
スプーンのリペイントでステップアップ! アングラ―のための塗装知識!
スプーンはさまざまなルアーの原型ともいわれ、現在でも多くの釣り好きに親しまれています。しかし、スプーンは釣りの技術が大きく影響するといわれており、使いこなせない人も珍しくはありません。そんな方におすすめしたいのがスプーンの再塗装(リペイント)です。効果的な色や模様をリペイントする技術を習得し、アングラーとしてステップアップしましょう!
- スプーンを塗装するメリットとは?
- スプーンの塗装を自分でやるための基礎知識
- スプーンの塗装に使う道具の購入や相談はどこにすればいいの?
- スプーンの塗装に関するQ&A
1.スプーンを塗装するメリットとは?
まずは、スプーン塗装の魅力を把握していきましょう。1-1.スプーンを塗装するメリットとは?
主にトラウトフィッシングによく使われるスプーンは、非常に単純な構造をしていて大きく分けると、「ティアドロップ型」・「リーフ型」の2種類に分かれます。 「ティアドロップ型」はカップが大きくお尻を左右に振り、水をよく噛み波動が強いとされています。 「リーフ型」はロール系の動きで細長く、カップが浅いのが特徴です。 どちらも、釣りの技術が試されるルアーです。しかし、どんなに技術を持っていても、魚に食いついてもらうには美味しそうな色や模様が施されている必要があることも忘れてはいけません。たとえば、季節によって捕食している昆虫をイメージしたカラーや小魚(ベイト)を演出するカラーを塗装するのが良いとされています。 よりリアルカラーを求めてウロコ模様を演出しマッチザベイト(捕食している小魚カラー)により似せていく塗装を施すのも、ビルダーにとって塗装の醍醐味といえるでしょう。より似せた塗装ができればヒット率も上がるはずです。このように、スプーンのペイントは釣行以前の楽しみや、自作スプーンでのヒットシーンを妄想させることのできる楽しい作業になるでしょう。釣は自然相手のスポーツです。せっかく休みなのに天候が悪く釣りにいけない…なんて悩んでいる方は、ぜひリペイントに挑戦してみたらいかがでしょうか?1-2.スプーン塗装の特徴
スプーンは金属で作られるのが一般的で、中でも多く使われるのが真鍮(しんちゅう)です。軟らかく加工が簡単で、さらに安価なのが特徴となります。そのほか、銅・鋼・ステンレス・アルミニウムなどが一般的な素材です。ステンレス以外の素材は基本的にメッキ・アルマイト加工がされています。1-3.リペイントの方法:自分でできるか、業者へ依頼か
メッキやアルマイトの上から塗装する方法は、塗料が剝がれやすく自分で塗装するのは難しいでしょう。しかし密着剤(プライマー)などを使えば塗装は簡単です。 また、スプーンに限らずルアーはサイズが小さいので細かいパーマーク模様を描いたりするのは大変です。安いスプーンであれば自分でやるがお勧め! 金属素材なので失敗したら剥離剤を使って塗膜を剥がしてしまうことも容易なので、プラスチック製品のルアーと比べ塗りやすいのも特徴です。 また、何個も塗装を考えている場合にも、手間を考えると業者にお願いするのが良いでしょう。2.スプーンの塗装を自分でやるための基礎知識
スプーンの塗装は自分で行うことが可能です。必要な道具や塗装の手順などをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。2-1.必要な道具
スプーンの塗装を自分で行うのであれば、以下の道具をそろえる必要があります。- 剥離剤・リムーバー(塗膜を剥がすための塗料)プラスチック不可
- スプレーガン(エアブラシ0.3口径)
- エアブラシ専用コンプレッサー
- エアブラシ専用コイルホース
- 密着剤(プライマー)
- ルアー専用ウレタンカラー
- ウレタン蛍光塗料
- 蓄光粉・グロー(光らせるための粉)
- ウロコ模様(スケールシルバー)を演出させる塗料
- ウレタンクリアー
- 薄め液
- 洗浄液アセトン
- ペインター
- マスキングテープ
- 簡易塗装ブース(家庭用ブース)
- 新聞・ビニールシート
- 軍手
2-2.金属塗装の種類
2-2-1.スプレー(エアブラシ)塗装
エアブラシなどを使って霧状に塗料を吹き付けます。最もオーソドックスな塗装方法です。2-2-2.浸漬(しんせき)塗装・ドブ付け
タンクなどにためた塗料の中に素材を浸して塗装する方法です。スプレーなどではムラができてしまうような複雑な形状をしたものを塗装するのに適しています。時間がかかることと、上と下で塗膜の厚みに差が出てしまうのがデメリットです。2-2-3.電着塗装
塗料の中に素材を漬け、電気を流した際に発生する化学変化を利用して塗装する方法となります。浸して塗装するので、浸漬(しんせき)塗装同様に複雑な形状でも細部まで塗装できるのが利点です。化学の知識や専用の機器や設備が必要となるので、一般の方が行うのは難しいでしょう。2-2-4.静電塗装
専用のスプレーガンで塗料をマイナスに帯電させ、プラスに帯電させた素材に静電気の引力を利用して付着させる塗装方法です。塗料の無駄が少ないのがメリットとなります。 これも専用の機械・設備が必要となるので一般的な塗装ではありません。2-2-5.はけ塗り
刷毛(はけ)を使って塗装する方法です。伝統的な塗装方法で、数千年の歴史があります。2-3.塗装の手順
2-3-1.分解
まずは塗装しないパーツ、針(フック)やリングを取り外す必要があります。2-3-2.塗装を剝がす
耐水ペーパーなどを使って塗装を剝がしていきます。アルマイト加工しているものは色が取れないので必要ないように思えますが、研磨することで表面がざらついて塗装が密着しやすくなるので必ず行いましょう。ちなみに、表面をざらつかせるテクニックのことを「足付け」といいます。 または、剥離剤を使って塗膜を剥離する方法もあります。2-3-3.マスキング
塗装しない場所をマスキングします。ブランクだけの状態であれば基本的にマスキングは必要ありません。2-3-4.密着剤を吹き付ける
密着剤(プライマー)を吹き付けることで塗料の密着性を上げます。足付けをしておけば密着剤を使わなくても大丈夫ですが、うまく足付けができるか不安な人は密着剤を使いましょう。2-3-5.下地を吹き付ける

2-3-6.カラー塗装

2-3-7.クリアー塗装
