自分で車をスプレー塗装!簡単にDIYする手順とコツを解説!


愛車に傷が入ってしまったとき、どうしますか?少しの傷なら傷消しで消えますが、深く入ってしまった傷は、コンパウンドでも消せません。

今すぐ直したいとき、「自分で塗装できたら」と思ったことはありませんか?
車の塗装は手順をマスターすれば、スプレーを使って簡単に元に戻せます。

目次
1.車のスプレー塗装のデメリット・メリットとは?
1-1.自分で塗装する場合のメリット
1-2.自分で塗装する場合のデメリット
2.スプレー塗装を行う前の注意点は?
2-1.作業場所を確保する
2-2.時間を確保する
3.スプレー塗装に必要なもの
3-1.耐水ペーパー
3-2.シリコンオフ
3-3.プラサフ
3-4.ボカシ剤
3-5.カラースプレー
3-6.クリアスプレー
3-7.コンパウンド(磨き・仕上げ用)
3-8.その他
4.スプレー塗装の手順
4-1.耐水ペーパーで車を研磨する
4-2.脱脂をする
4-3.マスキングをする
4-4.プラサフ(下地塗料)
4-5.脱脂をする
4-6.ボカシ剤で馴染ませる
4-7.スプレーで着色する
4-8.クリアー剤で保護する
4-9.ボカシ剤で馴染ませる
4-10.コンパウンドで磨く
5.スプレー塗装で失敗しないコツ
5-1.しっかりと脱脂する
5-2.ためし吹きをする
5-3.一定の距離で塗装
5-4.一定のスピードで塗装
5-5.乾燥時間
6.塗装を失敗したとき
6-1.耐水ペーパーで削る
6-2.専用液で落とす
7.まとめ

車のスプレー塗装のデメリット・メリットとは?


実は、品質にこだわらなければ専門の業者でなくても、車をスプレーで簡単に塗装することはできます。

もちろん、メリット・デメリットが存在するため、その点を理解した上で行う必要があるため、まずは自分で塗装するメリット・デメリットについて詳しくご紹介していきます。

自分で塗装する場合のメリット

①安く済む

自分で塗装する最大のメリットは値段が安く済むことです。専門の業者に頼むと最低でも20万円程度の費用が必要となります。そのため、品質や仕上がりにこだわりはない方は自分で塗装することがおすすめです。

②手軽さ

予約が必要な専門の業者に比べて、自分のタイミングで施工できるため手軽に塗装を行うことができます。面倒な予約や入庫、代車の準備、私生活の調整などが一切不要なのでじかんが無い方にはおすすめです。

また、最初に使うものを揃えてしまえば、少し擦ってしまったなんて時でも手軽に修復することができるものメリットです。

③仕上がり

部分的な補修に適しているタッチペンを使った塗装は、表面にどうしても凹凸が残りますが、スプレー塗装の場合は均一に塗装ができるため、表面が滑らかに仕上がります。

自分で塗装する場合のデメリット

色の再現が難しい

純正色や、単色などであれば同色のスプレーが販売されていますが、色褪せた車や特殊なカラーの車などは全く同じに再現することは難しいため、施工する面積を大きくしてボカシして目立たなくする必要があります。

色ムラができやすい

スプレー塗装に慣れていないと、塗料を均一に塗布することが難しく色ムラになりやすいです。初心者でよくありがちなのが、塗料をケチって必要最低限の箇所に集中的にスプレーしてしまう点です。なるべく大きいストロークで塗料がふんわりと優しく付着するようにしていく必要があります。

液だれしやすい

専門業者が使用するコンプレッサーを使ったスプレーに対して、スプレー缶は塗料の粒子が大きく、液だれを起こしやすいのがデメリットです。この点は安さ上に発生してしまうので、DIYで塗装する上では避けることができない点です。

事前にスプレー缶をお湯で暖めておくなどの対策で少しはマシになりますが、品質を気にされる方は専門業者への依頼がおすすめです。

スプレー塗装を行う前に注意点は?

DIYでスプレー塗装を行う上での注意点をご紹介します。
事前にしっかりと確認し、段取りを行うことで施工時のミスや品質を高めることができます。

作業場所を確保する

スプレー塗装作業を行う際、1番に場所を確保が必要です。塗料は臭いがキツイ上に、スプレーの粒子が飛散するので、ご近所さんには十分に配慮しましょう。

天候に左右されないガレージなどが一番ですが、駐車場が無い人や、住宅街に住んでいる人はスペースの確保が難しいかもしれません。

作業スペースがどうしても見つからない人は、スペースを借りるという手もあります。
ゴーゴーガレージ」では全国の提携自動車工場(ファクトリー)を紹介してくれ、「作業場所」や「設備」や「工具」などをレンタルできます。

レンタルピットの料金平日土日祝
基本料金・延長料金(30分毎)¥1,100¥1,375
3時間利用¥5,500¥6,875
6時間利用¥8,800¥11,000
8時間利用¥11,000¥13,750

時間を確保する

スプレー塗装の場所が確保できれば、次は作業時間を確保する必要があります。車の塗装には、パーツの脱着やマスキングなど下準備に時間と塗装の乾燥時間も含めると2週間程度は必要になります。

また、雨の日は塗料が乾きにくく、晴れた日は暑すぎて塗料が固まりすぎるなど天候にも左右されやすいので慎重に選ぶ必要があります。

スプレー塗装に必要なもの

以下では、車のスプレー塗装を行うのに必要な道具についてご紹介します。
しっかりとした準備を行い、スプレー塗装を行いましょう。

  • 耐水ペーパー
  • 脱脂剤
  • プラサフ
  • ボカシ剤
  • カラースプレー
  • クリアー剤
  • コンパウンド(磨き・仕上げ用)

耐水ペーパー

耐水ペーパーは、キズの表面を滑らかにする紙ペーパーです。使用時に水を付けて研磨します。水を付けることで目詰まりを少なくし、摩擦熱を抑えます。

シリコンオフ

シリコンオフは、下地面に付いたオイルや汚れを落とすためのスプレーです。

プラサフ

「プラサフ」とは、下地塗料の「プライマー」と中塗り塗料の「サーフェイサー」を合わせた言葉です。

プラサフは下塗りと中塗の工程を1工程ですむように作られています。プラサフ塗装を行うことで錆を防ぐとともに、ボディとカラーペイントの密着を高めるための下地剤です。

ボカシ剤

塗装を行うと、古い面との境目がでてきます。ボカシ剤は色ムラをなじませてくれ、境目をわかりにくくしてくれます。

カラースプレー

塗装のメインのカラースプレーですが、まず自分の車の色を確認しましょう。カラーナンバーは「型式表示プレート」を確認しましょう。「型式表示プレート」は車種によって表示されている場所が違います。

国産車「型式表示プレート」表示場所

運転席側センターピラーホンダ・マツダ・ダイハツ
助手席側センターピラートヨタ・ホンダ・マツダ
エンジンルーム内トヨタ・日産・三菱・マツダ・ホンダ・スズキ・ダイハツ・イスズ・スバル

輸入車「型式表示プレート」表示場所

センターピラーVワーゲン
トランクルーム内Vワーゲン・アルファロメオ
エンジンルーム内Vワーゲン・Mベンツ・BMW・オペル・ボルボ

(引用元:補修ナビ・99工房

カラーナンバーは、年式・車種によって表示場所が異なる場合があるので、不明点はディーラー・メーカー等に確認しましょう。

クリアースプレー

塗装後に、仕上げのため使用するのがクリアースプレーです。深みのある光沢を出し、コーティング効果もあるのでボディーの表面を守ってくれます。

コンパウンド(磨き・仕上げ用)

コンパウンドは、液状やペースト状の研磨剤のことです。コンパウンドで磨くことによって、研磨の力でキズが目立たなくなります。

ただし、研磨しすぎると塗装は薄くなっていき逆に、キズの原因になるので粒子の大きさを確認し、研磨しすぎないよう注意しましょう。

その他

その他、以下のような消耗品を用意しておきましょう。

  • マスキングテープ
  • 養生用ビニール
  • 新聞紙

スプレー塗装の手順

引用元:99工房

Step1:耐水ペーパーで車を研磨する

まず、表面の汚れを落とすために洗車を行います。キズの場所を確認し、ささくれなどがあれば耐水ペーパーで、表面を滑らかに整えます。ペーパーの粗さは600番くらいで良いでしょう。

Step2:脱脂をする

洗車だけでは、落としきれない汚れをシリコンオフを使って表面の脱脂をおこないます。シリコンオフスプレーを吹きかけ、綺麗なタオルで拭き上げます。脱脂の作業は重要なので、丁寧に行いましょう。

Step3:マスキングをする

塗装前に塗らない場所にマスキングを行います。マスキングの注意点は、丁寧な作業をすることです。塗料がマスキングに染み込まないよう、よく押さえながら張り付けていきましょう。

Step4:プラサフ(下地塗料)

プラサフをスプレーして、下地を整えます。塗料の弾き、色ムラなどを防ぎます。1度にスプレーせず、薄く吹き付けたら乾燥させ、重ね塗りします。2、3回繰り返しましょう。乾燥後、耐水ペーパーの1000番で研磨して平らにしあげましょう。

Step5:脱脂をする

シリコンオフをスプレーして、キレイなタオル(ウエス)で拭き上げます。

Step6:ボカシ剤で馴染ませる

カラースプレーをする直前にボカシ剤をスプレーします。スプレーすることで、カラーペイントのザラつきを抑えて、馴染ませる効果があります。

Step7:スプレーで着色する

ボカシ剤が乾かないうちに、カラーペイントを薄くスプレーしていきます。キレイに仕上げるため、丁寧に重ね塗りするのがポイントです。乾燥させて塗るを3回は繰り返しましょう。

Step8:クリアー剤で保護する

カラーペイントの塗装範囲より広く、クリアー剤をスプレーしていきます。3〜5回重ね塗りして、光沢感をだします。

Step9:ボカシ剤で馴染ませる

クリアースプレーした後、乾く前にボカシ剤をスプレーします。塗装した周辺の白っぽく見える部分に万遍なくスプレーしていき、色ムラをなくしていきます。塗装後は1週間~2週間、乾燥させましょう。

Step10:コンパウンドで磨く

まず、コンパウンドシートで軽く磨いていきます。塗装面のザラついた部分をなでるように研磨していき、研磨カスをキレイにふき取りましょう。

次に、コンパウンド極細を使います。
量は10〜15㎜くらいを専用スポンジに付け、磨いていきましょう。

ここでも、磨き終わりに研磨カスをキレイにふき取りましょう。
最後に、液体コンパウンドで直線に磨いていきます。磨き終われば鏡面仕上げの完成です。

スプレー塗装で失敗しないコツとは

スプレー塗装は、いくら手順に従っても素人だとスプレー塗装は難しいものです。
以下では、失敗しないためのコツを、いくつかご紹介します。

Point1:しっかり脱脂する

塗装面に油分が残っていると、スプレーした塗料が弾かれてしまいます。脱脂をする場合は、シリコンオフとキレイなタオルで拭き上げましょう。

Point2:ためし吹きをする

吹き付けの直前に必ず、新聞紙などにためし吹きをしましょう。スプレー缶はスプレーガンのように微調整はできませんが、ノズルを90度回転させることで、噴射の向きを変えられます。

Point3:一定の距離で塗装

カラースプレーを吹き付けるとき、塗装面から10〜20㎝の一定の距離を保ちましょう。

Point4:一定のスピードで塗装

カラースプレーを吹き付けるとき、スピードが安定しないと色ムラができてしまいます。一定のスピードでスプレーすることを意識しましょう。

Point5:乾燥時間

乾燥時間はじゅうぶんな時間を確保しましょう。カラーペイント後は1週間~2週間、湿気が少ないところで乾燥させましょう。

塗装を失敗したとき

失敗はつきもの、焦ることはありません。
万が一、失敗してしまった場合は以下の方法で修正することができます。

耐水ペーパーで削る

カラースプレーの液が垂れてしまったときは、乾燥させた後、垂れた部分をサンドペーパーで削り平らにしましょう。
※この時注意することは平らな木端にサンドペーパーを巻いて垂れた個所を研磨すること。
これは垂れた部分のみを研磨するためです。

専用液で落とす

塗装に失敗して色ムラができたときは、スプレーシンナーを使うと簡単にふき取れます。その後、再トライしましょう。
※シンナーで拭き取る際は塗料が残らないようにしっかりと拭き取る事、できれば最後に#2000程度で軽く足付けするとよいでしょう。

まとめ

車の塗装を専門の業者に出すと、「高額な見積もりにビックリ」ということもあります。自分でスプレー塗装できれば、安く抑えられまし、部分的な補修などであれば簡単に行うことができます。

スプレー塗装が初めての方は要領がわからなかったり、難しい部分もありますが今回ご紹介した手順を参考に、最初は小さい範囲から始めると良いでしょう。

自分で塗装してキレイになれば、より愛着がわいてきます。


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