は、表面がザラザラしている為、通常の塗装に比べてほこりや泥などの汚れがたまりやすくなります。汚れを放置すると、見た目も悪くなりますが、塗装を痛める原因にもなりますので、こまめな洗車が必要です。
詳しくは後述しますが、チッピング塗装はデリケートなため、塗装後のメンテナンスは欠かせません。
紫外線に弱い
チッピング塗装は、表面をクリアーで保護していないので、紫外線の影響を直接受けてしまい、劣化しやすいというデメリットがあります。
チッピング塗装後に艶消しの透明を塗ってコーティングするのも塗装面を長持ちさせるコツかもしれません。
塗装の劣化が早いと、色あせや塗料の剥がれが発生してしまい、せっかくのチッピング塗装が台無しになるばかりではなく、再塗装を頻繁に行う必要があるため、手間やコストが増える恐れもあります。
塗装を長持ちさせたい場合、車を使用していないときは、カーポートや車庫に保管したり、カバーをかけて、紫外線をなるべく受けない様に工夫がおすすめです。
車のチッピング塗装の施工手順
次に、チッピング塗装の施工手順について紹介していきます。正しく塗装を実施できれば、キレイな仕上がりを実現できるとともに、塗装も長持ちしやすくなります。
Step1:下地処理
チッピング塗装を行う前に、まずは下地処理をします。下地処理することで塗装の密着力を高め、塗装が長持ちしやすくなるため、非常に重要な工程です。
最初に、表面の汚れや油分はしっかり落とし、足付けします。足付けすることで、塗装の密着力が向上しますので、400番程度のサンドペーパーで、表面に細かい傷を作るイメージで作業しましょう。
足付けが完了しましたら、削りカスを取り除き、しっかり脱脂してから次の工程に移ります。
Step2:プライマーの塗布
下地処理が終わりましたら、次はプライマーを塗布していきます。プライマーは、塗料の密着力を高める効果があり、チッピング塗料を剥がれにくくしてくれますので、なるべく塗布するようにしましょう。
足付けをした場合は、密着剤を塗布する必要はございません。
プライマーの塗布は、缶スプレーやスプレーガンを使用しますが、吹き付けの際は、15~20cm程度離れたところから薄く吹き付けます。
1度で厚塗りをするのではなく、2~3回に分けて薄く重ね塗りをすることで、ムラなく塗装できます。
プライマーの乾燥時間は概ね10分~1時間位ですが、気温や湿度などによって乾燥時間は変化しますし、メーカー毎の乾燥時間の目安がありますので、作業前に説明書をよく読んでください。
Step3:チッピング塗装の施工
プライマーが乾燥しましたら、いよいよチッピング塗装を施工していきます。
缶スプレーやスプレーガンで、15〜20cm程度離れた所から吹き付けていきますが、一度に厚く吹き付けるのではなく、2〜3回に分けて重ね塗りをするので、均一になるように薄く吹き付けてください。
重ね塗りの間隔は、メーカーによって違いはありますが、1回吹き付けたら5~10分位の間隔をあけてから重ね塗りをするようにしましょう。
塗料の表面が硬化する目安は、30分~1時間程度が目安ですが、硬化時間は気温や湿度によっても変化し、メーカーによって硬化時間に違いがあるため、取扱説明書でよく確認してから作業してください。
また、塗装が完全に乾燥するには数日から1週間以上かかります。厚塗りし過ぎると乾燥に時間がかかってしまいますので、注意しましょう。
車のチッピング塗装の注意点
チッピング塗装はとてもデリケートですので、塗装後にもしっかりケアする必要があります。
デメリット解説の時も触れましたが、塗装のザラザラした部分にゴミや汚れが溜まりやすいので、こまめに洗車が必要です。洗車機を使用すると、塗装を傷めやすいので、基本的に洗車は手洗いで行いましょう。
スポンジは柔らかいものを使用し、塗装を傷めないように優しくこすります。汚れが酷い場合は、中性のカーシャンプーを使用して下さい。
洗い終わったら、柔らかいタオルで水気をしっかり拭き取りますが、塗装を擦り過ぎないように注意しましょう。
また、汚れが酷いからと言って、細かい粒子の入ったコンパウンドやワックスなどで磨いてしまうと、塗装が剥がれてしまう可能性がありますので、コンパウンドやワックスの使用は控えてください。
まとめ
本来、チッピング塗装は飛び石などの傷から車両を守るための塗装ですが、近年ではそのデザイン性に引かれてDIYを実施する方が増えています。チッピング塗装は、車の重厚感を演出できたり、周りとの差別化を図れたりとメリットが多いです。
しかし、チッピング塗装はデリケートで、紫外線に弱かったり、汚れやホコリが溜まりやすいので、こまめに汚れが気になる方にとっては小まめに洗車する必要があり、手間かかります。
チッピング塗装は、通常の塗装と比べると、メンテナンスに手間がかかりますが、とても魅力的な塗装方法です。特徴をよく理解して、自分に合っていると感じたなら、ぜひ塗装にチャレンジしてみてください。